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《番外編》開演に先立ちまして、ご来場のお客様にお願い申しあげます
(三)
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荒俣匡哉は安堵していた。以前に共演した時は十八歳の未成年だった故、颯人ら共演者の誘いを全て断った。ようやく今年二十歳を迎え、これからは大きな顔をして酒の席にも参加できる。
今までドラマや映画の打ち上げも一次会に顔だけ出し、ジュースや烏龍茶で乾杯してすぐに退席していた。愛想がない、付き合いが悪いと苦言を呈するスタッフもいたが、当然のように酒を勧めてくるから仕方がない。それに大人数でわいわい騒ぐのは苦手なのだ。
荒俣匡哉、本名は宮地恭也。プロフィールには高校一年生にアルバイト先の牛丼屋でスカウトされるとあるが……
実は年齢を偽りバイトしていて、当時はまだ中学二年生だったのだ。デビューするにあたり素性がばれると、周囲に迷惑がかかりそうなので年齢、本名等はずっと非公開にしている。
それに物心ついた時から、自分の出生が後ろ暗いものだと気づいていた。戸籍の父親欄には名前がなく、最初から父親はいないものとして育ってきた。
母親と伯母だと名乗る町村和美の三人で暮らし、祖父母や親戚の類いも父親同様知らない。
周囲の子らの母親よりも少し若くて綺麗な母は匡哉の自慢だ。だが、悪い男にでも騙されたのか。愛していたけれど一緒になれなかった父親は、生きているのか、亡くなっているのかわからない。
今の時代はネットで検索すれば何でも発覚しそうだが、匡哉の場合は常に周囲に馴染み過ぎて、その存在が埋もれていたようだ。
しかも、わざとそうしていたのか二、三年おきに引っ越ししていたため、幼馴染や強い絆の同級生などできる時間はなかった。
今は役柄によって様々なキャラクターを演じているので、素顔を知るのは事務所関係者くらい。実年齢より若くサバ読むのが常の芸能界で、上にサバ読みしている匡哉は特殊なのかもしれない。
そのせいか、世の中にはなんちゃって匡哉は多く存在するものの、本人に関する詳細な情報が出てこないのだった。
「この前はありがとうございました。遅くまでお邪魔して、ご迷惑をおかけしました」
ドラマと掛け持ちの颯人とは自宅に招かれて以来すれ違いで、久しぶりに同じ稽古日になった。
「こっちこそ、ありがとな。わざわざ花まで贈ってくれて、かえって気を遣わせちゃったかな? でも、こんな紳士的な人は初めてだって、えらく嫁が喜んでいたよ」
颯人の自宅に招かれたのは匡哉だけではなかった。他に颯人の事務所スタッフや舞台関係者等、五、六人はいたはずだ。それを亜澄一人で持てなしていたのだ、さぞかし大変だっただろう。
アイドル時代は料理などしなかったという彼女だが、颯人と交際してから料理教室に通い腕を上げたそうだ。
颯人との間に一男二女をもうけ、家事に育児に奮闘しているという。
「喜んでいただけたなら、嬉しいです。忙しい時間帯に突然お邪魔したので、ほんのお礼の気持ちです」
「お前、涼しい顔してサラっとキザな台詞を吐くなぁ」
母子家庭で育ってきたためか、女性には優しくしなければいけないと思っている。特に家庭では母親の役割は重要で、母親が笑顔でいれば家庭は円満になれるのだ。
幼子を寝かしつけた後に夫が仕事仲間を自宅に連れてくるとなれば、妻の負担は大きいだろう。それなのに嫌な顔ひとつ見せず手料理を振る舞う亜澄に、匡哉は申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
花束ひとつで喜んで貰えるのなら、何度でも贈りたい気持ちだった。
「それより、前の現場で飯食い損ねたんだけど。何かない?」
お腹をさすりながら颯人は稽古場の隅にあるテーブルを見やる。そこには共演者や関係者からの差し入れ、当日の弁当などが置いてある。
今回は匡哉の母親手作りの料理も並んであったが、共演者たちが群がり僅かに残っているだけだ。
「にんにく料理はご法度だって言ったのに、皆さんで食べてくださいって」
かつて流行った「赤信号みんなで渡れば怖くない」のノリで母親が持たせたという。
「このから揚げ、美味いじゃん」
「一応、都内で総菜屋をやっているんで、プロといえばプロの味です。あ、先生も召し上がりました?」
「いや、俺は油ものが……」
「何をじじ臭いこと言って、ほら!」
颯人が蛯沢の口にから揚げを押し込んだ
「こ、この味は……」
「にんにく醤油のから揚げです。店一番の人気商品なんです。普通に醤油ににんにくを漬け込んでいるだけなのに、これを炒飯とかの隠し味で使うと滅茶苦茶美味しいんですよ」
「総菜屋をねぇ。下町っぽくてお前の見てくれと結びつかないけど、ご両親が経営しているのかな?」
「母子家庭で育ったから、俺には父親はいません。総菜屋は二年前にオープンしました。小さい店ですがなかなかの売り上げだそうです」
「総菜屋っていうからコロッケとかハムカツを売っているような店を想像したけど、キッチンデリplume(プリューム)ってお洒落系じゃねえの?」
「店を出すのが母の夢だったので、俺も一緒に頑張りました」
仕事への原動力は母親の夢を叶えてあげることだったという。
「もしかして、お前って苦労人? 孝行息子だなぁ」
母子家庭で育ち、父親はいない。母親は都内で総菜屋を営んでいる。プロフィールは非公開なのに、荒俣匡哉は少しずつ自分のことを話し始めていた。
「……実は母が先生のファンなので引き受けたんです」
稽古中に何気なくそう言った時、笑顔が過去の亡霊その人と同じだった。それに、匡哉はいつも分厚い辞書を持ち歩いている。
「スマホで検索した方が楽じゃね?」
同世代の共演者が驚いたように言っても、これじゃないと駄目だと言う。
「俺は頭が悪いし、高校に行ってないから」
その分、独学で勉強しているという。
「その辞書って年季ものだよね? 役に立つの?」
「うん、母親のお古だけど充分働いてくれているよ」
謙遜なのか、決して頭が悪い方ではない。むしろ、飲み込みは早いし、応用力もある。普段は何処にいるのかわからないような影の薄い存在なのに、いざ芝居が始まると突如オーラを出して圧倒的な存在感をアピールする。
「大した男ね、荒俣匡哉って。母親の顔が見たいわね」
意味ありげな飛鶴の言葉に蛯沢はまたもや動揺する。荒俣匡哉は本名も年齢も出身地も、一切素性を明かしていない。ただ本人の口から聞いたのは母親の存在だけ。それと、どこか懐かしい唐揚げの味……そういえば、あいつも口癖のようにいつも「私は馬鹿だから」と言っていたな。
手料理を振舞うのが好きで、いつも分厚い辞書を持ち歩いていた女。過去の亡霊を思い出すと、何年たっても甘酸っぱい気持ちになる。
――やっぱり、あなたは忘れていなかったのね。
後悔だけが残る記憶なんぞ、いっそのこと忘れてしまえば良かった。
今までドラマや映画の打ち上げも一次会に顔だけ出し、ジュースや烏龍茶で乾杯してすぐに退席していた。愛想がない、付き合いが悪いと苦言を呈するスタッフもいたが、当然のように酒を勧めてくるから仕方がない。それに大人数でわいわい騒ぐのは苦手なのだ。
荒俣匡哉、本名は宮地恭也。プロフィールには高校一年生にアルバイト先の牛丼屋でスカウトされるとあるが……
実は年齢を偽りバイトしていて、当時はまだ中学二年生だったのだ。デビューするにあたり素性がばれると、周囲に迷惑がかかりそうなので年齢、本名等はずっと非公開にしている。
それに物心ついた時から、自分の出生が後ろ暗いものだと気づいていた。戸籍の父親欄には名前がなく、最初から父親はいないものとして育ってきた。
母親と伯母だと名乗る町村和美の三人で暮らし、祖父母や親戚の類いも父親同様知らない。
周囲の子らの母親よりも少し若くて綺麗な母は匡哉の自慢だ。だが、悪い男にでも騙されたのか。愛していたけれど一緒になれなかった父親は、生きているのか、亡くなっているのかわからない。
今の時代はネットで検索すれば何でも発覚しそうだが、匡哉の場合は常に周囲に馴染み過ぎて、その存在が埋もれていたようだ。
しかも、わざとそうしていたのか二、三年おきに引っ越ししていたため、幼馴染や強い絆の同級生などできる時間はなかった。
今は役柄によって様々なキャラクターを演じているので、素顔を知るのは事務所関係者くらい。実年齢より若くサバ読むのが常の芸能界で、上にサバ読みしている匡哉は特殊なのかもしれない。
そのせいか、世の中にはなんちゃって匡哉は多く存在するものの、本人に関する詳細な情報が出てこないのだった。
「この前はありがとうございました。遅くまでお邪魔して、ご迷惑をおかけしました」
ドラマと掛け持ちの颯人とは自宅に招かれて以来すれ違いで、久しぶりに同じ稽古日になった。
「こっちこそ、ありがとな。わざわざ花まで贈ってくれて、かえって気を遣わせちゃったかな? でも、こんな紳士的な人は初めてだって、えらく嫁が喜んでいたよ」
颯人の自宅に招かれたのは匡哉だけではなかった。他に颯人の事務所スタッフや舞台関係者等、五、六人はいたはずだ。それを亜澄一人で持てなしていたのだ、さぞかし大変だっただろう。
アイドル時代は料理などしなかったという彼女だが、颯人と交際してから料理教室に通い腕を上げたそうだ。
颯人との間に一男二女をもうけ、家事に育児に奮闘しているという。
「喜んでいただけたなら、嬉しいです。忙しい時間帯に突然お邪魔したので、ほんのお礼の気持ちです」
「お前、涼しい顔してサラっとキザな台詞を吐くなぁ」
母子家庭で育ってきたためか、女性には優しくしなければいけないと思っている。特に家庭では母親の役割は重要で、母親が笑顔でいれば家庭は円満になれるのだ。
幼子を寝かしつけた後に夫が仕事仲間を自宅に連れてくるとなれば、妻の負担は大きいだろう。それなのに嫌な顔ひとつ見せず手料理を振る舞う亜澄に、匡哉は申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。
花束ひとつで喜んで貰えるのなら、何度でも贈りたい気持ちだった。
「それより、前の現場で飯食い損ねたんだけど。何かない?」
お腹をさすりながら颯人は稽古場の隅にあるテーブルを見やる。そこには共演者や関係者からの差し入れ、当日の弁当などが置いてある。
今回は匡哉の母親手作りの料理も並んであったが、共演者たちが群がり僅かに残っているだけだ。
「にんにく料理はご法度だって言ったのに、皆さんで食べてくださいって」
かつて流行った「赤信号みんなで渡れば怖くない」のノリで母親が持たせたという。
「このから揚げ、美味いじゃん」
「一応、都内で総菜屋をやっているんで、プロといえばプロの味です。あ、先生も召し上がりました?」
「いや、俺は油ものが……」
「何をじじ臭いこと言って、ほら!」
颯人が蛯沢の口にから揚げを押し込んだ
「こ、この味は……」
「にんにく醤油のから揚げです。店一番の人気商品なんです。普通に醤油ににんにくを漬け込んでいるだけなのに、これを炒飯とかの隠し味で使うと滅茶苦茶美味しいんですよ」
「総菜屋をねぇ。下町っぽくてお前の見てくれと結びつかないけど、ご両親が経営しているのかな?」
「母子家庭で育ったから、俺には父親はいません。総菜屋は二年前にオープンしました。小さい店ですがなかなかの売り上げだそうです」
「総菜屋っていうからコロッケとかハムカツを売っているような店を想像したけど、キッチンデリplume(プリューム)ってお洒落系じゃねえの?」
「店を出すのが母の夢だったので、俺も一緒に頑張りました」
仕事への原動力は母親の夢を叶えてあげることだったという。
「もしかして、お前って苦労人? 孝行息子だなぁ」
母子家庭で育ち、父親はいない。母親は都内で総菜屋を営んでいる。プロフィールは非公開なのに、荒俣匡哉は少しずつ自分のことを話し始めていた。
「……実は母が先生のファンなので引き受けたんです」
稽古中に何気なくそう言った時、笑顔が過去の亡霊その人と同じだった。それに、匡哉はいつも分厚い辞書を持ち歩いている。
「スマホで検索した方が楽じゃね?」
同世代の共演者が驚いたように言っても、これじゃないと駄目だと言う。
「俺は頭が悪いし、高校に行ってないから」
その分、独学で勉強しているという。
「その辞書って年季ものだよね? 役に立つの?」
「うん、母親のお古だけど充分働いてくれているよ」
謙遜なのか、決して頭が悪い方ではない。むしろ、飲み込みは早いし、応用力もある。普段は何処にいるのかわからないような影の薄い存在なのに、いざ芝居が始まると突如オーラを出して圧倒的な存在感をアピールする。
「大した男ね、荒俣匡哉って。母親の顔が見たいわね」
意味ありげな飛鶴の言葉に蛯沢はまたもや動揺する。荒俣匡哉は本名も年齢も出身地も、一切素性を明かしていない。ただ本人の口から聞いたのは母親の存在だけ。それと、どこか懐かしい唐揚げの味……そういえば、あいつも口癖のようにいつも「私は馬鹿だから」と言っていたな。
手料理を振舞うのが好きで、いつも分厚い辞書を持ち歩いていた女。過去の亡霊を思い出すと、何年たっても甘酸っぱい気持ちになる。
――やっぱり、あなたは忘れていなかったのね。
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