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第8話
闇の戦巫女 16
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オークの命を気遣う私に感動したフォリックスは、感動していた。
「勿体無いお言葉。しかし、我らは魔神シトリー様の為なら命も惜しくは無いのです。どうぞお心遣い無きようお願いします。」
涙を浮かべて感謝するフェリックスは完全に私を信用してくれているようだった。これならやはり彼から情報は得やすいだろう。
「そう。ありがとう。
ねぇ、フェリックス。メリナって綺麗な人よね。どういう人なの?」
「メリナ殿については、我等もあまり詳しくはないのです。
ある日、突然、我等の集落に現れて神託を告げたのです。
彼が魔神様の眷属であり恩寵を賜った人物であることは彼が放つ魔力や身に着けた鎧からも疑いようがなく、我等は彼を神の言葉を預かる預言者と讃え従っているのですが、彼は過去について詳しくは語りません。
だから、我らは彼について何も知りません。」
フェリックスはスラスラと答えた。
盲信。
彼は魔神シトリーの眷族として、預言の奇跡を魔神から授かったメリナを盲信しているのだ。
ある日、突然現れたハイエルフを疑いもしないなんて・・・。
しかし、ならば私は彼女を疑わなくてはならない。フェリックスとメリナとでは、私に対する態度が違いすぎる。この差異の原因が単純に私が魔神シトリーの性奴隷にされる未来にだけあるとは思えない。
私はこの先の危機を乗り越えるために、この問題について詳しく知らなくてはならないのだ。
数多くの危険を乗り越えてきた私の経験がそう告げていた。
(どうしようかしら?
メリナについてはわからないことだらけだわ。
でも、フェリックスは信頼がおける。彼の忠誠心をなんとか利用できれば脱出のチャンスもあり得るかも?)
などと考えながら食事をしていると、いつの間にか食べ終わっていて、それに気が付いたフェリックスが気を利かして声をかけてくれた。
「おかわりをお持ちいたしましょうか?」
「・・・っ!! いいえ。大丈夫です。
大変、美味しかったわ。調理した者に伝えてちょうだい。」
私は出来るだけ冷静に貴人としての振る舞いを演じて返答しながらも、顔から火が出るほど恥ずかしい思いを感じていた。
(・・・ううっ・・・無意識だったから、ついパクパクとはしたなく食べちゃった。
は・・・恥ずかしい・・・)
そんな思いを隠しながら、平然を装っていると、フェリックスは私に「お疲れでしたら、御寝所にご案内いたしますが、いかがいたしましょう?」と、更に気を使ってくれた。
本当に忠義者ね、フェリックス。
私が「そうね。お願いするわ」と答えるとフェリックスは「どうぞ、こちらへ」と案内してくれた。
私を案内するのに完全に私の前には決して立たず、少し左斜め前を歩くフェリックス。護衛をするにも主に敬意を払うにも適した立ち位置だった。
細かな気配りと敬意。私がここで心を穏やかに過ごせるのもフェリックスと言う存在のおかげもあるわね。
さて、そんなフェリックスが案内してくれた私の寝室は爛れた欲望を象徴したようなお部屋だった。
ベッドの脇に沢山のいかがわしい小道具が準備され、天蓋さえも特殊なプレイが可能な構造になっていた。
「いますぐ、このお部屋のいやらしい道具の山を片付けてっ!!」
悲鳴交じりの私の絶叫が寝室に響くのだった。
「勿体無いお言葉。しかし、我らは魔神シトリー様の為なら命も惜しくは無いのです。どうぞお心遣い無きようお願いします。」
涙を浮かべて感謝するフェリックスは完全に私を信用してくれているようだった。これならやはり彼から情報は得やすいだろう。
「そう。ありがとう。
ねぇ、フェリックス。メリナって綺麗な人よね。どういう人なの?」
「メリナ殿については、我等もあまり詳しくはないのです。
ある日、突然、我等の集落に現れて神託を告げたのです。
彼が魔神様の眷属であり恩寵を賜った人物であることは彼が放つ魔力や身に着けた鎧からも疑いようがなく、我等は彼を神の言葉を預かる預言者と讃え従っているのですが、彼は過去について詳しくは語りません。
だから、我らは彼について何も知りません。」
フェリックスはスラスラと答えた。
盲信。
彼は魔神シトリーの眷族として、預言の奇跡を魔神から授かったメリナを盲信しているのだ。
ある日、突然現れたハイエルフを疑いもしないなんて・・・。
しかし、ならば私は彼女を疑わなくてはならない。フェリックスとメリナとでは、私に対する態度が違いすぎる。この差異の原因が単純に私が魔神シトリーの性奴隷にされる未来にだけあるとは思えない。
私はこの先の危機を乗り越えるために、この問題について詳しく知らなくてはならないのだ。
数多くの危険を乗り越えてきた私の経験がそう告げていた。
(どうしようかしら?
メリナについてはわからないことだらけだわ。
でも、フェリックスは信頼がおける。彼の忠誠心をなんとか利用できれば脱出のチャンスもあり得るかも?)
などと考えながら食事をしていると、いつの間にか食べ終わっていて、それに気が付いたフェリックスが気を利かして声をかけてくれた。
「おかわりをお持ちいたしましょうか?」
「・・・っ!! いいえ。大丈夫です。
大変、美味しかったわ。調理した者に伝えてちょうだい。」
私は出来るだけ冷静に貴人としての振る舞いを演じて返答しながらも、顔から火が出るほど恥ずかしい思いを感じていた。
(・・・ううっ・・・無意識だったから、ついパクパクとはしたなく食べちゃった。
は・・・恥ずかしい・・・)
そんな思いを隠しながら、平然を装っていると、フェリックスは私に「お疲れでしたら、御寝所にご案内いたしますが、いかがいたしましょう?」と、更に気を使ってくれた。
本当に忠義者ね、フェリックス。
私が「そうね。お願いするわ」と答えるとフェリックスは「どうぞ、こちらへ」と案内してくれた。
私を案内するのに完全に私の前には決して立たず、少し左斜め前を歩くフェリックス。護衛をするにも主に敬意を払うにも適した立ち位置だった。
細かな気配りと敬意。私がここで心を穏やかに過ごせるのもフェリックスと言う存在のおかげもあるわね。
さて、そんなフェリックスが案内してくれた私の寝室は爛れた欲望を象徴したようなお部屋だった。
ベッドの脇に沢山のいかがわしい小道具が準備され、天蓋さえも特殊なプレイが可能な構造になっていた。
「いますぐ、このお部屋のいやらしい道具の山を片付けてっ!!」
悲鳴交じりの私の絶叫が寝室に響くのだった。
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