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おまけ

健一side

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霧雨を殺してから少し経った。霧雨が死んでから芽衣の姿が何処にも見えない。ちっ。まだ俺のものにならないのか。まあいい。こっちの世界の女たちだけででもハーレムを作ってやるよ。

そう決意していると新しく王になったムーシャからの呼びかけがあった。

ある程度の人数集まったことを確認するとムーシャは口を開いた。

「勇者の皆様。お集まりいただきありがとうございます。さっそくですが皆様にお願いがございます」

お願い?一体なんなんだ?まあ俺の婚約者になる女の頼みだ。1つぐらい聞いてやるよ。そっから先は俺に従わせるが。

「勇者様方に魔国に行ってもらいたいのです」

魔国?魔王がいるっていうあの?

「なぜですか?」

疑問に思ったので素直に聞いた。するとムーシャは真面目な顔をして口を開く。

「ヒルドスが魔国に滅ぼされました」

は?

「なんでそのようなことに?」
「ヒルドスは宗教国家です。魔族は滅ぼして当然だと教えられています。おそらくそれを理由にしたのでしょう」
「それで、なぜこちらに来て間もない俺たちが魔国に?」
「ヒルドスが侵略の対象にしたのは魔族の中でも我々人間に接触しなかった者たちが多かった魔国なのです。そのためそれを口実にしてこちらに侵略してくるはずなのです。しかし、そのためには中心となる人物の存在が必要なのです」

なるほど。それを俺たちがするっていうわけか。

「ですが、先程『皆様』と申し上げましたが、もし全員を行かせてしまうと今度はこの国の守りが薄くなります。そのため『天命の勇者』の方々にそれぞれ自分たちのパーティーを作って頂き、そして魔国にいる魔王を直接倒して欲しいのです」

おい!!それだと俺も行かなくちゃいけないじゃないか!!いや、それよりも。

「待ってください!!」
「ケンイチ様。どうかされましたか?」
「今、この場所には『天命の勇者』は1人欠けています。草場さんがいないんです!!」

そういうと先程までムーシャに何も言っていなかった連中が慌てだした。というかなぜ結果的に行かなくても良くなったとはいえ自分たちが危険な場所に送られるのに何も言わないんだ?

「そうですか・・・・それは残念です。ですが、それは魔国に向かわない理由にはなりませんよ?」

ちっ!!このアマ。まだ婚約だから手を出さなかったが犯したろうか?・・・いや、今は耐えろ。それによく考えろ。旅の中でいい女がいたらそいつとヤればいいんだ。そう考えたら魔国に行ったほうがいいか。

「わかりました。それで、パーティーはどのように分けるのですか?」
「相性などがあるでしょうから勇者様方に作って頂きます。旅費などは後でお渡しする腕輪を見せればこの国の中であればどこでも宿泊や消耗品の購入などがタダにできます。その代金は後でこちらが立て替えることになります」

なるほどな。それなら金は稼がなくてもいいな。

「話は終わったのか?」

なんだオタクかよ。いったいなんだ。

「既にパーティーメンバーを待たせている。腕輪ができるまでにどれくらいかかる?」

は?パーティーを既に作った?ということはこの国の兵士の誰かか。

「1つは既に完成しています。先に渡しましょうか?」
「ああ。頼む」

そう言ってオタクは衛兵から腕輪を受け取った。なかなか良さそうなデザインじゃないか。

「じゃあ。先に行かせてもらうぞ」

そう言ってオタクは部屋から出て行った。

「ひ、・・・陛下。パーティーというのは誰でもいいのでしょうか?」
「実力さえあれば誰でも構いません」
「そうですか。ありがとうございます」
「はい。腕輪が完成致しましたら鐘を鳴らします。パーティーが完成致しましたらそれ以降に取りに来てください」
「わかりました」

そうして俺は部屋を出て行った。パーティーにするなら入れておこうと思った人が居たからな。
__________________________________

城の中を探しても探している人がいなかったので使用人に聞いてみると城門に向かったと聞いたので城門に向かう。そこには探している人がいた。

「探しましたよキルラさん」

キルラ。現王国軍の将軍の1人だ。既にワーキアとナミニクには声をかけていたのだが『国を守らなければならないので』と断られた。だが、キルラはなんとしても入れる。なにせあの美貌、そして身体つき、それと強さ。どれをもってしても俺のものになるのに相応しい。

そのためにまずは俺に惚れてもらう。そのためにはまず俺のパーティーに入ってもらわないとな。

「どうかされましたか?勇者様」
「キルラさん。勇者パーティーに入ってくれませんか?」
「勇者パーティーには既に入っていますよ?」

ん?どういうことだ?・・・まさか。俺が誘ってくれるとわかっていたのか。それなら。

「そうですか。なら早く行きましょう!!他のパーティーメンバーを待たせていますので」
「待たせたなキルラ」

オタク?なに気安く俺の女の名前を呼んでんだよ。

「遅いですよ。買い出しにどれだけ時間がかかるのですか」
「それはすまなかったな」
「早く行くぞ」
「へいへい」

キルラさんがオタクと一緒に歩き出す。っておい!!

「キルラさん。どういうことですか?キルラさんは俺のパーティーメンバーじゃないんですか?」

キルラさんの前に回ってそう聞いた。俺のパーティーメンバーなのにオタクと行くだなんておかしい。

「なんでって。・・・・そうなのか?」
「私はこちらの勇者様のパーティーに入った覚えはないのだが?」

え?

「先程勇者パーティーに入っているって言ってましたよね!!」
「入っているぞ?勇者パーティーには」
「だったら」
「何言ってるんだ?あんた。一応俺も『天命の勇者』なんだが?」
「は?何を言って」

そこで1つの可能性に至った。

そう言えば先程「パーティーメンバーを待たせている」って言っていた。

「ま、まさか。コイツのパーティーメンバーって」
「私だが?」

そ、そんなばかな。

「というより普通勇者パーティーって言われて自分だけだと思わないだろ。お前以外にあと3人いるんだから」
「義一。早く行くぞ」
「へいへい」

それを最後に2人とも旅立った。

その後、俺と先生はそれぞれ自分のパーティーを作り上げ、腕輪を貰うと旅に出た。








あのオタクも気にくわねぇ。
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これが世にいる負けフラグを増設する人です。

次回からは第2話 DEVIL’s TEARです。

話をザックリ端折るとヒュプノスの魔国と他の魔国との戦争です。

何故そうなるのかは第2話で。

ではまた2話でお会いしましょう。
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