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捜査ファイル
捜査ファイル:レジーナ・マリオット
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【レジーナ・マリオット】
三人目はレジーナ・マリオット。
アルフォンスと向かい合っているのは彼女と、彼女の両親だった。
レジーナはダークブルーの髪の毛をひとまとめにしたキリッとした雰囲気の令嬢だった。ぴんとした背筋を伸ばし、真面目そうだ。
(学園でも魔法局でもティナ様より勉強面では優秀だった方)
落ち着き払った彼女とは反対に、レジーナの両親は落ち着きなく困った表情を浮かべていた。
「本当にレジーナが、殿下の婚約者候補なのですか……?」
自分の娘が第一王子の婚約者候補に選ばれたことに困惑した表情を浮かべている。
コーディは資料を思い出していた。
マリオット子爵は、田舎に領地を持つ貴族だ。他の侯爵が、魔法局や政界で活躍しているのに比べれば、家自体の力も影響力もない。
「うちはレジーナが特別優秀なだけですから……」
謙遜でもなく彼らは心から困惑している様子だった。無理もないとコーディは思う。コーディも田舎の子爵家の息子で、もし自分の妹が王族の婚約者候補に選ばれたと聞けば、喜びよりも戸惑いしか生まれないだろう。
「レジーナ様は優秀だと、魔法局の誰もが認めております」
「ティナ様があまりにも優秀すぎたから、その観点からすれば私しかいないかもしれませんね」
レジーナは表情を変えずに言う。両親とは性格もまったく違うらしい。
(ティナ様は魔術師として優秀だった。
身分よりも有能さだけで選べば、レジーナ様になるのかもしれない。)
「国のためになるのであれば、謹んでお受けいたします」
レジーナははっきりそう言った。
ベレニスやビヴァリーは、由緒正しい家のご令嬢だ。彼女たちは控えめで自分の意見は一度も口にしなかった。
「ふふ、選出されたときはよろしく頼むよ」
アルフォンスが面白そうな表情になり、コーディは少し楽しい気持ちになる。
(お偉いさんたちには嫌がられそうな方だけど……同じ地方出身者の私からすれば応援したい女性ではある)
「レジーナ、そんなことを言って……」
両親はいまだにオドオドとしていて、はっきり物申すレジーナに困った表情を浮かべる。彼らがティナに罪を着せるとは思えなかった。……それが演技でないのなら。
「私は素直に話してくれる方が嬉しいので、気になさらないでくださいね。ところでマリオット家の特産物は……」
緊張して萎縮しているマリオット夫妻を和ませようと、アルフォンスは世間話から話すことにしたらしい。
アルフォンスの人当たりのよさにマリオット夫妻も表情を和らげた。
(彼女なら、冤罪事件をうまく起こせそうだ)
コーディはレジーナに好意を抱くと同時に、だからこそ彼女ならばうまく仕組むこともできるのではないかと思った。
「殿下。お話は以上ですか?」
世間話が始まった三人を見て、レジーナは固い声を出した。
「本日は予定が詰まっているので、お話が以上であれば退席したいのですが」
「レジーナ、失礼だろう」
「マリオット子爵、構いませんよ。本日は候補者の方と顔を合わせて意志を確認するのが目的でしたから。……ですが、もう一点聞きたいことがあります」
アルフォンスは笑みを絶やさないまま訊ねる。
「ティナの居場所を知りませんか?」
その質問にレジーナは一瞬驚いたような顔を見せた。しかしすぐに真顔に戻り、
「どういうことでしょうか?」と聞き返す。
ティナが消えたことは秘密にされている。しかしエイリー親子も知っていたし、上位貴族は知っている可能性もある。
(アルフォンス様は、あえて口にしたのか)
「実はティナが逃亡したんだ。貴女はティナの友人だ。心当たりがないかと思って。たとえば君の故郷にいるとか?」
アルフォンスはマリオット夫妻にも目を向ける。彼らは顔を青くして「私たちは何も知りません! アルフォンス様に婚約者がいらっしゃったことも知らなかったくらいですから!」と声をあげた。
「逃亡ですか。……ご期待に添えず申し訳ないのですが、私に心当たりはありません」
夫妻とは正反対にレジーナは極めて冷静に答えた。
レジーナがティナの逃亡を知っているのか、そうでないのかもわからない。
「すみません、疑っているわけではないのですよ。ただ捜索が手詰まりでして……もし見覚えのない女性がいらしたらご報告いただけますか?」
「それはもちろん! すぐにご連絡します!」
「ご協力感謝します。――レジーナ嬢、話は以上です。忙しいのに時間を作らせて申し訳なかった」
アルフォンスの笑みに夫妻はほっとしたような表情を見せる。素直な人たちだ。
「私も気づいたことがあればご報告します。それでは失礼します」
「では私たちも……」
レジーナが席をたち、それに続いて気まずそうなマリオット夫妻が腰を浮かす。
「マリオット子爵。せっかく王都にお越しいただきましたし、特産物のお話をもう少し伺いたいのですが……王都での販売も考えたいですし」
「本当ですか」
「ええ、もう少しお時間よろしいでしょうか。——コーディ、レジーナ嬢を見送ってくれるか」
コーディは慌ててレジーナのもとに向かい、エスコートしながら部屋をでる。
「馬車を手配いたします」
「結構です。すぐに魔法局に戻りますので。お見送りも――」
レジーナはばっさりと切り捨てようとして。
「……いえ、やはり見送りをお願いできますか」
「もちろんです」
コーディの隣をレジーナはきびきびと歩いていく。応接間から少し歩いたところで、
「……ティナ様は逃亡されたのですか?」
足を止めぬままレジーナは尋ねた。
あの場でアルフォンスから口に出したのだ。必要以上に誤魔化す必要はないだろうと判断する。
「レジーナ様は居場所はご存知ではないですか」
「ええ。そもそも彼女が投獄されたということすら信じられませんから」
「ご友人でしたものね」
「友人というより研究者として尊敬していた、といえます。彼女も信頼してくれたのではないでしょうか。ですが、私の元にはいらしていませんよ」
レジーナははきはきと答える。
「私はティナ様は冤罪だと思いますよ。それでは失礼します」
強い意思を感じる瞳をコーディに向けるとレジーナはすたすたと去って行った。
・・
アルフォンスと合流したコーディは、彼女の最後の言葉を伝えた。
「コーディはどう思う? 彼女は怪しい?」
「そうですね……友人というわりには全てに対して、淡々としすぎているような気もします。婚約者候補になったこともすんなり受け入れています。友人の元婚約者というと、もう少し気を遣うものではないでしょうか」
「そうだね。……コーディ、彼女とマリオット領に見張りをつけてくれるか? ティナが逃亡したと伝えたんだ、今後何か動きがあるかもしれない」
「承知しました」
田舎出身の仲間としては応援したいきもちもあるが、彼女の優秀さは疑ってかかるべきであろう。
三人目はレジーナ・マリオット。
アルフォンスと向かい合っているのは彼女と、彼女の両親だった。
レジーナはダークブルーの髪の毛をひとまとめにしたキリッとした雰囲気の令嬢だった。ぴんとした背筋を伸ばし、真面目そうだ。
(学園でも魔法局でもティナ様より勉強面では優秀だった方)
落ち着き払った彼女とは反対に、レジーナの両親は落ち着きなく困った表情を浮かべていた。
「本当にレジーナが、殿下の婚約者候補なのですか……?」
自分の娘が第一王子の婚約者候補に選ばれたことに困惑した表情を浮かべている。
コーディは資料を思い出していた。
マリオット子爵は、田舎に領地を持つ貴族だ。他の侯爵が、魔法局や政界で活躍しているのに比べれば、家自体の力も影響力もない。
「うちはレジーナが特別優秀なだけですから……」
謙遜でもなく彼らは心から困惑している様子だった。無理もないとコーディは思う。コーディも田舎の子爵家の息子で、もし自分の妹が王族の婚約者候補に選ばれたと聞けば、喜びよりも戸惑いしか生まれないだろう。
「レジーナ様は優秀だと、魔法局の誰もが認めております」
「ティナ様があまりにも優秀すぎたから、その観点からすれば私しかいないかもしれませんね」
レジーナは表情を変えずに言う。両親とは性格もまったく違うらしい。
(ティナ様は魔術師として優秀だった。
身分よりも有能さだけで選べば、レジーナ様になるのかもしれない。)
「国のためになるのであれば、謹んでお受けいたします」
レジーナははっきりそう言った。
ベレニスやビヴァリーは、由緒正しい家のご令嬢だ。彼女たちは控えめで自分の意見は一度も口にしなかった。
「ふふ、選出されたときはよろしく頼むよ」
アルフォンスが面白そうな表情になり、コーディは少し楽しい気持ちになる。
(お偉いさんたちには嫌がられそうな方だけど……同じ地方出身者の私からすれば応援したい女性ではある)
「レジーナ、そんなことを言って……」
両親はいまだにオドオドとしていて、はっきり物申すレジーナに困った表情を浮かべる。彼らがティナに罪を着せるとは思えなかった。……それが演技でないのなら。
「私は素直に話してくれる方が嬉しいので、気になさらないでくださいね。ところでマリオット家の特産物は……」
緊張して萎縮しているマリオット夫妻を和ませようと、アルフォンスは世間話から話すことにしたらしい。
アルフォンスの人当たりのよさにマリオット夫妻も表情を和らげた。
(彼女なら、冤罪事件をうまく起こせそうだ)
コーディはレジーナに好意を抱くと同時に、だからこそ彼女ならばうまく仕組むこともできるのではないかと思った。
「殿下。お話は以上ですか?」
世間話が始まった三人を見て、レジーナは固い声を出した。
「本日は予定が詰まっているので、お話が以上であれば退席したいのですが」
「レジーナ、失礼だろう」
「マリオット子爵、構いませんよ。本日は候補者の方と顔を合わせて意志を確認するのが目的でしたから。……ですが、もう一点聞きたいことがあります」
アルフォンスは笑みを絶やさないまま訊ねる。
「ティナの居場所を知りませんか?」
その質問にレジーナは一瞬驚いたような顔を見せた。しかしすぐに真顔に戻り、
「どういうことでしょうか?」と聞き返す。
ティナが消えたことは秘密にされている。しかしエイリー親子も知っていたし、上位貴族は知っている可能性もある。
(アルフォンス様は、あえて口にしたのか)
「実はティナが逃亡したんだ。貴女はティナの友人だ。心当たりがないかと思って。たとえば君の故郷にいるとか?」
アルフォンスはマリオット夫妻にも目を向ける。彼らは顔を青くして「私たちは何も知りません! アルフォンス様に婚約者がいらっしゃったことも知らなかったくらいですから!」と声をあげた。
「逃亡ですか。……ご期待に添えず申し訳ないのですが、私に心当たりはありません」
夫妻とは正反対にレジーナは極めて冷静に答えた。
レジーナがティナの逃亡を知っているのか、そうでないのかもわからない。
「すみません、疑っているわけではないのですよ。ただ捜索が手詰まりでして……もし見覚えのない女性がいらしたらご報告いただけますか?」
「それはもちろん! すぐにご連絡します!」
「ご協力感謝します。――レジーナ嬢、話は以上です。忙しいのに時間を作らせて申し訳なかった」
アルフォンスの笑みに夫妻はほっとしたような表情を見せる。素直な人たちだ。
「私も気づいたことがあればご報告します。それでは失礼します」
「では私たちも……」
レジーナが席をたち、それに続いて気まずそうなマリオット夫妻が腰を浮かす。
「マリオット子爵。せっかく王都にお越しいただきましたし、特産物のお話をもう少し伺いたいのですが……王都での販売も考えたいですし」
「本当ですか」
「ええ、もう少しお時間よろしいでしょうか。——コーディ、レジーナ嬢を見送ってくれるか」
コーディは慌ててレジーナのもとに向かい、エスコートしながら部屋をでる。
「馬車を手配いたします」
「結構です。すぐに魔法局に戻りますので。お見送りも――」
レジーナはばっさりと切り捨てようとして。
「……いえ、やはり見送りをお願いできますか」
「もちろんです」
コーディの隣をレジーナはきびきびと歩いていく。応接間から少し歩いたところで、
「……ティナ様は逃亡されたのですか?」
足を止めぬままレジーナは尋ねた。
あの場でアルフォンスから口に出したのだ。必要以上に誤魔化す必要はないだろうと判断する。
「レジーナ様は居場所はご存知ではないですか」
「ええ。そもそも彼女が投獄されたということすら信じられませんから」
「ご友人でしたものね」
「友人というより研究者として尊敬していた、といえます。彼女も信頼してくれたのではないでしょうか。ですが、私の元にはいらしていませんよ」
レジーナははきはきと答える。
「私はティナ様は冤罪だと思いますよ。それでは失礼します」
強い意思を感じる瞳をコーディに向けるとレジーナはすたすたと去って行った。
・・
アルフォンスと合流したコーディは、彼女の最後の言葉を伝えた。
「コーディはどう思う? 彼女は怪しい?」
「そうですね……友人というわりには全てに対して、淡々としすぎているような気もします。婚約者候補になったこともすんなり受け入れています。友人の元婚約者というと、もう少し気を遣うものではないでしょうか」
「そうだね。……コーディ、彼女とマリオット領に見張りをつけてくれるか? ティナが逃亡したと伝えたんだ、今後何か動きがあるかもしれない」
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