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第7話
危険が一杯、オーク群生地っ!! 10
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私が放った火球の通った道には大穴を開けられたオークの死体が一直線上に並び、さらに余波で周囲の草をブスブスと燃やしていた。
「な・・・なんだこれは?」
初めて私の魔法を目にした冒険者たちは目の前に広がる惨状を見て呆れたように呟いた。
「わかってはいたが、改めて見ると本当にバカげた威力の魔法だな。
山火事が起きかねない。
まったく、とんでもない女性だよ。君は。」
アルバートは疲れ切って地面にへたり込んだ私の頭をグシャグシャと撫でながら笑った。
「あんっ!! もう、髪が乱れちゃうでしょっ!!」
無力な抗議の声を上げる私の体をアルバートは両手でヒョイと持ち上げると、肩に担ぎ上げる。そして、敵が逃げて行った方向を睨みながら今後の展開を予想する。
「これで敵もおいそれと我々に手を出しては来まい。我々の実力を見たが全貌が予想もつかぬだろう。
偵察のための膠着時間が長ければ長いほど、我々は有利になる。教会の応援部隊がくるからね。
しかし・・・」
アルバートはそこまで言ってから悩まし気に眉を顰める。
「あの斥候3人の実力は確かだった。それが逃げる間もなく殺されていたのだろうから、相当な実力の持ち主が敵にいるはずだ。それもオークキング以上の強者がね。
ひょっとしたら、これは威力偵察。もしくは揺動部隊だったかもしれない。」
アルバートはそこまで独り言を言ってから、全員に指令を送る。
「念の為だ。
背後に気をつけながら、急いで本部に戻るぞ。」
アルバートは私を担ぎ上げたままもと来た道を戻り始める。
「や、やんっ!! アルバート様っ、おろしてぇ~っ!!
私、荷物じゃありませんっ!」
部下たちの前で辱められて顔を真っ赤にして私は抗議したのだけれども、アルバートは面倒くさそうに私のお尻を平手で引っ叩くだけだった。
「きゃああんっ!! い、いった~~いっ!!」
「聞き分けのない子へのお仕置きだよ。
いいかい? 体力を使い果たした今の君は文字通りお荷物だよ・・・。
生まれたての子牛みたいな足どりで行軍されては困る。」
「ひ、ひっど~~いっ!!」
結局、陣地に戻るまで私の抗議は全く受け付けられなることはなかった。
ただ・・・アルバートにぶたれたお尻の痛みと私の体と密着する彼の体の逞しさを感じたチャームが身悶えして喜ぶので、その快感が私にも伝わってくる。だから帰り道は恥辱以上の理由で辛いものとなってしまうのだった。
(ううっ・・・ア、アルバート様。なんて微妙な力加減のお仕置きをしてくださるのっ!!
痛いのに・・・もっとぶって欲しい。虐めて欲しくなっちゃうわっ!!
ママっ!! おねだりしてっ!! アルバート様に「もっとお尻をぶって」って!!)
(ば、バカ言わないでっ!! 皆の前でそんなこと言えるわけないでしょっ!!
それにそんな変態だって知られたらアルバート様に嫌われちゃうわっ!!)
(大丈夫よっ!! あの力加減。アルバート様は絶対にこの道のプロだわ。嫌われたりしないわ)
(プロって何よっ!! プロって!!)
どうやらチャームのドМの素質は私以上の物だったらしい。私はチャームの懇願に流されそうになりながらも、どうにか無事に陣地に戻ることができたのだった。
「な・・・なんだこれは?」
初めて私の魔法を目にした冒険者たちは目の前に広がる惨状を見て呆れたように呟いた。
「わかってはいたが、改めて見ると本当にバカげた威力の魔法だな。
山火事が起きかねない。
まったく、とんでもない女性だよ。君は。」
アルバートは疲れ切って地面にへたり込んだ私の頭をグシャグシャと撫でながら笑った。
「あんっ!! もう、髪が乱れちゃうでしょっ!!」
無力な抗議の声を上げる私の体をアルバートは両手でヒョイと持ち上げると、肩に担ぎ上げる。そして、敵が逃げて行った方向を睨みながら今後の展開を予想する。
「これで敵もおいそれと我々に手を出しては来まい。我々の実力を見たが全貌が予想もつかぬだろう。
偵察のための膠着時間が長ければ長いほど、我々は有利になる。教会の応援部隊がくるからね。
しかし・・・」
アルバートはそこまで言ってから悩まし気に眉を顰める。
「あの斥候3人の実力は確かだった。それが逃げる間もなく殺されていたのだろうから、相当な実力の持ち主が敵にいるはずだ。それもオークキング以上の強者がね。
ひょっとしたら、これは威力偵察。もしくは揺動部隊だったかもしれない。」
アルバートはそこまで独り言を言ってから、全員に指令を送る。
「念の為だ。
背後に気をつけながら、急いで本部に戻るぞ。」
アルバートは私を担ぎ上げたままもと来た道を戻り始める。
「や、やんっ!! アルバート様っ、おろしてぇ~っ!!
私、荷物じゃありませんっ!」
部下たちの前で辱められて顔を真っ赤にして私は抗議したのだけれども、アルバートは面倒くさそうに私のお尻を平手で引っ叩くだけだった。
「きゃああんっ!! い、いった~~いっ!!」
「聞き分けのない子へのお仕置きだよ。
いいかい? 体力を使い果たした今の君は文字通りお荷物だよ・・・。
生まれたての子牛みたいな足どりで行軍されては困る。」
「ひ、ひっど~~いっ!!」
結局、陣地に戻るまで私の抗議は全く受け付けられなることはなかった。
ただ・・・アルバートにぶたれたお尻の痛みと私の体と密着する彼の体の逞しさを感じたチャームが身悶えして喜ぶので、その快感が私にも伝わってくる。だから帰り道は恥辱以上の理由で辛いものとなってしまうのだった。
(ううっ・・・ア、アルバート様。なんて微妙な力加減のお仕置きをしてくださるのっ!!
痛いのに・・・もっとぶって欲しい。虐めて欲しくなっちゃうわっ!!
ママっ!! おねだりしてっ!! アルバート様に「もっとお尻をぶって」って!!)
(ば、バカ言わないでっ!! 皆の前でそんなこと言えるわけないでしょっ!!
それにそんな変態だって知られたらアルバート様に嫌われちゃうわっ!!)
(大丈夫よっ!! あの力加減。アルバート様は絶対にこの道のプロだわ。嫌われたりしないわ)
(プロって何よっ!! プロって!!)
どうやらチャームのドМの素質は私以上の物だったらしい。私はチャームの懇願に流されそうになりながらも、どうにか無事に陣地に戻ることができたのだった。
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