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第8話
闇の戦巫女 9
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いつものチャームに戻ってくれて私はホッとした。
でも、チャームは危険な状況をよく理解していてすぐに和やかな雰囲気から厳しい態度を切り替えた。
(それでね? ローニャ。メリナを追っ払う事が出来たけど、いつまでもここに隠れていられるわけではないわ。
聖母が裸になっているこの沐浴の場にはオークたちは入ってこれないでしょうけど、メリナはそういうわけにはいかない。
あの子は料理の手配が終われば必ずここに戻って来る。それまでに逃げ出す算段をたてないと・・・。)
私は頷いて同意すると、状況を整理して把握するために質問をする。
(ねぇ、チャーム。3つ聞かせて。
一つは魔神シトリーの再臨は本当なの?
一つはメリナは何者なの? どうしてあんな体なの?
最後の一つは、あなたはどうして闇の神殿に犯されているのに平常心を保っていられるの?)
三つの質問を同時にする。それは明確な質問内容だったのでチャームは冷静に答えた。
(一つ目の答えは私にもわからない。だけど、お父様ほどの魔神ならあり得るとしか答えられないわ。
二つ目の答えだけど恐らくはメリナも貴女と似た様なものよ。あの子の魂は作り替えられた痕跡があった。きっと、お父様と敵対し、敗北し、お父様の性奴隷に変えられた哀れな魂。もっとも、あの子が元男性か元女性かは私にはわからない。
最後の質問の答えだけど、私が平常心を保っていられるのは、メリナの言う通りアルバート様の清浄な力に魂を塗り替えられているからよ。)
チャームの最後の答えに私は息を呑んだ。
(塗り替えられている!?)
チャームは驚く私に静かに答えた。
(そう。よく考えてみて? 私達、本来ならアルバート様のそばにいれば、どんどんダメージを受けていたはずよ。
教会の中にいるとき、私は顕現することが無かった。出来なくはなかったけれどダメージを受けてしまうから。
でも、私はアルバート様の清浄なオーラの中にいても問題なく顕現で来ていたのは何故かしら?
考えられる答えは一つ。それがメリナの言う私と言う存在がアルバート様の力によって塗り替えられていたからよ。)
(塗り替えられる? どういう意味?)
(言葉の通りよ。
私はお父様の呪いそのもの。本来ならアルバート様の清浄な力と触れあえば、打ち消し合ってやがて消耗する。
でも私はそうはならずに闇の勢力の属性から、光の勢力の属性へと変化して行っているの。
それはまるで黒の塗料の上から、白の塗料で塗り替えるように・・・)
そ、そんなことが起こり得るのっ!? と、尋ねたところで現実にその変化は起きている。
理解できなくても納得するしかない。
(でも・・・なんでそんなことが?)
私の疑問を聞いたチャームの顔が一瞬で朱に染まる。
そして、真っ赤に変わった頬をニヤつかせながらチャームは恥ずかしそうに体をモジモジ揺らしながら答えた。
(それは・・・だって私もアルバート様のことを好きになっちゃったから・・・)
でも、チャームは危険な状況をよく理解していてすぐに和やかな雰囲気から厳しい態度を切り替えた。
(それでね? ローニャ。メリナを追っ払う事が出来たけど、いつまでもここに隠れていられるわけではないわ。
聖母が裸になっているこの沐浴の場にはオークたちは入ってこれないでしょうけど、メリナはそういうわけにはいかない。
あの子は料理の手配が終われば必ずここに戻って来る。それまでに逃げ出す算段をたてないと・・・。)
私は頷いて同意すると、状況を整理して把握するために質問をする。
(ねぇ、チャーム。3つ聞かせて。
一つは魔神シトリーの再臨は本当なの?
一つはメリナは何者なの? どうしてあんな体なの?
最後の一つは、あなたはどうして闇の神殿に犯されているのに平常心を保っていられるの?)
三つの質問を同時にする。それは明確な質問内容だったのでチャームは冷静に答えた。
(一つ目の答えは私にもわからない。だけど、お父様ほどの魔神ならあり得るとしか答えられないわ。
二つ目の答えだけど恐らくはメリナも貴女と似た様なものよ。あの子の魂は作り替えられた痕跡があった。きっと、お父様と敵対し、敗北し、お父様の性奴隷に変えられた哀れな魂。もっとも、あの子が元男性か元女性かは私にはわからない。
最後の質問の答えだけど、私が平常心を保っていられるのは、メリナの言う通りアルバート様の清浄な力に魂を塗り替えられているからよ。)
チャームの最後の答えに私は息を呑んだ。
(塗り替えられている!?)
チャームは驚く私に静かに答えた。
(そう。よく考えてみて? 私達、本来ならアルバート様のそばにいれば、どんどんダメージを受けていたはずよ。
教会の中にいるとき、私は顕現することが無かった。出来なくはなかったけれどダメージを受けてしまうから。
でも、私はアルバート様の清浄なオーラの中にいても問題なく顕現で来ていたのは何故かしら?
考えられる答えは一つ。それがメリナの言う私と言う存在がアルバート様の力によって塗り替えられていたからよ。)
(塗り替えられる? どういう意味?)
(言葉の通りよ。
私はお父様の呪いそのもの。本来ならアルバート様の清浄な力と触れあえば、打ち消し合ってやがて消耗する。
でも私はそうはならずに闇の勢力の属性から、光の勢力の属性へと変化して行っているの。
それはまるで黒の塗料の上から、白の塗料で塗り替えるように・・・)
そ、そんなことが起こり得るのっ!? と、尋ねたところで現実にその変化は起きている。
理解できなくても納得するしかない。
(でも・・・なんでそんなことが?)
私の疑問を聞いたチャームの顔が一瞬で朱に染まる。
そして、真っ赤に変わった頬をニヤつかせながらチャームは恥ずかしそうに体をモジモジ揺らしながら答えた。
(それは・・・だって私もアルバート様のことを好きになっちゃったから・・・)
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