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第9話
訣別の時 19
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私が女に作り替えられ、チャームと言う女の呪いが現界した理由。
それは魂を体に宿すことができる女性特有の霊媒体質を利用した秘術の為だった。
二つの魂が一心同体で存在する私とチャームは秘術に秘術を重複させた、いわば合わせ鏡のようなもの。
異界への通路を開くと古代から言われている鏡の秘術を女性の子宮を使って完成させるために作られたのだった。
私達は魔神シトリーを再び産み落とすために作られた存在だったことを私は思い知らされるのだった。
そして、彼が魔神シトリーであることを誰よりも知る私は皆に「逃げて」と叫びたかったけれど、魔神をこの世に産み落とすという秘術を終えた私は声も出せないほど疲弊していた。
「ああっ!? な、なんだ、あれはっ!?」
闇の神殿に大奇跡を巻き起こし、突如として出現した魔神シトリーの姿を見た冒険者は悲鳴じみた叫び声をあげる。
彼らが魔神シトリーの姿を一目見て感じた感情は恐怖だった。
人間が到達できない領域の存在を見て畏怖することは至極当然のことだった。
そして、その恐怖の前では50年に一人の天才と謳われた神官騎士が施した勇気付与など紙でできた装甲に等しく、一瞬で剥がされてしまったのだ。
絶望する冒険者の姿を見てメリナは勝ち誇ったように高笑いする。
「きゃ~ははははっ!!
見たかっ、卑しき光の勢力どもっ!!
我らが主は、今ここに再臨なされたのだっ!」
メリナの勝利宣言を聞いた冒険者たちは、魔神シトリーの姿を見てそれが真実であることを悟って絶望した。
そして、闇の勢力は敵の前だというのに、彼らに背を向けて地面にひれ伏して自分たちの主を迎えるのだった。
それは異様な光景だった。
戦闘の最中だというのにオークもエルフも敵に背を向けて拝礼するのだから・・・。こんな光景は見たことも聞いたこともなかった。
「な、なんだっ・・・これはっ・・・っ!!」
流石のアルバートもこの光景には絶句していた。
そして、アルバートが召喚した天使たちも厳しい表情で魔神シトリーを睨みつけて固まっていた。人外の力を持つ戦士たちが明らかに劣勢を感じていたのだった。
そんな天使たちを見て、魔神シトリーは「ククク」と喉を鳴らして笑った。
「ふふん。5体の天使を同時に召喚するとは、大したものだな。人間の神官騎士よ。
どうだ? 私の配下に加わらぬか?
貴様ならば有能な手札になるだろう。
私は色欲を司る魔神シトリー。
私につけば、この世全ての快楽をお前に与えてやろう。男も女もお前に与えてやろうぞ?」
それは勧誘ではなく、降伏勧告だった。
殺されたくなければ服従しろと、5人の天使を前に魔神シトリーは言い放ったのだ。
何と言う屈辱的なことだろうか? 戦う前から圧倒的な戦力差を見せつけた上で見下されているのだ。
そしてその説得力を魔神シトリーは持っていた。
だけど・・・
「降伏勧告だとっ!? 笑わせるなっ!!」
誰もが恐怖し、ひれ伏そうとする中、アルバートは違った。
魔神シトリーを指差し一喝する。
「我が生涯のライバルであるディエゴが成した魔神討伐の偉業を乗り越えるチャンスを得たというのに降伏するバカが何処にいる?
自惚れるなよ、卑しき闇の魔神よっ! お前は勝利者ではない。
お前は私に狩られる為に自ら姿を見せた哀れな小鹿に過ぎない事を知れっ!!
そして、私は宣言する。お前を倒して囚われの我が愛しの姫君を取り戻して見せるとっ!!」
それは魂を体に宿すことができる女性特有の霊媒体質を利用した秘術の為だった。
二つの魂が一心同体で存在する私とチャームは秘術に秘術を重複させた、いわば合わせ鏡のようなもの。
異界への通路を開くと古代から言われている鏡の秘術を女性の子宮を使って完成させるために作られたのだった。
私達は魔神シトリーを再び産み落とすために作られた存在だったことを私は思い知らされるのだった。
そして、彼が魔神シトリーであることを誰よりも知る私は皆に「逃げて」と叫びたかったけれど、魔神をこの世に産み落とすという秘術を終えた私は声も出せないほど疲弊していた。
「ああっ!? な、なんだ、あれはっ!?」
闇の神殿に大奇跡を巻き起こし、突如として出現した魔神シトリーの姿を見た冒険者は悲鳴じみた叫び声をあげる。
彼らが魔神シトリーの姿を一目見て感じた感情は恐怖だった。
人間が到達できない領域の存在を見て畏怖することは至極当然のことだった。
そして、その恐怖の前では50年に一人の天才と謳われた神官騎士が施した勇気付与など紙でできた装甲に等しく、一瞬で剥がされてしまったのだ。
絶望する冒険者の姿を見てメリナは勝ち誇ったように高笑いする。
「きゃ~ははははっ!!
見たかっ、卑しき光の勢力どもっ!!
我らが主は、今ここに再臨なされたのだっ!」
メリナの勝利宣言を聞いた冒険者たちは、魔神シトリーの姿を見てそれが真実であることを悟って絶望した。
そして、闇の勢力は敵の前だというのに、彼らに背を向けて地面にひれ伏して自分たちの主を迎えるのだった。
それは異様な光景だった。
戦闘の最中だというのにオークもエルフも敵に背を向けて拝礼するのだから・・・。こんな光景は見たことも聞いたこともなかった。
「な、なんだっ・・・これはっ・・・っ!!」
流石のアルバートもこの光景には絶句していた。
そして、アルバートが召喚した天使たちも厳しい表情で魔神シトリーを睨みつけて固まっていた。人外の力を持つ戦士たちが明らかに劣勢を感じていたのだった。
そんな天使たちを見て、魔神シトリーは「ククク」と喉を鳴らして笑った。
「ふふん。5体の天使を同時に召喚するとは、大したものだな。人間の神官騎士よ。
どうだ? 私の配下に加わらぬか?
貴様ならば有能な手札になるだろう。
私は色欲を司る魔神シトリー。
私につけば、この世全ての快楽をお前に与えてやろう。男も女もお前に与えてやろうぞ?」
それは勧誘ではなく、降伏勧告だった。
殺されたくなければ服従しろと、5人の天使を前に魔神シトリーは言い放ったのだ。
何と言う屈辱的なことだろうか? 戦う前から圧倒的な戦力差を見せつけた上で見下されているのだ。
そしてその説得力を魔神シトリーは持っていた。
だけど・・・
「降伏勧告だとっ!? 笑わせるなっ!!」
誰もが恐怖し、ひれ伏そうとする中、アルバートは違った。
魔神シトリーを指差し一喝する。
「我が生涯のライバルであるディエゴが成した魔神討伐の偉業を乗り越えるチャンスを得たというのに降伏するバカが何処にいる?
自惚れるなよ、卑しき闇の魔神よっ! お前は勝利者ではない。
お前は私に狩られる為に自ら姿を見せた哀れな小鹿に過ぎない事を知れっ!!
そして、私は宣言する。お前を倒して囚われの我が愛しの姫君を取り戻して見せるとっ!!」
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