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第一章 終焉の誓い
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その日、世界は終焉を迎えた。異形の怪物に地上は蹂躙され、その侵攻に立ち向かった英傑はことごとくこの世から姿を消した。息を潜め、怯え、反抗しなかった罪なき人々は奴らの思うがままに犯され、一夜にして文明は滅び去った。
終焉を迎えた彼らを庇護するむのなど何もなくその滅亡はそう遠くないだろう。
生き残った者たちの大半は奴らに連行され今はどうなっているか、想像にかたくない。
そんな中、俺は一人廃墟を彷徨っていた。
魔法文明により栄華を極めた魔法都市、ルギデンブルグ。その廃墟たるその地は滅びの根源、すべての破壊を司る邪なる神、邪神の自らの手により虚無へと帰った。
そして俺はその邪神にすら殺してもらえなかった。
「貴様には殺す価値すら見いだせん。せいぜい絶望し、苦しみ、悶え、我が力となる負の感情を持って生きながらえよ。」
そう言い、仇敵は去っていった。
俺は何もかもを失い、絶望のどん底に打ち込まれて、殺す価値すら見いだせないとまで言われた。
俺は途方に暮れた。膝をつき清々しいほどの赤い夜空に一人慟哭した。
声は枯れ、血も涙も枯れ果て、そうして泥のように眠った。
未だ手放せない一対の結婚指輪を握りしめて………。
そうしておれは誓った、すべてを奪った邪神をこの手でこの地獄に引きずり落とし、命乞いをさせ、絶望のうちにとどめを刺すと。
この手に残った唯一の武器、時空間魔法で仇神を討つと滅びた世界においても輝きを失わぬ誓いの指輪にそっと口づけをしたのであった。
終焉を迎えた彼らを庇護するむのなど何もなくその滅亡はそう遠くないだろう。
生き残った者たちの大半は奴らに連行され今はどうなっているか、想像にかたくない。
そんな中、俺は一人廃墟を彷徨っていた。
魔法文明により栄華を極めた魔法都市、ルギデンブルグ。その廃墟たるその地は滅びの根源、すべての破壊を司る邪なる神、邪神の自らの手により虚無へと帰った。
そして俺はその邪神にすら殺してもらえなかった。
「貴様には殺す価値すら見いだせん。せいぜい絶望し、苦しみ、悶え、我が力となる負の感情を持って生きながらえよ。」
そう言い、仇敵は去っていった。
俺は何もかもを失い、絶望のどん底に打ち込まれて、殺す価値すら見いだせないとまで言われた。
俺は途方に暮れた。膝をつき清々しいほどの赤い夜空に一人慟哭した。
声は枯れ、血も涙も枯れ果て、そうして泥のように眠った。
未だ手放せない一対の結婚指輪を握りしめて………。
そうしておれは誓った、すべてを奪った邪神をこの手でこの地獄に引きずり落とし、命乞いをさせ、絶望のうちにとどめを刺すと。
この手に残った唯一の武器、時空間魔法で仇神を討つと滅びた世界においても輝きを失わぬ誓いの指輪にそっと口づけをしたのであった。
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