37 / 43
真理論争という名のクソゲー
しおりを挟む
「そんな……、そんなッ……!?」
あまりの一瞬の出来事に、岩平の頭の中は真っ白になって、その場で膝をついてしまう。その時、フォノンの方から目を離してしまったのがいけなかった。その隙にフォノンはこっそりと、ヘリコプターからかけられた梯子に飛び乗ってしまう。それに気付いた岩平が慌ててヘリを追いかけるが、ヘリの上昇までには間に合わない。
「じゃあね~、愛しき平和ボケ君たち~❤ 次に会う時を楽しみにしてるよ~❤」
「まッ、待ちやがれぇええええッッ!」
そのままヘリコプターは山側の彼方先へと飛び去って行ってしまう。岩平には叫ぶ事しか出来なかった。もはや追いかける手段が全く無くなった岩平は、その場に呆然と立ち尽くすしかなくなってしまった。
「がんぺー、今はとにかく一旦下に降りましょう……。あの爺さんがそんな簡単にやられるハズが……」
「あ……、ああ、そうだな……」
内心焦りでいっぱいだったが、気を持ち直した岩平はリーゼルに肩を貸して歩き出す。ともかく下に降りて辺理爺さんを探そうと、岩平は屋上の階段扉へと手をかけた。
「ふう、奴らはもう行ったか……」
「ジジイッ!? 無事だったのか!?」
なんと、扉を開けた先には辺理爺さんがいた。土埃まみれではあったが、どうやらリーゼルの言う通り、ちゃんと逃げれていたらしい。
「当たり前じゃ! あれしきの攻撃、儂は華麗に緊急回避してみせたわい! まぁ、おかげで儂の大事な車は潰されちまったけどな……。おまけに、腰がちょっと痛い……。イテテ……」
土埃で薄汚れた爺さんのどこが、華麗なんだと思った岩平だったが、口には出さないでおいた。
「よかった……っ、辺理……」
無事を確認して安堵したのだろう。リーゼルはそのままパッタリと気を失う。慌てて岩平はそんなリーゼルを抱きかかえるが、ここで重大な事に気付いてしまった。
「んで……? 車無くなったんなら、俺たち一体どうやって帰るんだ……?」
駅前のテロ騒ぎで当然バスは運休状態だし、タクシーは避難民でいっぱいだろう。もはや移動手段が残されていないのである。
「……そこはまぁ、歩くしかあるまい……」
結局、この日は戦い疲れてクタクタなまま、リーゼルをおんぶして3キロの道のりを歩く羽目になったのであった。
※※※
ようやく家にたどり着いた時には、もう日がすっかり沈んでいた。時計は十時をまわっている。
「いたた、いた痛っ! もうよせ、やめてくれ! がんぺい!」
閉店した電気屋の中に、痛みを我慢するリーゼルの喘ぎ声が響く。
「ダーメだって、ちゃんと消毒しとかないと、バイ菌が入っちゃうだろ?」
「そんなのいいって! どうせ物理学者なんだから、少し寝れば治るって!」
それでも岩平は聞く耳を持たず、リーゼルの足のたくさんの擦り傷に赤チンを塗り付ける。意外とリーゼルはこういうの苦手らしい。
「全く……、前代未聞じゃな……。まさか、街中でミサイルと核物質がぶちまけられるとはのう……。まぁ、核物質の方はフェルミの死亡によって消えてくれたみたいだが……」
辺理爺さんは、店のたくさんのテレビで同時に全チャンネルのニュースを見ていた。そのどれもが、先ほどの戦いでの爆発についてのものだった。ニュースでは同時多発テロ事件とされ、鷹月警察が総力を上げて捜査していたが、まだ物理学者の存在はおろか、ミサイルの使用までは明らかになってはいないらしい。流石は空気を操る物理学者(フィジシャン)のフォノンだ。ご丁寧に、爆発音は地上にまで届かないようにしていてくれたらしい。一応、奴らはまだ真理論争の事を明るみに出したくはないらしく、建物の派手な被害の割には、犠牲者は少なかった。おそらく、これら全ての攻撃はフォノンが計算して当てていたのだろう。幸か不幸か、あの騒動での民間人死亡者は及川一人だけみたいだった。しかし、それでも怪我人は38人という未曽有の事件である事には変わりがない。
「……本来は、こんな事態を避ける為に、本が燃えてしまう程の演算者(オペレーター)への過度な攻撃は禁止されているんじゃがのう……。そのルールによって、街への無差別テロ攻撃は防がれる筈じゃったのだが……。まさか、あそこまでノイマンが伝説に聞く以上に恐ろしい輩だったとはな……」
辺理爺さんが神妙な面持ちで考え込む。どうやら今回の衝突は、街にも自分たちにもかなり深刻な事態を引き起こしているようだった。
「実際、統計力学書はフェルミもろとも燃えてしまったみたいだしの……。まぁ、それについてはまた新たな統計力学書がどこかに現れるのを待つしかあるまい……」
それを聞いて岩平は微妙な気分になる。これで、せっかく用意した誕生日プレゼントがおじゃんになってしまったのは確定だった。それどころか、また新たに現れる統計力学の物理学者(フィジシャン)
を倒さなきゃいけないのかもしれないのである。しかも、さっきの戦いで、二人以上の物理学者がグルになっている伏まで見られたのだ。これからも、これまで以上の苦戦を強いられる事は容易に想像できる。真理論争とはなんてクソゲーなんだろう。
「事件発生から4時間経ったが、街の混乱はまだ続いておる。今夜はみんな、とうてい安眠できないじゃろうな。学校だって、あの損傷では当分再開できないじゃろうて……」
爺さんの言葉を聞いて、リーゼルが暗く沈んだ顔になる。それもその筈だろう。まだ入学してから2日しか経ってないのに、学校を休校させられたのである。その悲しみは誰にも推し量れないものだった。さらにまた同時に、リーゼルは拭い去ることの出来ない罪悪感を抱えてもいた。
「……ごめんなさい、アタシが街の方へ移動してしまったから……。アタシのせいで、あんな事に……」
気付けば、リーゼルの目からは涙がポロポロと零(こぼ)れだしていた。止められなくなって、悔しいのにシクシクと泣き出してしまう。
「りッ、リーゼルのせいじゃねぇよ。あのサイコ野郎に追い詰められていった事くらいは分かるさ……」
涙を見て慌てた岩平は、リーゼルをなだめて涙を止めようとする。
しかし、それでも納得できないリーゼルは、ついには言ってはいけない事まで言ってしまった。
「……アタシがすぐに最初から諦めて、自分の命を差し出していれば……、街の人たちは傷付かずに済んだのかも……」
その言葉を聞いた岩平は、唐突に立ち上がって傍の机を叩き、激怒した。
「冗談でも、そんな『もしも』は言うんじゃねぇッ! お前が命懸けで奴を止めようとしてくれたんだろ!! 確かにアイツらは強過ぎた……。まるで敵わなかった……。けどそれでも、あんな奴らの行動は絶対に許しちゃいけねーんだ! 決して、のさばらせちゃいけねーんだ!」
岩平が怒ったのは、自分の命を軽視するリーゼルの発言に対しての事だった。そして岩平はリーゼルと向き合い、拳を強く握って自身の絶対の決意を顕(あら)わにする。
「次は必ず倒す! 俺ももっともっと強くなる!! だからお前も死ぬんじゃねぇぞ! リーゼル!!」
その言葉はとても力強いものだった。どこか人の心を安心させるような、心地よくなる何かを持っていた。
「ありがと……、がんぺい……」
そうリーゼルがゆっくりと頷いた時、もう彼女の涙は止まっていた。
あまりの一瞬の出来事に、岩平の頭の中は真っ白になって、その場で膝をついてしまう。その時、フォノンの方から目を離してしまったのがいけなかった。その隙にフォノンはこっそりと、ヘリコプターからかけられた梯子に飛び乗ってしまう。それに気付いた岩平が慌ててヘリを追いかけるが、ヘリの上昇までには間に合わない。
「じゃあね~、愛しき平和ボケ君たち~❤ 次に会う時を楽しみにしてるよ~❤」
「まッ、待ちやがれぇええええッッ!」
そのままヘリコプターは山側の彼方先へと飛び去って行ってしまう。岩平には叫ぶ事しか出来なかった。もはや追いかける手段が全く無くなった岩平は、その場に呆然と立ち尽くすしかなくなってしまった。
「がんぺー、今はとにかく一旦下に降りましょう……。あの爺さんがそんな簡単にやられるハズが……」
「あ……、ああ、そうだな……」
内心焦りでいっぱいだったが、気を持ち直した岩平はリーゼルに肩を貸して歩き出す。ともかく下に降りて辺理爺さんを探そうと、岩平は屋上の階段扉へと手をかけた。
「ふう、奴らはもう行ったか……」
「ジジイッ!? 無事だったのか!?」
なんと、扉を開けた先には辺理爺さんがいた。土埃まみれではあったが、どうやらリーゼルの言う通り、ちゃんと逃げれていたらしい。
「当たり前じゃ! あれしきの攻撃、儂は華麗に緊急回避してみせたわい! まぁ、おかげで儂の大事な車は潰されちまったけどな……。おまけに、腰がちょっと痛い……。イテテ……」
土埃で薄汚れた爺さんのどこが、華麗なんだと思った岩平だったが、口には出さないでおいた。
「よかった……っ、辺理……」
無事を確認して安堵したのだろう。リーゼルはそのままパッタリと気を失う。慌てて岩平はそんなリーゼルを抱きかかえるが、ここで重大な事に気付いてしまった。
「んで……? 車無くなったんなら、俺たち一体どうやって帰るんだ……?」
駅前のテロ騒ぎで当然バスは運休状態だし、タクシーは避難民でいっぱいだろう。もはや移動手段が残されていないのである。
「……そこはまぁ、歩くしかあるまい……」
結局、この日は戦い疲れてクタクタなまま、リーゼルをおんぶして3キロの道のりを歩く羽目になったのであった。
※※※
ようやく家にたどり着いた時には、もう日がすっかり沈んでいた。時計は十時をまわっている。
「いたた、いた痛っ! もうよせ、やめてくれ! がんぺい!」
閉店した電気屋の中に、痛みを我慢するリーゼルの喘ぎ声が響く。
「ダーメだって、ちゃんと消毒しとかないと、バイ菌が入っちゃうだろ?」
「そんなのいいって! どうせ物理学者なんだから、少し寝れば治るって!」
それでも岩平は聞く耳を持たず、リーゼルの足のたくさんの擦り傷に赤チンを塗り付ける。意外とリーゼルはこういうの苦手らしい。
「全く……、前代未聞じゃな……。まさか、街中でミサイルと核物質がぶちまけられるとはのう……。まぁ、核物質の方はフェルミの死亡によって消えてくれたみたいだが……」
辺理爺さんは、店のたくさんのテレビで同時に全チャンネルのニュースを見ていた。そのどれもが、先ほどの戦いでの爆発についてのものだった。ニュースでは同時多発テロ事件とされ、鷹月警察が総力を上げて捜査していたが、まだ物理学者の存在はおろか、ミサイルの使用までは明らかになってはいないらしい。流石は空気を操る物理学者(フィジシャン)のフォノンだ。ご丁寧に、爆発音は地上にまで届かないようにしていてくれたらしい。一応、奴らはまだ真理論争の事を明るみに出したくはないらしく、建物の派手な被害の割には、犠牲者は少なかった。おそらく、これら全ての攻撃はフォノンが計算して当てていたのだろう。幸か不幸か、あの騒動での民間人死亡者は及川一人だけみたいだった。しかし、それでも怪我人は38人という未曽有の事件である事には変わりがない。
「……本来は、こんな事態を避ける為に、本が燃えてしまう程の演算者(オペレーター)への過度な攻撃は禁止されているんじゃがのう……。そのルールによって、街への無差別テロ攻撃は防がれる筈じゃったのだが……。まさか、あそこまでノイマンが伝説に聞く以上に恐ろしい輩だったとはな……」
辺理爺さんが神妙な面持ちで考え込む。どうやら今回の衝突は、街にも自分たちにもかなり深刻な事態を引き起こしているようだった。
「実際、統計力学書はフェルミもろとも燃えてしまったみたいだしの……。まぁ、それについてはまた新たな統計力学書がどこかに現れるのを待つしかあるまい……」
それを聞いて岩平は微妙な気分になる。これで、せっかく用意した誕生日プレゼントがおじゃんになってしまったのは確定だった。それどころか、また新たに現れる統計力学の物理学者(フィジシャン)
を倒さなきゃいけないのかもしれないのである。しかも、さっきの戦いで、二人以上の物理学者がグルになっている伏まで見られたのだ。これからも、これまで以上の苦戦を強いられる事は容易に想像できる。真理論争とはなんてクソゲーなんだろう。
「事件発生から4時間経ったが、街の混乱はまだ続いておる。今夜はみんな、とうてい安眠できないじゃろうな。学校だって、あの損傷では当分再開できないじゃろうて……」
爺さんの言葉を聞いて、リーゼルが暗く沈んだ顔になる。それもその筈だろう。まだ入学してから2日しか経ってないのに、学校を休校させられたのである。その悲しみは誰にも推し量れないものだった。さらにまた同時に、リーゼルは拭い去ることの出来ない罪悪感を抱えてもいた。
「……ごめんなさい、アタシが街の方へ移動してしまったから……。アタシのせいで、あんな事に……」
気付けば、リーゼルの目からは涙がポロポロと零(こぼ)れだしていた。止められなくなって、悔しいのにシクシクと泣き出してしまう。
「りッ、リーゼルのせいじゃねぇよ。あのサイコ野郎に追い詰められていった事くらいは分かるさ……」
涙を見て慌てた岩平は、リーゼルをなだめて涙を止めようとする。
しかし、それでも納得できないリーゼルは、ついには言ってはいけない事まで言ってしまった。
「……アタシがすぐに最初から諦めて、自分の命を差し出していれば……、街の人たちは傷付かずに済んだのかも……」
その言葉を聞いた岩平は、唐突に立ち上がって傍の机を叩き、激怒した。
「冗談でも、そんな『もしも』は言うんじゃねぇッ! お前が命懸けで奴を止めようとしてくれたんだろ!! 確かにアイツらは強過ぎた……。まるで敵わなかった……。けどそれでも、あんな奴らの行動は絶対に許しちゃいけねーんだ! 決して、のさばらせちゃいけねーんだ!」
岩平が怒ったのは、自分の命を軽視するリーゼルの発言に対しての事だった。そして岩平はリーゼルと向き合い、拳を強く握って自身の絶対の決意を顕(あら)わにする。
「次は必ず倒す! 俺ももっともっと強くなる!! だからお前も死ぬんじゃねぇぞ! リーゼル!!」
その言葉はとても力強いものだった。どこか人の心を安心させるような、心地よくなる何かを持っていた。
「ありがと……、がんぺい……」
そうリーゼルがゆっくりと頷いた時、もう彼女の涙は止まっていた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。
しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。
農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ!
※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
「日本人」最後の花嫁 少女と富豪の二十二世紀
さんかく ひかる
SF
22世紀後半。人類は太陽系に散らばり、人口は90億人を超えた。
畜産は制限され、人々はもっぱら大豆ミートや昆虫からたんぱく質を摂取していた。
日本は前世紀からの課題だった少子化を克服し、人口1億3千万人を維持していた。
しかし日本語を話せる人間、つまり昔ながらの「日本人」は鈴木夫妻と娘のひみこ3人だけ。
鈴木一家以外の日本国民は外国からの移民。公用語は「国際共通語」。政府高官すら日本の文字は読めない。日本語が絶滅するのは時間の問題だった。
温暖化のため首都となった札幌へ、大富豪の息子アレックス・ダヤルが来日した。
彼の母は、この世界を造ったとされる天才技術者であり実業家、ラニカ・ダヤル。
一方、最後の「日本人」鈴木ひみこは、両親に捨てられてしまう。
アレックスは、捨てられた少女の保護者となった。二人は、温暖化のため首都となった札幌のホテルで暮らしはじめる。
ひみこは、自分を捨てた親を見返そうと決意した。
やがて彼女は、アレックスのサポートで国民のアイドルになっていく……。
両親はなぜ、娘を捨てたのか? 富豪と少女の関係は?
これは、最後の「日本人」少女が、天才技術者の息子と過ごした五年間の物語。
完結しています。エブリスタ・小説家になろうにも掲載してます。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる