1 / 10
1
しおりを挟む
「アビー、明日はいよいよ入学式だな」
ウエスト男爵はパンをちぎりながらアビゲイルに話し掛けた。
「ええ、そうよ。制服もなんとか仕上がってきて良かったわ」
アビーもパンに手を出しながら答える。バターはごく薄く塗る。本当はたっぷり塗りたいところだけれど。
「この子ったら今年また背が伸びたから、制服の採寸がギリギリになってしまったのよ」
そう言って母は小さく切った肉を優雅に口に運んだ。
「どうせ一年も経ったらまた丈が短くなるって」
兄が愉快そうに笑うのでアビーは脚を伸ばして向こう脛を蹴ってやった。あまり大きくないウエスト家のダイニングテーブルだからこその攻撃である。
「いてっ」
「不吉なこと言うのやめてくれる? もうこれ以上伸びなくていいんだから」
アビーは兄に向ってふくれっ面をしてからパンを思い切りかじった。
「こら、アビー。もっと優雅に食べなさい。そんなんじゃ、家庭教師にはなれないわよ」
「大丈夫。ちゃんと、やる時はやるから」
アビゲイル・ウエストは十五歳。明日から王立学園に入学する。彼女には目標があった。半年前、家族にこう宣言したのだ。
「私、結婚は諦めた」
「アビー? 急にどうしたの」
「身長が伸びすぎたわ。これじゃあ、ほとんどの男性を見下ろしてしまうじゃない。わざわざ、自分よりデカい男爵令嬢を嫁にもらおうと思う人はいないもの」
「そんなことないわよ、アビー。人は見た目だけで結婚するわけではないでしょう」
「もちろんそうだけど、かなり険しい茨の道だわ。結婚もしないままここにずっといるわけにもいかないんだし、職を持とうと思うの」
「職って……。」
「王宮や上位貴族の家庭教師か、パーラーメイドね。家庭教師なら一生働けそうだし、接客担当のメイドなら背が高くても採用ありそうだし」
「いいじゃん、そうしろよ。俺が当主になった時、働かない妹に家でゴロゴロされてたら嫌だもんなあ」
兄の軽口にムッとしながらもアビーは続けた。
「だから、学園で過ごす二年間は勉学に励み、家庭教師になれるよう頑張るわ。そしてあわよくば上位貴族の令嬢と仲良くなって将来雇ってもらうのよ」
「すげえ、こんな野心を持って学園に行くやつもいるんだな」
「兄さま、茶化さないでよね。兄さまは将来が決まってるからいいけれど、私は切実なの。こんな背高のっぽでもいいと言ってくれる人を探すより、一人でも生きていける術を身に付ける方が絶対確実だわ」
「よく言った、アビゲイル。お前は本当に強い子だ。とにかく、幼い頃から体が大きくて力も強かったからなあ。マイクが小さくて弱々しかったから、二人が逆だったらと何度思ったことか」
自分に鉾先が向いてきた兄が反論する。
「なんだよ、ちょっと成長が遅かっただけだろ。今はアビーより高いじゃないか」
「ほんのちょっとだけね」
今度は兄がムッとしていた。
「ほんとにねえ、昔は取っ組み合いの喧嘩でアビーが勝ったりしてたものねえ。三つも年が違うというのに」
「まあ、さすがに今は兄さまの方が力が強いけど、乗馬は私の方が上手いわね」
「くそう。言い返せない……」
乗馬が不得手な兄は悔しがった。
この会話が半年前のこと。あれからまたアビーは身長が伸び、既に成長が止まった兄を追い抜いてしまった。この国の男性の平均身長よりかなり高い。
(もちろん、貴族の中にも背が高い男性はたくさんいるわ。でも、身分が高いわけでもない大女とわざわざ結婚しようなんて人はいないでしょ)
だからアビーは十五歳にして一人で生きていく決意を固めているのだった。明日からの学園生活、真面目に頑張ろうと改めて心に誓いながら眠りについた。
翌朝、アビーは制服を着て鏡の前で入念にチェックした。
「スカートの丈、良し」
チェックのスカートは上品なミモレ丈で、ペチコートでふんわりとさせている。編み上げブーツを合わせるととても可愛い。ブーツのヒールは低めにしているけれど。
「リボンタイ、良し」
紺色の上着は軽く身体にフィットする形で、大きな白い襟が付いている。胸元に結んだリボンタイは男爵を表す茶色だ。
「髪型、良し」
アビーの髪は地味な茶色ではあるが、艶があり自然なウェーブがお気に入りだ。だが、勉強の邪魔になるからと自慢の髪は下ろさずきっちりと編み込んだ。
「じゃあ、行って参ります」
始業時間より早めに着くように出発したアビーだったが、教室にたどり着いたのはかなり遅くなった。
「まさか馬車止めで渋滞に巻き込まれるとはね。しかも身分の高い人から降ろされるんだもの」
ブツブツ言いながら教室へ向かう。新入生の女子クラス、今年は十人だと聞いている。
ドアの前で一旦深呼吸をした。中から、キャッキャと話す声が聞こえている。
「あら? 最後の方がいらしたみたいよ」
「どんな方かしら。楽しみだわねえ」
注目が集まっているらしい事を感じながらアビーはドアを開けた。すると、教室の前方に女子がひとかたまりになっていて、その全員がこちらを見ていた。
一瞬の沈黙の後、輪の真ん中にいた女子が、甲高い声で言った。
「いやだわ、また大女じゃない」
すると周りにいた女子が一斉に笑った。
「本当ですわ、二人もいるなんて珍しい」
「食べられちゃいそうで怖いわあ」
(何コイツら。人の事を巨人みたいに)
アビーはムカツいてはいたが、
「おはようございます」
とお辞儀をしてから集団の横を通り過ぎた。皆、クスクスと笑いながらアビーの動きを目で追っていた。
「大女をお仲間にするのはやめておきましょうね。ここにいる七人の方に、これから二年間、仲良くしていただきたいわ」
輪の中心にいる女子は公爵家を表す青色のリボンタイを結んでいた。身長は小さく、華奢な身体に濃い金色の髪が見事な縦ロールとなって揺れていた。
周りにいる女子達は皆喜んで、
「よろしくお願いいたしますわ、レベッカ様」
と、キャッキャウフフしていた。
(アホらしい。こんな人達とは関わらずに勉強に集中するべきね)
そう思いながら窓際に視線を移すと、一番後ろの席に座った女子がウルウルとした涙目でアビーを見つめていた。
座っていてもわかるその身長。この女子生徒が、もう一人の大女だとアビーは理解した。
彼女もまた公爵家の青いリボンタイをつけていた。淡い金色の柔らかな巻毛をハーフアップにしてふんわりと下ろしたその姿は、身長さえ高くなければ守ってあげたい女子ナンバーワンになってもおかしくない可愛らしさだ。
アビーは一礼して隣に座った。身分差ゆえこちらから話し掛けることは出来ないのだ。
「あのう……。私、パトリシア・バイロンと申します。お名前を伺っても?」
おずおずと、彼女の方から声を掛けてくれた。
「私はアビゲイル・ウエストと申します。よろしくお願いいたしますわ、パトリシア様」
すると彼女はにっこりと笑った。
「私と同じくらいの身長の方と出会ったのは初めてですわ。すごく嬉しい。私と、お友達になって下さる?」
「もちろんです、パトリシア様。光栄です」
アビーは心からそう答えた。こんなに感じのいい人に今まで会ったことはない。
それから二人はいつも一緒にいるようになり、いつしか「アビー」「トリシャ」と愛称で呼び合うようになっていた。
トリシャは大きな身体に似合わず大人しくて気が小さい。同じ公爵という身分で対等である筈のレベッカは、何故かパトリシアを敵視していて、常に大女だデカ女だと嫌味を投げつけてくる。
周りの取り巻き達も、レベッカに気に入られようとして一緒になって悪口を言ってくる。
「どうして言い返さないの?」
「だって、怖いんだもの。それに、大きいのは本当だし」
そう言って涙目で耐えているのだ。アビーは代わりに言い返してやりたかったが、トリシャがそれを望んでいないので仕方なく黙っていた。
ウエスト男爵はパンをちぎりながらアビゲイルに話し掛けた。
「ええ、そうよ。制服もなんとか仕上がってきて良かったわ」
アビーもパンに手を出しながら答える。バターはごく薄く塗る。本当はたっぷり塗りたいところだけれど。
「この子ったら今年また背が伸びたから、制服の採寸がギリギリになってしまったのよ」
そう言って母は小さく切った肉を優雅に口に運んだ。
「どうせ一年も経ったらまた丈が短くなるって」
兄が愉快そうに笑うのでアビーは脚を伸ばして向こう脛を蹴ってやった。あまり大きくないウエスト家のダイニングテーブルだからこその攻撃である。
「いてっ」
「不吉なこと言うのやめてくれる? もうこれ以上伸びなくていいんだから」
アビーは兄に向ってふくれっ面をしてからパンを思い切りかじった。
「こら、アビー。もっと優雅に食べなさい。そんなんじゃ、家庭教師にはなれないわよ」
「大丈夫。ちゃんと、やる時はやるから」
アビゲイル・ウエストは十五歳。明日から王立学園に入学する。彼女には目標があった。半年前、家族にこう宣言したのだ。
「私、結婚は諦めた」
「アビー? 急にどうしたの」
「身長が伸びすぎたわ。これじゃあ、ほとんどの男性を見下ろしてしまうじゃない。わざわざ、自分よりデカい男爵令嬢を嫁にもらおうと思う人はいないもの」
「そんなことないわよ、アビー。人は見た目だけで結婚するわけではないでしょう」
「もちろんそうだけど、かなり険しい茨の道だわ。結婚もしないままここにずっといるわけにもいかないんだし、職を持とうと思うの」
「職って……。」
「王宮や上位貴族の家庭教師か、パーラーメイドね。家庭教師なら一生働けそうだし、接客担当のメイドなら背が高くても採用ありそうだし」
「いいじゃん、そうしろよ。俺が当主になった時、働かない妹に家でゴロゴロされてたら嫌だもんなあ」
兄の軽口にムッとしながらもアビーは続けた。
「だから、学園で過ごす二年間は勉学に励み、家庭教師になれるよう頑張るわ。そしてあわよくば上位貴族の令嬢と仲良くなって将来雇ってもらうのよ」
「すげえ、こんな野心を持って学園に行くやつもいるんだな」
「兄さま、茶化さないでよね。兄さまは将来が決まってるからいいけれど、私は切実なの。こんな背高のっぽでもいいと言ってくれる人を探すより、一人でも生きていける術を身に付ける方が絶対確実だわ」
「よく言った、アビゲイル。お前は本当に強い子だ。とにかく、幼い頃から体が大きくて力も強かったからなあ。マイクが小さくて弱々しかったから、二人が逆だったらと何度思ったことか」
自分に鉾先が向いてきた兄が反論する。
「なんだよ、ちょっと成長が遅かっただけだろ。今はアビーより高いじゃないか」
「ほんのちょっとだけね」
今度は兄がムッとしていた。
「ほんとにねえ、昔は取っ組み合いの喧嘩でアビーが勝ったりしてたものねえ。三つも年が違うというのに」
「まあ、さすがに今は兄さまの方が力が強いけど、乗馬は私の方が上手いわね」
「くそう。言い返せない……」
乗馬が不得手な兄は悔しがった。
この会話が半年前のこと。あれからまたアビーは身長が伸び、既に成長が止まった兄を追い抜いてしまった。この国の男性の平均身長よりかなり高い。
(もちろん、貴族の中にも背が高い男性はたくさんいるわ。でも、身分が高いわけでもない大女とわざわざ結婚しようなんて人はいないでしょ)
だからアビーは十五歳にして一人で生きていく決意を固めているのだった。明日からの学園生活、真面目に頑張ろうと改めて心に誓いながら眠りについた。
翌朝、アビーは制服を着て鏡の前で入念にチェックした。
「スカートの丈、良し」
チェックのスカートは上品なミモレ丈で、ペチコートでふんわりとさせている。編み上げブーツを合わせるととても可愛い。ブーツのヒールは低めにしているけれど。
「リボンタイ、良し」
紺色の上着は軽く身体にフィットする形で、大きな白い襟が付いている。胸元に結んだリボンタイは男爵を表す茶色だ。
「髪型、良し」
アビーの髪は地味な茶色ではあるが、艶があり自然なウェーブがお気に入りだ。だが、勉強の邪魔になるからと自慢の髪は下ろさずきっちりと編み込んだ。
「じゃあ、行って参ります」
始業時間より早めに着くように出発したアビーだったが、教室にたどり着いたのはかなり遅くなった。
「まさか馬車止めで渋滞に巻き込まれるとはね。しかも身分の高い人から降ろされるんだもの」
ブツブツ言いながら教室へ向かう。新入生の女子クラス、今年は十人だと聞いている。
ドアの前で一旦深呼吸をした。中から、キャッキャと話す声が聞こえている。
「あら? 最後の方がいらしたみたいよ」
「どんな方かしら。楽しみだわねえ」
注目が集まっているらしい事を感じながらアビーはドアを開けた。すると、教室の前方に女子がひとかたまりになっていて、その全員がこちらを見ていた。
一瞬の沈黙の後、輪の真ん中にいた女子が、甲高い声で言った。
「いやだわ、また大女じゃない」
すると周りにいた女子が一斉に笑った。
「本当ですわ、二人もいるなんて珍しい」
「食べられちゃいそうで怖いわあ」
(何コイツら。人の事を巨人みたいに)
アビーはムカツいてはいたが、
「おはようございます」
とお辞儀をしてから集団の横を通り過ぎた。皆、クスクスと笑いながらアビーの動きを目で追っていた。
「大女をお仲間にするのはやめておきましょうね。ここにいる七人の方に、これから二年間、仲良くしていただきたいわ」
輪の中心にいる女子は公爵家を表す青色のリボンタイを結んでいた。身長は小さく、華奢な身体に濃い金色の髪が見事な縦ロールとなって揺れていた。
周りにいる女子達は皆喜んで、
「よろしくお願いいたしますわ、レベッカ様」
と、キャッキャウフフしていた。
(アホらしい。こんな人達とは関わらずに勉強に集中するべきね)
そう思いながら窓際に視線を移すと、一番後ろの席に座った女子がウルウルとした涙目でアビーを見つめていた。
座っていてもわかるその身長。この女子生徒が、もう一人の大女だとアビーは理解した。
彼女もまた公爵家の青いリボンタイをつけていた。淡い金色の柔らかな巻毛をハーフアップにしてふんわりと下ろしたその姿は、身長さえ高くなければ守ってあげたい女子ナンバーワンになってもおかしくない可愛らしさだ。
アビーは一礼して隣に座った。身分差ゆえこちらから話し掛けることは出来ないのだ。
「あのう……。私、パトリシア・バイロンと申します。お名前を伺っても?」
おずおずと、彼女の方から声を掛けてくれた。
「私はアビゲイル・ウエストと申します。よろしくお願いいたしますわ、パトリシア様」
すると彼女はにっこりと笑った。
「私と同じくらいの身長の方と出会ったのは初めてですわ。すごく嬉しい。私と、お友達になって下さる?」
「もちろんです、パトリシア様。光栄です」
アビーは心からそう答えた。こんなに感じのいい人に今まで会ったことはない。
それから二人はいつも一緒にいるようになり、いつしか「アビー」「トリシャ」と愛称で呼び合うようになっていた。
トリシャは大きな身体に似合わず大人しくて気が小さい。同じ公爵という身分で対等である筈のレベッカは、何故かパトリシアを敵視していて、常に大女だデカ女だと嫌味を投げつけてくる。
周りの取り巻き達も、レベッカに気に入られようとして一緒になって悪口を言ってくる。
「どうして言い返さないの?」
「だって、怖いんだもの。それに、大きいのは本当だし」
そう言って涙目で耐えているのだ。アビーは代わりに言い返してやりたかったが、トリシャがそれを望んでいないので仕方なく黙っていた。
0
お気に入りに追加
154
あなたにおすすめの小説
身代わり皇妃は処刑を逃れたい
マロン株式
恋愛
「おまえは前提条件が悪すぎる。皇妃になる前に、離縁してくれ。」
新婚初夜に皇太子に告げられた言葉。
1度目の人生で聖女を害した罪により皇妃となった妹が処刑された。
2度目の人生は妹の代わりに私が皇妃候補として王宮へ行く事になった。
そんな中での離縁の申し出に喜ぶテリアだったがー…
別サイトにて、コミックアラカルト漫画原作大賞最終候補28作品ノミネート
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】もったいないですわ!乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢は、今日も生徒会活動に勤しむ~経済を回してる?それってただの無駄遣いですわ!~
鬼ヶ咲あちたん
恋愛
内容も知らない乙女ゲームの世界に転生してしまった悪役令嬢は、ヒロインや攻略対象者たちを放って今日も生徒会活動に勤しむ。もったいないおばけは日本人の心! まだ使える物を捨ててしまうなんて、もったいないですわ! 悪役令嬢が取り組む『もったいない革命』に、だんだん生徒会役員たちは巻き込まれていく。「このゲームのヒロインは私なのよ!?」荒れるヒロインから一方的に恨まれる悪役令嬢はどうなってしまうのか?
悪役令嬢はざまぁされるその役を放棄したい
みゅー
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生していたルビーは、このままだとずっと好きだった王太子殿下に自分が捨てられ、乙女ゲームの主人公に“ざまぁ”されることに気づき、深い悲しみに襲われながらもなんとかそれを乗り越えようとするお話。
切ない話が書きたくて書きました。
転生したら推しに捨てられる婚約者でした、それでも推しの幸せを祈りますのスピンオフです。
【完結】伯爵の愛は狂い咲く
白雨 音
恋愛
十八歳になったアリシアは、兄の友人男爵子息のエリックに告白され、婚約した。
実家の商家を手伝い、友人にも恵まれ、アリシアの人生は充実し、順風満帆だった。
だが、町のカーニバルの夜、それを脅かす出来事が起こった。
仮面の男が「見つけた、エリーズ!」と、アリシアに熱く口付けたのだ!
そこから、アリシアの運命の歯車は狂い始めていく。
両親からエリックとの婚約を解消し、年の離れた伯爵に嫁ぐ様に勧められてしまう。
「結婚は愛した人とします!」と抗うアリシアだが、運命は彼女を嘲笑い、
その渦に巻き込んでいくのだった…
アリシアを恋人の生まれ変わりと信じる伯爵の執愛。
異世界恋愛、短編:本編(アリシア視点)前日譚(ユーグ視点)
《完結しました》
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる