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星に願う
しおりを挟む幸三は妙子の事を想い、来る日も来る日も様々な色の花を摘んで持っていき、妙子に言葉でイメージを説明していた。
花は繊細でまるで妙子の心をあらわしているようだった。
妙子は幸三への想いが次第に強くなっていくばかり、しかし、幸三はその想いに応える事に苦しんでいた。
妙子はある事を思いついた。
それは、幸三への恩返しを何らかの形でしたいという事だった。
妙子は目が見えなかったが、イメージで折り紙でさまざまな形のもの、折り鶴や花の形にしたものを作ったのだった。
そして、幸三に渡していた。
幸三はそのような妙子の優しさと繊細な心にさらに惹かれていった。
しかし、悲しい出来事が起きたのだった。
ある日健三が妙子の家を訪れようとしたときに、馬車にはねられたのだった。
幸三は足を大怪我して、そのために入院することになった。
そのことを知らない妙子と母親は突然に訪れなくなった幸三を毎日ように、毎日のように待つばかりだったのだ。
それは悲しい出来事だった。
妙子は幸三からもらった花を見ては涙にあふれる日々が続いたのだった。
幸三も辛い日々が続いた。
辛いのは足の大怪我ではなく妙子へ会えない辛さの方だった。
幸三は星空を見上げては妙子を思い出していた。
そして、涙するのだったのだ。
満天の星空には天の川がきらめく季節だった。
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