23 / 150
第2話
幼馴染が追ってくるっ!! 6
しおりを挟む
アルバートは迫力に満ちた声で俺を恫喝するように詰問する。その時、彼は余程余裕がなかったのだろう。腕を掴む力が女の俺に対しては強すぎた。
「い、痛い・・・。」
俺が声を上げるとアルバートは慌てて手を離した。
「す、すまない。つい、力が入ってしまった。」
アルバートはレディを傷つけたことを謝罪はするものの逃がすつもりはまったくない。慌てて手を離したがスキは見せなかった。
(仕方ないわ。ローニャ。
適当に拾ったとか言って誤魔化しなさいよ。)
(・・・だな。
アルバートは狙った獲物は逃さない。走って逃げられる相手でもない。それしか無いな。)
俺とチャームの意見が合うと、俺はシラを切ることにした。
「すまないが、これはダンジョンで拾ったものだ。
魔神シトリーの事は知っていた。
でも俺が最深部にたどり着いた時、本来ならいるはずのシトリーはおらず、この武器だけが残されていた。
俺の呪いはこれを拾ったときに被った物でディエゴという男のことは皆目見当もつかない話だ。
それに俺のような阿婆擦れが、やんごとなきお貴族様の素性なんか知っているものか。」
俺がアルバートの目を見つめながら話すとどうやらアルバートは俺の話を一応は信じたのか黙りこくってしまった。
(よくまぁ、スラスラとそんな嘘が出るわね。)
(うるさい。これでも俺の家もアルバートの家に並ぶ貴族なんだぜ。腹芸の一つくらいできるように躾けられているさ。)
アルバートはしばらく考え込んでいたが、やがて俺の話を信じると言い出した。
「なるほどね。君の言い分にはある程度の信憑性があると言える。
迷宮にはシトリーもディエゴもいなかったと。
それは信じられる。」
俺がホッとしたのもつかの間。アルバートは次の手に出てきた。
「だが、君はシトリーとの激戦の末に瀕死となったディエゴのパーティの唯一の生存者を神殿に運び治癒の奇跡を依頼している。さらに君自身も神殿で解呪の奇跡を依頼したな?
神殿に記録が残っているぞ。その時、神殿は君にディエゴの行方について尋ねている。
私は神殿からその事を聞き最初から君という人間を探していたんだ。
なぜ、ディエゴの事を知らないと嘘をついた?
何故、決戦の地にいた生存者について話さなかった?」
しまった!! 俺がそう思った瞬間、アルバートはその俺の動揺をしっかりと見た上で問う。
「それに阿婆擦れといったが、先程の君が食事をする姿を見た限り、君のテーブルマナーは完璧だ。幼い頃から上流社会の躾をされていないと身につかないレベルだ。
・・・もう一度聞くぞ。ディエゴは何処だ? 君は一体、何者だ?」
ハメられた!!
神官騎士のアルバートは神殿と太い繋がりがある。神殿からシトリーの件について色々聞いていたにちがいない。
そうして、あばずれローニャについてもある程度、聞いていたんだろう。
素知らぬふりして俺に近づくなんて、酷い罠を仕掛ける。彼は俺以上に腹芸の出来る男に成長していたのだ
「い、痛い・・・。」
俺が声を上げるとアルバートは慌てて手を離した。
「す、すまない。つい、力が入ってしまった。」
アルバートはレディを傷つけたことを謝罪はするものの逃がすつもりはまったくない。慌てて手を離したがスキは見せなかった。
(仕方ないわ。ローニャ。
適当に拾ったとか言って誤魔化しなさいよ。)
(・・・だな。
アルバートは狙った獲物は逃さない。走って逃げられる相手でもない。それしか無いな。)
俺とチャームの意見が合うと、俺はシラを切ることにした。
「すまないが、これはダンジョンで拾ったものだ。
魔神シトリーの事は知っていた。
でも俺が最深部にたどり着いた時、本来ならいるはずのシトリーはおらず、この武器だけが残されていた。
俺の呪いはこれを拾ったときに被った物でディエゴという男のことは皆目見当もつかない話だ。
それに俺のような阿婆擦れが、やんごとなきお貴族様の素性なんか知っているものか。」
俺がアルバートの目を見つめながら話すとどうやらアルバートは俺の話を一応は信じたのか黙りこくってしまった。
(よくまぁ、スラスラとそんな嘘が出るわね。)
(うるさい。これでも俺の家もアルバートの家に並ぶ貴族なんだぜ。腹芸の一つくらいできるように躾けられているさ。)
アルバートはしばらく考え込んでいたが、やがて俺の話を信じると言い出した。
「なるほどね。君の言い分にはある程度の信憑性があると言える。
迷宮にはシトリーもディエゴもいなかったと。
それは信じられる。」
俺がホッとしたのもつかの間。アルバートは次の手に出てきた。
「だが、君はシトリーとの激戦の末に瀕死となったディエゴのパーティの唯一の生存者を神殿に運び治癒の奇跡を依頼している。さらに君自身も神殿で解呪の奇跡を依頼したな?
神殿に記録が残っているぞ。その時、神殿は君にディエゴの行方について尋ねている。
私は神殿からその事を聞き最初から君という人間を探していたんだ。
なぜ、ディエゴの事を知らないと嘘をついた?
何故、決戦の地にいた生存者について話さなかった?」
しまった!! 俺がそう思った瞬間、アルバートはその俺の動揺をしっかりと見た上で問う。
「それに阿婆擦れといったが、先程の君が食事をする姿を見た限り、君のテーブルマナーは完璧だ。幼い頃から上流社会の躾をされていないと身につかないレベルだ。
・・・もう一度聞くぞ。ディエゴは何処だ? 君は一体、何者だ?」
ハメられた!!
神官騎士のアルバートは神殿と太い繋がりがある。神殿からシトリーの件について色々聞いていたにちがいない。
そうして、あばずれローニャについてもある程度、聞いていたんだろう。
素知らぬふりして俺に近づくなんて、酷い罠を仕掛ける。彼は俺以上に腹芸の出来る男に成長していたのだ
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる