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第3章「ゴルゴダの丘」
第49話 和平作戦開始
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「そ、その方が人生楽しいって・・・アンナお姉様・・・。」
呆れた声を上げる私にお姉様は「いいの、いいの。それでいいの。」と言って強引に押し切るのでした。
「で? ヴァレリオのどこがいいの?」
アンナお姉様はそう言って私の顔を興味深そうに覗き見るのでした。
でも、ヴァレリオ様のどこがいいのか尋ねられるのって・・・ちょっと気恥しくって、私は思わずうつむいてお答えするのです。
「・・・だって、彼は私をずっと支えてくれましたし、それに・・・逞しいし・・・。」
アンナお姉様はその言葉を聞くと何かを邪推したかのようににんまり笑って茶化します。
「ああ~・・・。ラーマはマッスルな男性が好きなのね。
あの大きな体に包まれるように抱きしめられたいと・・・。
それだと小柄な旦那様は不利かしら?」
私は慌てて否定します。確かに長身のヴァレリオ様のお体に私は惹かれています。ですが、明けの明星様の良さは真逆なのですから。
「いいえっ!! いいえっ!! 明けの明星様の愛らしいお姿は唯一無二のモノ。
あの美貌に逆らえる女はおりません。アンナお姉様も御存知でしょう?
私はあのお方のお顔が近づいてきただけで、失神してしまいそうなほど心ざわついてしまいます。」
そう。明けの明星様は私やアンナお姉様を世界の宝物のように美貌を讃えてくださるのですが、真の美の化身は明けの明星様。この世で最も美しい存在と自称されるのわかります。
あの美しさには男も女も取り込まれてしまうのですか・・・。
私の言葉を聞いたアンナお姉様は、ニッコリ笑って
「それも当然ね。旦那様は美の化身。
私がそれを一番よくわかっています。」
「私はあの体に攻め立てられたい。でも優しく抱きしめられたら嬉しくて泣いてしまうの。
あの美しい目で優しく見つめられたいし、冷たい目でも見られたい。
あの愛らしい声で一晩中愛を囁いてほしいし、一晩中罵っても欲しい。」
「何をされても・・・私は喜んでしまうの。
だって、私は旦那様の物なんですから・・・。」
そうでした。明けの明星様の魅力は語るまでも無い事でした。
「だからね。ラーマ。旦那様に心を奪われることは恥ずかしい事ではなくってよ?
むしろ、女なら当然です。あのお方は女の天敵なのです。
あの御美しさに逆らえる女などこの世にいるものですか。」
「でもヴァレリオのような純粋な愛を捧げてくれる人に惚れることも悪くはなくてよ?」
「大切なことは、あなたが幸せになること。
だから、何も気にせずに心のあるままに愛すればいいのです。」
それが、つまり私が二人を選んでもいいという理由なのだとアンナお姉様は言いたいのでしょう。
そしてなによりも
「ラーマ。あなたって大変な男たちに目をつけられましたね。
片や絶世の美少年。
片や恋物語の王子様。
これは選ぶのが大変よぉ? 本気で二人と向き合いなさいね。」
アンナお姉様は私を真っすに見つめてそう仰るので、私も誠意を込めて真っすぐ見つめ返して「ハイ。お姉様。」と答えるのでした。
私の答えに満足したアンナお姉様は「もう遅いから」と言って私をベッドに誘い、地獄のような子守唄を歌ってくださいました。おかげで私はあっという間に意識を失い、その日は久しぶりにぐっすりと眠れたのでした。
翌朝、深淵に堕ちたかのように深い眠りから覚めた私は身も心も健やかになっていることに気が付きました。
思えば2日も絶食していたのですから、相当精神的に病んでいたのでしょう。その事に気が付いた私は、それからはしっかりと食事をとり、仕事ともしっかり向き合えるようになったのでした。
さて、そんな私でしたが、どうしても解決できない問題がもう一つ残っていたのでした。
それは勿論、ヴァレリオ様が治めるゴルゴダ公国の戦争問題です。
明けの明星様もヴァレリオ様も降りかかる火の粉は完全消化すべしとでも言うような作戦を思いつかれたご様子。
逆に私はそれを止めたいと思い、まずは和平交渉をしたいと考えていました。
しかし、私と言えば雑務に追われる日々、到底、戦争回避の作戦など思いつかないのでした。
何も手立てが思いつかないまま時間だけが過ぎていくことに焦りを感じた私は、専門家の意見を聞いてみたくなり、フェデリコを執務室に呼びつけました。
私の護衛を務める少年兵に案内されて執務室に入ったフェデリコは、私を見ると深々と頭を下げるのでした。
「お呼びたていただき、誠に有難う御座いまする。
して、本日はどのようなご用件でございますか?」
執務室に呼びつけられたフェデリコは非常に丁寧で敬意のこもった挨拶態度でした。
フェデリコは変わりました。あの敗戦以降、私に対しての忠義の心を忘れない人になったのでした。それは勿論、明けの明星様に言い含められた部分も大きいのでしょうが、それ以上にそれがフェデリコ元来の気性なのでしょう。明けの明星様に脅されても元王への忠義を失わなかった人なのですから、信頼してよい人物かと思われます。
だから、私は戦争の専門家であるフェデリコのアドバイスを求めたのでした。
「フェデリコ。登城、ご苦労です。早速の参集嬉しく思います。」
「今日はあなたに尋ねたいことがあって呼びつけたのです。聞いてくれますか?」
フェデリコは「勿論で御座います。何なりとお尋ねくださりませ。」と、胸を張って答えてくれます。なんて頼もしい。私はその信頼感にすがって見ることにしたのです。
「実はフェデリコ。ヴァレリオ様のお国での騒動は存じ上げているでしょう?」
「ええ。なんでも明けの明星様の発案なされた囮作戦の準備が始まっているとのこと。
それがいかがなされましたか?」
フェデリコは何も疑問に思わずに質問してきたので、私は直感的にフェデリコが私が和平を望んでいるという事をまだ知らないという事に気が付きました。そこで私はフェデリコの誤解を解くために正直に告白しました。
「フェデリコ。出来れば私はこの戦争を止めたいと思います。」
「またですかっ!!」
フェデリコは私の言葉が終わるか終わらぬかと言う僅かな間も置かずに突っ込んできました。
「姫様っ!! 今がどういう状況下お分かりですか?
戦争を仕掛けられ、領民が苦しんでいるときですよ。
高い理想をお持ちになるのは結構ですが、少しは臣民の気持ちに耳を傾けてみてください。
あなた様は王であるにもかかわらず、臣民の気持ちを知らなさ過ぎます。」
「少しは我らのみになって物事を考えてくださいませ。
臣民の想いは国の願い。そこに政治の耳を傾けずに何と致すというのですか?」
フェデリコは焦りに焦って大きな声と大げさな身振り手振りも交えて私を説得しようとするのですが、それを直ちに聞き入れる私ではありません。フェデリコの意見に真っ向から対立するのでした。
「フェデリコ。実現不可能な作戦を完遂させるために私は貴方に尋ねているのです。
どうぞ、私に妙案あれば話してみなさい。」
「戦争回避のための妙案などございません。当然でしょうっ!!
奴らは我々を恐れて半ば発狂的に攻撃を仕掛けてきているにすぎません。説得の余地はございません。」
フェデリコはそう言って真っ向から和平を否定するのです。
「フェデリコ。あなたの意見はきっと正しいのでしょう。しかし、それでも私は知りたいのです。
軍事の専門家のあなたに尋ねます。
今の状況を全く無視して考えてください。」
「フェデリコ。あなたが敵の指揮官ならば、どのようなことが腹が立ち、どのような賠償なら心から受け入れますか?」
フェデリコは引き下がらぬ私に困った顔を見せるのですが、それでも質問には答えてくれました。
「姫様。敵が攻撃を仕掛けてきている最大の理由は、我らを恐れるあまりのことと存じまする。
それならば、賠償よりも信頼を得ることが肝要と存じます。」
「信頼?」
フェデリコの口から、希望の光ともいえるような言葉が聞けました。私は嬉しくってオウム返しに尋ねるとフェデリコは答えます。
「はい。こいつとは会話が成立する。考え方に共感が持てる。などなどの条件が揃っていけば敵に対して当方は攻撃の意思なく、外交を求めているという話をしても聞いてもらえるやもしれません。」
「まあっ!!」
とても具体的な話が聞けて私は歓喜の声を上げるのですが、フェデリコは渋い顔をします。
「姫様。恐怖を覚えた相手から信頼を得ることはたやすくはございませんぞ。」
「どうすればいいのですか?」
私はもうフェデリコの次の言葉が聞きたくて仕方がなくって、飛びつかん勢いで机に身を乗り出して尋ねました。
フェデリコは答えます。
「姫様。それには国民性を理解することです。
国の願いは民の願いと先ほど申し上げましたが、それならば、敵国の情報を深く知ることですな。
密かに敵国に侵入し、スパイを通じて臣民の言葉を敵の指揮官にお聞きなさい。それ以外にわかりえることは難しいでしょう。」
フェデリコのアドバイスはそれまでの私が思いもしなかった手法でした。全く持って私には想像もつかなかったのです。現地にスパイを送り込み敵国の臣民の言葉を聞くなんて・・・。それは確かに良い方法です。
私はすっかりフェデリコの作戦に乗っかる気になり、スパイの方法について考えます。
「それでは、アンナ・ラー様の護衛の下、敵国に潜伏すればよいのです。
アンナ・ラー様は魔神ゆえにエデンの首都からゴルゴダを通って遠くの敵国まで一刻の事で運んでくれるでしょうし、護衛としてこれほど心強い方はおられません。」
私はまるで自分が褒められたかのようにうれしくなって、即決でフェデリコの作戦を採用するのでした。
「フェデリコっ!! 素晴らしい意見をありがとう」
そう言ってフェデリコに抱き着くほど私は嬉しく思ったのでした、
呆れた声を上げる私にお姉様は「いいの、いいの。それでいいの。」と言って強引に押し切るのでした。
「で? ヴァレリオのどこがいいの?」
アンナお姉様はそう言って私の顔を興味深そうに覗き見るのでした。
でも、ヴァレリオ様のどこがいいのか尋ねられるのって・・・ちょっと気恥しくって、私は思わずうつむいてお答えするのです。
「・・・だって、彼は私をずっと支えてくれましたし、それに・・・逞しいし・・・。」
アンナお姉様はその言葉を聞くと何かを邪推したかのようににんまり笑って茶化します。
「ああ~・・・。ラーマはマッスルな男性が好きなのね。
あの大きな体に包まれるように抱きしめられたいと・・・。
それだと小柄な旦那様は不利かしら?」
私は慌てて否定します。確かに長身のヴァレリオ様のお体に私は惹かれています。ですが、明けの明星様の良さは真逆なのですから。
「いいえっ!! いいえっ!! 明けの明星様の愛らしいお姿は唯一無二のモノ。
あの美貌に逆らえる女はおりません。アンナお姉様も御存知でしょう?
私はあのお方のお顔が近づいてきただけで、失神してしまいそうなほど心ざわついてしまいます。」
そう。明けの明星様は私やアンナお姉様を世界の宝物のように美貌を讃えてくださるのですが、真の美の化身は明けの明星様。この世で最も美しい存在と自称されるのわかります。
あの美しさには男も女も取り込まれてしまうのですか・・・。
私の言葉を聞いたアンナお姉様は、ニッコリ笑って
「それも当然ね。旦那様は美の化身。
私がそれを一番よくわかっています。」
「私はあの体に攻め立てられたい。でも優しく抱きしめられたら嬉しくて泣いてしまうの。
あの美しい目で優しく見つめられたいし、冷たい目でも見られたい。
あの愛らしい声で一晩中愛を囁いてほしいし、一晩中罵っても欲しい。」
「何をされても・・・私は喜んでしまうの。
だって、私は旦那様の物なんですから・・・。」
そうでした。明けの明星様の魅力は語るまでも無い事でした。
「だからね。ラーマ。旦那様に心を奪われることは恥ずかしい事ではなくってよ?
むしろ、女なら当然です。あのお方は女の天敵なのです。
あの御美しさに逆らえる女などこの世にいるものですか。」
「でもヴァレリオのような純粋な愛を捧げてくれる人に惚れることも悪くはなくてよ?」
「大切なことは、あなたが幸せになること。
だから、何も気にせずに心のあるままに愛すればいいのです。」
それが、つまり私が二人を選んでもいいという理由なのだとアンナお姉様は言いたいのでしょう。
そしてなによりも
「ラーマ。あなたって大変な男たちに目をつけられましたね。
片や絶世の美少年。
片や恋物語の王子様。
これは選ぶのが大変よぉ? 本気で二人と向き合いなさいね。」
アンナお姉様は私を真っすに見つめてそう仰るので、私も誠意を込めて真っすぐ見つめ返して「ハイ。お姉様。」と答えるのでした。
私の答えに満足したアンナお姉様は「もう遅いから」と言って私をベッドに誘い、地獄のような子守唄を歌ってくださいました。おかげで私はあっという間に意識を失い、その日は久しぶりにぐっすりと眠れたのでした。
翌朝、深淵に堕ちたかのように深い眠りから覚めた私は身も心も健やかになっていることに気が付きました。
思えば2日も絶食していたのですから、相当精神的に病んでいたのでしょう。その事に気が付いた私は、それからはしっかりと食事をとり、仕事ともしっかり向き合えるようになったのでした。
さて、そんな私でしたが、どうしても解決できない問題がもう一つ残っていたのでした。
それは勿論、ヴァレリオ様が治めるゴルゴダ公国の戦争問題です。
明けの明星様もヴァレリオ様も降りかかる火の粉は完全消化すべしとでも言うような作戦を思いつかれたご様子。
逆に私はそれを止めたいと思い、まずは和平交渉をしたいと考えていました。
しかし、私と言えば雑務に追われる日々、到底、戦争回避の作戦など思いつかないのでした。
何も手立てが思いつかないまま時間だけが過ぎていくことに焦りを感じた私は、専門家の意見を聞いてみたくなり、フェデリコを執務室に呼びつけました。
私の護衛を務める少年兵に案内されて執務室に入ったフェデリコは、私を見ると深々と頭を下げるのでした。
「お呼びたていただき、誠に有難う御座いまする。
して、本日はどのようなご用件でございますか?」
執務室に呼びつけられたフェデリコは非常に丁寧で敬意のこもった挨拶態度でした。
フェデリコは変わりました。あの敗戦以降、私に対しての忠義の心を忘れない人になったのでした。それは勿論、明けの明星様に言い含められた部分も大きいのでしょうが、それ以上にそれがフェデリコ元来の気性なのでしょう。明けの明星様に脅されても元王への忠義を失わなかった人なのですから、信頼してよい人物かと思われます。
だから、私は戦争の専門家であるフェデリコのアドバイスを求めたのでした。
「フェデリコ。登城、ご苦労です。早速の参集嬉しく思います。」
「今日はあなたに尋ねたいことがあって呼びつけたのです。聞いてくれますか?」
フェデリコは「勿論で御座います。何なりとお尋ねくださりませ。」と、胸を張って答えてくれます。なんて頼もしい。私はその信頼感にすがって見ることにしたのです。
「実はフェデリコ。ヴァレリオ様のお国での騒動は存じ上げているでしょう?」
「ええ。なんでも明けの明星様の発案なされた囮作戦の準備が始まっているとのこと。
それがいかがなされましたか?」
フェデリコは何も疑問に思わずに質問してきたので、私は直感的にフェデリコが私が和平を望んでいるという事をまだ知らないという事に気が付きました。そこで私はフェデリコの誤解を解くために正直に告白しました。
「フェデリコ。出来れば私はこの戦争を止めたいと思います。」
「またですかっ!!」
フェデリコは私の言葉が終わるか終わらぬかと言う僅かな間も置かずに突っ込んできました。
「姫様っ!! 今がどういう状況下お分かりですか?
戦争を仕掛けられ、領民が苦しんでいるときですよ。
高い理想をお持ちになるのは結構ですが、少しは臣民の気持ちに耳を傾けてみてください。
あなた様は王であるにもかかわらず、臣民の気持ちを知らなさ過ぎます。」
「少しは我らのみになって物事を考えてくださいませ。
臣民の想いは国の願い。そこに政治の耳を傾けずに何と致すというのですか?」
フェデリコは焦りに焦って大きな声と大げさな身振り手振りも交えて私を説得しようとするのですが、それを直ちに聞き入れる私ではありません。フェデリコの意見に真っ向から対立するのでした。
「フェデリコ。実現不可能な作戦を完遂させるために私は貴方に尋ねているのです。
どうぞ、私に妙案あれば話してみなさい。」
「戦争回避のための妙案などございません。当然でしょうっ!!
奴らは我々を恐れて半ば発狂的に攻撃を仕掛けてきているにすぎません。説得の余地はございません。」
フェデリコはそう言って真っ向から和平を否定するのです。
「フェデリコ。あなたの意見はきっと正しいのでしょう。しかし、それでも私は知りたいのです。
軍事の専門家のあなたに尋ねます。
今の状況を全く無視して考えてください。」
「フェデリコ。あなたが敵の指揮官ならば、どのようなことが腹が立ち、どのような賠償なら心から受け入れますか?」
フェデリコは引き下がらぬ私に困った顔を見せるのですが、それでも質問には答えてくれました。
「姫様。敵が攻撃を仕掛けてきている最大の理由は、我らを恐れるあまりのことと存じまする。
それならば、賠償よりも信頼を得ることが肝要と存じます。」
「信頼?」
フェデリコの口から、希望の光ともいえるような言葉が聞けました。私は嬉しくってオウム返しに尋ねるとフェデリコは答えます。
「はい。こいつとは会話が成立する。考え方に共感が持てる。などなどの条件が揃っていけば敵に対して当方は攻撃の意思なく、外交を求めているという話をしても聞いてもらえるやもしれません。」
「まあっ!!」
とても具体的な話が聞けて私は歓喜の声を上げるのですが、フェデリコは渋い顔をします。
「姫様。恐怖を覚えた相手から信頼を得ることはたやすくはございませんぞ。」
「どうすればいいのですか?」
私はもうフェデリコの次の言葉が聞きたくて仕方がなくって、飛びつかん勢いで机に身を乗り出して尋ねました。
フェデリコは答えます。
「姫様。それには国民性を理解することです。
国の願いは民の願いと先ほど申し上げましたが、それならば、敵国の情報を深く知ることですな。
密かに敵国に侵入し、スパイを通じて臣民の言葉を敵の指揮官にお聞きなさい。それ以外にわかりえることは難しいでしょう。」
フェデリコのアドバイスはそれまでの私が思いもしなかった手法でした。全く持って私には想像もつかなかったのです。現地にスパイを送り込み敵国の臣民の言葉を聞くなんて・・・。それは確かに良い方法です。
私はすっかりフェデリコの作戦に乗っかる気になり、スパイの方法について考えます。
「それでは、アンナ・ラー様の護衛の下、敵国に潜伏すればよいのです。
アンナ・ラー様は魔神ゆえにエデンの首都からゴルゴダを通って遠くの敵国まで一刻の事で運んでくれるでしょうし、護衛としてこれほど心強い方はおられません。」
私はまるで自分が褒められたかのようにうれしくなって、即決でフェデリコの作戦を採用するのでした。
「フェデリコっ!! 素晴らしい意見をありがとう」
そう言ってフェデリコに抱き着くほど私は嬉しく思ったのでした、
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