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女体化って実質「去勢」だよね?
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「はい……ホント、すみませんでした……。ちょっと美少女戦士になったからって、調子乗ってましたァ……」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)は生きていた。ボクの貸したブレザーを羽織りながらも、下は全裸で正座させられている。結論から言うと彼女は生き返ったのだった。やはり、あの金の玉は持ち主の受けたダメージを肩代わりしてくれる代物らしい。おかげで彼女の金の玉は砕け散ったが、替わりに菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の身体は甦る事が出来たという訳である。
「これからはこの菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)、あなた様の忠実なメス奴隷として生きていきますゥ……。どうぞ、なんなりとご凌辱くださいィ……」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)は虚ろな目で、全力の土下座をしながらボクへと媚びへつらう。
「いや、ボクも今は女の身体だし、そもそもそんな真似はしないよ……」
そう言ってボクは全裸で謝る彼女をどうにかなだめようとする。少し前のボクならば、赤面してしまって顔を上げる事も出来ない光景だっただろうが、今はもはや股間に反応するブツが存在しないので全く平気になってしまっていた。これだから、女の身体というのものは恐ろしい。
「そういや、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)って名前聞いた事あるな……。確か、一ヶ月前に不登校になったクラスメイトの男子が、そんな名前だったような……?」
「へい、もちろんそれは俺氏の事でェござる」
ここに来てボクはようやく菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)という名を聞いた時からなんとなく感じていた既視感の正体を思い出す。クラスメイトの名前自体は覚えていたのだが、どうにも目の前にいる容姿端麗な少女の見た目と結びつかなかったのだ。それというのも、その男子生徒は典型的なメガネキモオタクだったからである。
「俺氏も『操(みさお)』の奴に女体化させられたのは一週間ほど前でさァ……。タマを取り戻す戦いだって言うから、それで仕方なく外に出て来たんでィ……」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)はこれまでの魔法花婿(ウィザード)になった経緯を話し始める。精剣インケードの事、追跡案内(トレーサビリティ)能力の事。それらは全て、操(みさお)を追っかけ続ける過程で使い方を覚えていったらしい。しかしいずれも操(みさお)は捕まらず、ボクと出会ってしまって今に至るようだった。
「全く……、もう金の玉と一緒に相棒の精霊も死んじまったみたいだし、俺氏はこんな裸一貫で一体これからどうやって生きていけばいいんだか……。この姿じゃ、家にも戻れないしなァ……」
それを聞いて、ボクの心にも少しの罪悪感がチラつく。追い詰められて仕方なかったとはいえ、結果的には一人の男をボクが去勢してしまった事になる。姿は見えてなかったが、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の相棒精霊を殺してしまったのもボクだ。それに、ボクの方はまだ女体化してもあまり顔が変わらなかったからいいが、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の方にいたってはもう完全に別人だろう。家族に事情を話しても信じてもらうのは難しいだろうし、これからは一人で女の身のまま生きていくという事になってしまう。今更ながら、ボクはこの花婿大戦というゲームのエゲツなさを実感した。
「え……? あんた何を……?」
「大丈夫。ホラ、手を出して……」
仕方ないのでボクは菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)を少し助ける事にした。自分の持ってる精霊魔力の一部を分け与えたのである。元男とはいえ、流石にボクも裸の女性を放り出すほど鬼じゃない。まぁ、このまま制服のブレザーを持って行かれても困るのもあるが……。
「すまない……、ボクはどうしても負けるワケにはいかなかった……。ボクにはまだ、大切な思い人がいるから……。せめてものお詫びに、ボクの精霊魔力を少しあげるからさ……。生活を立て直すまでは、どうかこれで生きてくれ―――――」
「ま、まさかこんな俺氏を助けてくれるなんて……」
握った手から精霊魔力を受け渡す。菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の金の玉は既に壊れてしまったから、もう新たな精霊魔力を生み出す事は出来ないが、貰った分の精霊魔力を使うだけならまた能力も使えるようになるだろう。とりあえず変身でもしとけば服も生成される。与えた精霊魔力は限られたものだから、大きな悪事を働く事も出来ないだろう。
「あ、あんた……。近くでよく見ると、けっこう可愛い顔してんだなァ……」
「へ……?」
気が付けば、さっきまで険しかった菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の顔は、いつの間にか『雌の顔』へと変わっていた。いわゆる、少女漫画とかでよく見るアレである。
あれこれと考えて、長く菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の手を握っていたのがいけなかったのだ。善意で助けたはいいが、それに伴う責任も、ボクはまるで考えていなかったのである。
「―――よし、決めたッ! どうせ女として生きるなら俺氏、あんたのお嫁さんになるッ! あんたが男の身体に戻った時はどうか、俺氏と結婚してくれぇッ――――❤」
「えええええええええええええぇ――――っっ!?」
突然の逆プロポーズにドン引きしまくるボク。いや、これが果たして逆なのか、順なのかも分からない。もはや彼と言えばいいのか、彼女と言えばいいのかもさっぱりだ。
「あ、思い人がいるんだっけェ? じゃあ俺氏は愛人でもいいよォ❤」
ドン引きするボクをよそに、着々と話を進めていく菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)。その恍惚とした表情は、既に恋愛脳に犯されたソレであった。
「それまでは、あんたの元で花嫁修業でもさせてくれよ。何だってするし、一緒に『操(みさお)』探しだって手伝うからさぁ~ッ❤」
「おおっ! 追跡案内(トレーサビリティ)が仲間に加わるとなると、心強いみょんっ……!」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の下心丸出しの提案に、タマまでもが乗り気になってしまう。しまいには、「良かったな憧太クン! これで君もハーレムだぞ!?」とかまで言い出す始末である。
「ま……また、変なのが増えたぁああああああっ……!!!」
どうやら、ボクの平穏な『予定』が戻って来るのは当分先らしい―――――。
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)は生きていた。ボクの貸したブレザーを羽織りながらも、下は全裸で正座させられている。結論から言うと彼女は生き返ったのだった。やはり、あの金の玉は持ち主の受けたダメージを肩代わりしてくれる代物らしい。おかげで彼女の金の玉は砕け散ったが、替わりに菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の身体は甦る事が出来たという訳である。
「これからはこの菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)、あなた様の忠実なメス奴隷として生きていきますゥ……。どうぞ、なんなりとご凌辱くださいィ……」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)は虚ろな目で、全力の土下座をしながらボクへと媚びへつらう。
「いや、ボクも今は女の身体だし、そもそもそんな真似はしないよ……」
そう言ってボクは全裸で謝る彼女をどうにかなだめようとする。少し前のボクならば、赤面してしまって顔を上げる事も出来ない光景だっただろうが、今はもはや股間に反応するブツが存在しないので全く平気になってしまっていた。これだから、女の身体というのものは恐ろしい。
「そういや、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)って名前聞いた事あるな……。確か、一ヶ月前に不登校になったクラスメイトの男子が、そんな名前だったような……?」
「へい、もちろんそれは俺氏の事でェござる」
ここに来てボクはようやく菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)という名を聞いた時からなんとなく感じていた既視感の正体を思い出す。クラスメイトの名前自体は覚えていたのだが、どうにも目の前にいる容姿端麗な少女の見た目と結びつかなかったのだ。それというのも、その男子生徒は典型的なメガネキモオタクだったからである。
「俺氏も『操(みさお)』の奴に女体化させられたのは一週間ほど前でさァ……。タマを取り戻す戦いだって言うから、それで仕方なく外に出て来たんでィ……」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)はこれまでの魔法花婿(ウィザード)になった経緯を話し始める。精剣インケードの事、追跡案内(トレーサビリティ)能力の事。それらは全て、操(みさお)を追っかけ続ける過程で使い方を覚えていったらしい。しかしいずれも操(みさお)は捕まらず、ボクと出会ってしまって今に至るようだった。
「全く……、もう金の玉と一緒に相棒の精霊も死んじまったみたいだし、俺氏はこんな裸一貫で一体これからどうやって生きていけばいいんだか……。この姿じゃ、家にも戻れないしなァ……」
それを聞いて、ボクの心にも少しの罪悪感がチラつく。追い詰められて仕方なかったとはいえ、結果的には一人の男をボクが去勢してしまった事になる。姿は見えてなかったが、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の相棒精霊を殺してしまったのもボクだ。それに、ボクの方はまだ女体化してもあまり顔が変わらなかったからいいが、菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の方にいたってはもう完全に別人だろう。家族に事情を話しても信じてもらうのは難しいだろうし、これからは一人で女の身のまま生きていくという事になってしまう。今更ながら、ボクはこの花婿大戦というゲームのエゲツなさを実感した。
「え……? あんた何を……?」
「大丈夫。ホラ、手を出して……」
仕方ないのでボクは菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)を少し助ける事にした。自分の持ってる精霊魔力の一部を分け与えたのである。元男とはいえ、流石にボクも裸の女性を放り出すほど鬼じゃない。まぁ、このまま制服のブレザーを持って行かれても困るのもあるが……。
「すまない……、ボクはどうしても負けるワケにはいかなかった……。ボクにはまだ、大切な思い人がいるから……。せめてものお詫びに、ボクの精霊魔力を少しあげるからさ……。生活を立て直すまでは、どうかこれで生きてくれ―――――」
「ま、まさかこんな俺氏を助けてくれるなんて……」
握った手から精霊魔力を受け渡す。菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の金の玉は既に壊れてしまったから、もう新たな精霊魔力を生み出す事は出来ないが、貰った分の精霊魔力を使うだけならまた能力も使えるようになるだろう。とりあえず変身でもしとけば服も生成される。与えた精霊魔力は限られたものだから、大きな悪事を働く事も出来ないだろう。
「あ、あんた……。近くでよく見ると、けっこう可愛い顔してんだなァ……」
「へ……?」
気が付けば、さっきまで険しかった菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の顔は、いつの間にか『雌の顔』へと変わっていた。いわゆる、少女漫画とかでよく見るアレである。
あれこれと考えて、長く菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の手を握っていたのがいけなかったのだ。善意で助けたはいいが、それに伴う責任も、ボクはまるで考えていなかったのである。
「―――よし、決めたッ! どうせ女として生きるなら俺氏、あんたのお嫁さんになるッ! あんたが男の身体に戻った時はどうか、俺氏と結婚してくれぇッ――――❤」
「えええええええええええええぇ――――っっ!?」
突然の逆プロポーズにドン引きしまくるボク。いや、これが果たして逆なのか、順なのかも分からない。もはや彼と言えばいいのか、彼女と言えばいいのかもさっぱりだ。
「あ、思い人がいるんだっけェ? じゃあ俺氏は愛人でもいいよォ❤」
ドン引きするボクをよそに、着々と話を進めていく菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)。その恍惚とした表情は、既に恋愛脳に犯されたソレであった。
「それまでは、あんたの元で花嫁修業でもさせてくれよ。何だってするし、一緒に『操(みさお)』探しだって手伝うからさぁ~ッ❤」
「おおっ! 追跡案内(トレーサビリティ)が仲間に加わるとなると、心強いみょんっ……!」
菖蒲(あやめ)拓海(たくみ)の下心丸出しの提案に、タマまでもが乗り気になってしまう。しまいには、「良かったな憧太クン! これで君もハーレムだぞ!?」とかまで言い出す始末である。
「ま……また、変なのが増えたぁああああああっ……!!!」
どうやら、ボクの平穏な『予定』が戻って来るのは当分先らしい―――――。
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