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四天王の溜息④
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この話は読み飛ばしてもらっても構いません。
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港を出た俺とキサナは色街に向かう。港と色街の間には武器から生活用品さまざまな露店があり、有名な料理店になった店のいくつかはこの露店の一部だった。
いつもより人が多く感じる。近くにいた人に話を聞いてみるとどうやら大食い大会が開かれているらしい。そしてそこに見たことのあるエルフがいた。
「まだイケるでござる」
「お、お嬢ちゃん。そろそろやめないかい?いくら串焼きとはいえそろそろ腹壊すぞ」
「何を言っているでござる。やっと小腹が満たされたところでござる」
「嘘だろ!?既に200本は食ってるのに!?」
・・・・・聞こえなかったことにした。
__________________________________
色街に近づくごとにだんだんと店の外見が派手になってきた。俺に話しかけようとする女が何人かいたが、キサナが睨みを利かせて追い払っていた。別に他の女を抱こうと思わないんだが。
さらに進んで行くと露店の店も薬物やそういうグッズを売る店が多くなってきた。正直俺にはなぜこういったものを買うのか意味がわからな・・・・・。キサナ、そこの露店で何を買った。
色街の露店で売られている薬は主に3つ。
1つ目は避妊薬。子を孕むと商売にならな買ったりするからな。
2つ目は媚薬。主に行為が下手な相手とする場合無理やり感じる為に使用する。娼館の関係者以外が買うと身分に関わらず全員処刑にすることになっている。
3つ目は気付け薬。媚薬で自己を飛ばした者に自己を取り戻させる薬だ。これは催眠にも効果があるらしく、冒険者達も催眠を使う魔物対策で購入している。
そんなとき、ふとある商品に目がいった。
「すみません」
「おや、お客さんですか。何を購入されますか?」
「いえ、そこにある“ビヤクのお香”とはなんですか?」
そう。そこには“ビヤクのお香”というものが売られていたのだ。もしそれが媚薬なら今すぐに検挙して処刑しなくてはならない。
「ああ、これですか。よく勘違いされるのですが、これは媚薬じゃありませんよ」
「そうなのですか?」
「はい。これは消臭するためのお香となんです。ほら、ヤッたら部屋が臭うでしょ?それが嫌だからとよく娼館の人達が購入されるのですよ。臭い消し以外にもガスの成分を消すこともできるので盗賊職の冒険者もよく購入されますよ」
「そうなのですか」
一応鑑定してみたが確かに媚薬の成分は無かった。他にもお香は売られており、キサナは“シュレンのお香”を凝視していた。
・・・・・睡眠を取らずにというところに注目しているのなら買わんぞ。ただでさえ仕事を四六時中しているのだから寝るときは寝てもらわないと後が困る。
「ああ、そういえばなんですが」
急に店主の男が思い出したように言う。
「はい、なんでしょうか」
「この前ですが、ここに勇者様が来られたのですよ」
あ、察した。
「それで、勇者様が“ビヤクのお香”を買うと言われたのですよ。あれだけの量を買ってどうなさるのでしょうね。そんなに毒ガスの発生する迷宮は無かったと思うのですが」
「そう、ですね」
そこまで聞くと、聞こえていたのかキサナが近付いてくる。
「なあノック。勇者様だが、まさかとは思うが」
「たぶん俺たちがいないうちにメイドとそういうことをしようと考えたのでしょうね。うちの使用人達には一応“反撃の腕輪”は持たせたから負けることはないと思うが」
「ああ、アレか。あの敵のステータス分自分のステータスを戦闘中あげるというあのマジックアイテムか。それなら経験の差で制圧できるな」
「ただ、確か1人色街から引き抜いたメイドがいたはずなんだが、もしそいつとしようとしたら」
「・・・次の勇者、真面目なヤツだといいな」
「ああ」
勇者が死んでいるといいなと思いながら歩き始める。
ちなみに、ビヤクのお香のビヤクらそのお香を作った人物の名前らしい。
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港を出た俺とキサナは色街に向かう。港と色街の間には武器から生活用品さまざまな露店があり、有名な料理店になった店のいくつかはこの露店の一部だった。
いつもより人が多く感じる。近くにいた人に話を聞いてみるとどうやら大食い大会が開かれているらしい。そしてそこに見たことのあるエルフがいた。
「まだイケるでござる」
「お、お嬢ちゃん。そろそろやめないかい?いくら串焼きとはいえそろそろ腹壊すぞ」
「何を言っているでござる。やっと小腹が満たされたところでござる」
「嘘だろ!?既に200本は食ってるのに!?」
・・・・・聞こえなかったことにした。
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色街に近づくごとにだんだんと店の外見が派手になってきた。俺に話しかけようとする女が何人かいたが、キサナが睨みを利かせて追い払っていた。別に他の女を抱こうと思わないんだが。
さらに進んで行くと露店の店も薬物やそういうグッズを売る店が多くなってきた。正直俺にはなぜこういったものを買うのか意味がわからな・・・・・。キサナ、そこの露店で何を買った。
色街の露店で売られている薬は主に3つ。
1つ目は避妊薬。子を孕むと商売にならな買ったりするからな。
2つ目は媚薬。主に行為が下手な相手とする場合無理やり感じる為に使用する。娼館の関係者以外が買うと身分に関わらず全員処刑にすることになっている。
3つ目は気付け薬。媚薬で自己を飛ばした者に自己を取り戻させる薬だ。これは催眠にも効果があるらしく、冒険者達も催眠を使う魔物対策で購入している。
そんなとき、ふとある商品に目がいった。
「すみません」
「おや、お客さんですか。何を購入されますか?」
「いえ、そこにある“ビヤクのお香”とはなんですか?」
そう。そこには“ビヤクのお香”というものが売られていたのだ。もしそれが媚薬なら今すぐに検挙して処刑しなくてはならない。
「ああ、これですか。よく勘違いされるのですが、これは媚薬じゃありませんよ」
「そうなのですか?」
「はい。これは消臭するためのお香となんです。ほら、ヤッたら部屋が臭うでしょ?それが嫌だからとよく娼館の人達が購入されるのですよ。臭い消し以外にもガスの成分を消すこともできるので盗賊職の冒険者もよく購入されますよ」
「そうなのですか」
一応鑑定してみたが確かに媚薬の成分は無かった。他にもお香は売られており、キサナは“シュレンのお香”を凝視していた。
・・・・・睡眠を取らずにというところに注目しているのなら買わんぞ。ただでさえ仕事を四六時中しているのだから寝るときは寝てもらわないと後が困る。
「ああ、そういえばなんですが」
急に店主の男が思い出したように言う。
「はい、なんでしょうか」
「この前ですが、ここに勇者様が来られたのですよ」
あ、察した。
「それで、勇者様が“ビヤクのお香”を買うと言われたのですよ。あれだけの量を買ってどうなさるのでしょうね。そんなに毒ガスの発生する迷宮は無かったと思うのですが」
「そう、ですね」
そこまで聞くと、聞こえていたのかキサナが近付いてくる。
「なあノック。勇者様だが、まさかとは思うが」
「たぶん俺たちがいないうちにメイドとそういうことをしようと考えたのでしょうね。うちの使用人達には一応“反撃の腕輪”は持たせたから負けることはないと思うが」
「ああ、アレか。あの敵のステータス分自分のステータスを戦闘中あげるというあのマジックアイテムか。それなら経験の差で制圧できるな」
「ただ、確か1人色街から引き抜いたメイドがいたはずなんだが、もしそいつとしようとしたら」
「・・・次の勇者、真面目なヤツだといいな」
「ああ」
勇者が死んでいるといいなと思いながら歩き始める。
ちなみに、ビヤクのお香のビヤクらそのお香を作った人物の名前らしい。
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