24歳処女ですが何か?

我破破

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非モテ女のフラストレーション

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「先日はまた、違法カップルを捕えるのに失敗したそうじゃないか、莉深ちゃん……」

 あれから一夜明けて、ワタシは少子化推進局東京支部の局長である新妻大輔(にいづまだいすけ)に報告をしに、局長室を訪れた。当然、ワタシは小言のお叱りを受ける事となる。正直言って、ワタシは精神的にウンザリだった。夕べはDrモスの高笑いが耳に残って、悪夢を見た後だったし、何よりも最悪なのは、この局長に顔を会わさなきゃいけないこの事態だった。

「ハッ! 申し訳ございません! 次こそは必ず局長どのの前に奴らの身柄を……」

「ここでは局長と呼ぶんじゃない! 忘れたのか? 莉深(りみ)ちゃんよ……」

「……と、言いますと……?」

 局長の言葉を聞いたワタシは嫌な予感がして、少し身構えてしまう。不幸な事に、その時の局長室はワタシと局長の二人きりだった。

「無論! 二人きりの時は『パパ上ちゃま』と呼びなさいと言ってるでしょーがっ!! そんなパパの言う事聞けない悪い子に育てた憶えはありまちぇんよ!!!」

「は……、はぁ……」

 これである。ワタシが危惧していたのは、このクソ局長だった。新妻という名字からも分かる通り、この局長はワタシの父親なのであるが、娘を溺愛し過ぎていて二人きりになるとすぐにこういう態度で絡んでくるのだ。まぁ、ワタシが少子化推進局に入れたのも親のコネもあっての事なので、強く拒絶も出来ないせいもある。おかげで、この増長した父親はいい加減ウザったらしい事この上ない。ワタシはもう24になるのだし、この父親にいたっては御年100歳にもなるのだから、いくらなんでも少しは子離れして欲しいものだ。まぁ、100歳とは言っても、遺伝子医療で寿命が延びてるので、見た目上はただの髪薄い中年オッサンなんだが……。

「そんな悪い子には、お尻ペンペンですよ!」

「嫌です。ワタシに近寄らないで下さい」

「ウッ……、じゃあ一緒にお風呂入るとかなら……❤」

「セクハラで訴えますよ」

 そんなこんなで、親子じゃなかったら速攻で通報モノの応酬が続く。こういう事があるから極力、局長室には近寄りたくなかったのだ。

「もーっ! いつになったら、ワシは愛娘と二人きりでランデヴーできるのぉ~っ!!!」

「あの……、ワタシまだ業務が残っているんで、これにて失礼いたします!」

 すり寄って来る新妻大輔を半ば強引に突き放して、局長室の扉を乱暴に閉める。ただでさえこっちは非モテ女としてのフラストレーションが溜まっているというのに、このアホ父親の相手なんかやってられないのだ。

 
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