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最終章 龍と英雄の子
第六話
しおりを挟む「作戦開始です!!皆さん放って下さい!!」
「「「「ウォォォォォォォォォォォォ!!!」」」」
ミーナのその一言で魔法や矢が放たれた。そして、そこそこ離れた場所にいた敵の前線部隊から悲鳴が聞こえてきた。
「敵魔術師、魔法を撃ってくるぞ。防御魔法、展開!!」
「プロテクション!!」
こちらの魔法や矢で数を減らしたとはいえ、敵はまだかなりの数残っている。矢は連射できるが、さすがに魔法は連発できない。今は防御魔法とやらで防げているが、それは敵さんも同じだろう。どうするのやら。
「キリサメさん。下がっていてください」
「え?あ、おお」
自分が出ようかと考えていると、ミーナが前に出ていた。なにか追加で支持でも出すのだろう。そう思っているとミーナが袖から紙を取り出し、それを空中に投げていた。
「・・・呪符展開」
その呟きとともに宙を舞っていた紙が空中で止まっていた。なにこれ?どんなマジック?
ぼんやりとそんなことを考えていると周りが慌てだしていた。
「た、隊長がデカイの放つぞ!!」
「え!?もう撃つのか!?」
「作戦聞いてなかったのかよ!!いいから下がれ!!」
「死にたくない奴は後ろに下がれ!!キリサメの野郎は前に出ろ!!そして死ね!!」
・・・ミーナの魔法ってそんなにやばい奴なのか?というか最後の奴。私情を挟むんじゃねえ。
「“豪炎の業”」
その一言だった。そのたったひとことをミーナが発した瞬間、空中で動きを止めていた紙が列を作り、一番ミーナに近い場所にあった紙が燃えながらその前にあった紙を巻き込みながら真っ直ぐに進み始めていた。
しかも段々と速く、激しく燃えながらだ。
初めの5枚を燃やした頃にはもう目では追い付けなくなり、気がついた頃には
ドォォォォォォォォン!!!!
というとてつもなく大きい爆発音が敵の軍の方から聞こえてきていた。
「・・・・・ハ?」
多分今ので二桁は死んで同じかそれ以上の負傷者が出たぞ?は?え?なにが起きた?
「キリサメさん。どうかしましたか?」
「・・・ミーナ」
「はい?」
「今のなに?」
「なにって、魔術ですけど?」
魔術?魔法じゃないのか?健一とかに勧められていたラノベ、読むべきだったかな?
そんな呑気なことを考えていると、いつのまにかその気配があった。そして気を改めて引き締めた。
「キリサメさん。アレって」
「多分、そうだろうな」
ミーナの部下は多分見えていないのだろう。だが、その気配は確かに感じた。
「また会ったな。仮面」
その仮面を剥ぎ取って素顔を拝んでやる。
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