将棋を始めた僕はプロ棋士を目指してみようと思います。

花梨美亜

文字の大きさ
上 下
2 / 2

初めての対局

しおりを挟む
次の日、俺は早速その将棋部とやらに行ってみることにした。

「失礼しますッ…入部希望者です…ってか入部させられましたッ」

と言って将棋部に入ると、中には1大勢の部員たちがいた。

それを見た俺はその女子生徒にこう言った。

「おい、ちょっと表へ出てきてくれないか?」

と言い、将棋部の外へ出て、その女子生徒に問い詰めた。

「おい、廃部寸前じゃないのかよ、部員たち結構いるんだけど…だまされたんだな…そうなんだな?」

彼女はこう答えた。

「だって、こうじゃないと入ってくれそうになかったから…」

と言ってきた。

俺は「まあ入っちまった以上は三年間ちゃんと部活にはいくし、試合にも出るし、練習だってするからよ。次からはこういうやり方で勧誘はやめとけよ…」と言ってあげた。

すると彼女は「はい、では早速対局しましょう…」と言い、早速部員たちと対局が始まった。

俺は「ちょっと待ってよ、いきなり対局は無理があるだろ…俺、将棋初心者なんだけど?」

と言うと、彼女は「いいからいいから、部長のいうことは聞くもんだよ!」と言って、強制的に対局が始まった。

俺は、「えーっと、とりあえず歩兵でも動かしてみるか…」

と言いながら歩兵をまっすぐ進めた。

対戦相手の子は「じゃあ、私も歩兵を動かして…」

と言いながら、角道の歩兵を前に進めた。

で、俺は、部長に「なあ、角ってどんな動きするんだ?」と聞いた。

すると部長は「角は斜めに進むことができるから、相手の角を取ることができるよ…」

と教えてくれたので、相手の陣地にある角を取った。

そして、部長は「相手の陣地に入ったら裏返すことができて、これを成るというんだよ…」

と言った。

俺は言われるがまま、角を裏返して成った。

相手の子は「いやー素人にしてはいい動きだけど、でも、ここからが真の戦いよ…」と言い、どんどん攻めの陣形を作っていく。

何をやってるのかすらわからない俺は、部長に「なあ、相手は何やってんだ?」と尋ねると「ああ、アレは駒組といって、負けないようにぎょくのまわりを手厚くしてるのよ…」と教えてくれた。

相手の子は「何言ってるのよ…駒組も勝つためには必要な戦略よ…」といってきて、駒組をしながら、こちらの陣地に拠点をつくってきた。

俺も攻めていくが素人の俺と経験者の女の子とでは、力の差がありすぎて、こちらの陣地を荒らされてしまう。

それでも、何とか相手の玉を追い詰めていき、相手の子は、それを必死に受ける展開になった。

「はあ、はあ、くッ…まさか、今日始めたばかりのあんたがここまで追い詰めるなんて、予想外だったけど…でも、もうここまでよ、さ、ここからは私の美しい攻めに魅了されなさい…」

といって、相手の女の子はどんどん攻めてきて、俺はその攻めを必死で受けていく。

しかし、もう逃げ場がないと判断した俺は「ふう、負けました…」と言い、投了した。

すると相手の女の子は「あなた、筋は悪くないんだけど、でも…このままじゃいずれ大会で痛い目を見ることになるわ…そうね、今度の土曜、私の家に来なさい…あなたを鍛えてあげるわ…」と言ってくれた。






しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。

ながしょー
青春
 ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。  このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

怪我でサッカーを辞めた天才は、高校で熱狂的なファンから勧誘責めに遭う

もぐのすけ
青春
神童と言われた天才サッカー少年は中学時代、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯においてクラブを二連覇させる大活躍を見せた。 将来はプロ確実と言われていた彼だったが中学3年のクラブユース選手権の予選において、選手生命が絶たれる程の大怪我を負ってしまう。 サッカーが出来なくなることで激しく落ち込む彼だったが、幼馴染の手助けを得て立ち上がり、高校生活という新しい未来に向かって歩き出す。 そんな中、高校で中学時代の高坂修斗を知る人達がここぞとばかりに部活や生徒会へ勧誘し始める。 サッカーを辞めても一部の人からは依然として評価の高い彼と、人気な彼の姿にヤキモキする幼馴染、それを取り巻く友人達との刺激的な高校生活が始まる。

タカラジェンヌへの軌跡

赤井ちひろ
青春
私立桜城下高校に通う高校一年生、南條さくら 夢はでっかく宝塚! 中学時代は演劇コンクールで助演女優賞もとるほどの力を持っている。 でも彼女には決定的な欠陥が 受験期間高校三年までの残ります三年。必死にレッスンに励むさくらに運命の女神は微笑むのか。 限られた時間の中で夢を追う少女たちを書いた青春小説。 脇を囲む教師たちと高校生の物語。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

浦島子(うらしまこ)

wawabubu
青春
大阪の淀川べりで、女の人が暴漢に襲われそうになっていることを助けたことから、いい関係に。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

処理中です...