異世界勇者になったが世界を救う義理はない

プロローグ

幕開け①

霧雨が翔也を殺して3日が経過した。

霧雨たちは魔王城で戦いの疲れを癒したり、次起こるかもしれない戦いに向けて訓練をしていたその頃。他の場所では動きがあった。

「や、やめてくれぇぇ！！」
「いやだ！！死にたくない！！」

血や死体で溢れる戦場。この戦争はまたしても人族から仕掛けられたものだ。

その人族の国はセフィロトに習って勇者召喚を行い、その勇者たちを魔王を討伐させるために魔国へと送った。その途中の村々にいた魔族たちを討伐して勢いと調子に乗った勇者たちは魔国へと足を踏み入れた。

それと同じ頃に勇者召喚を行った国はいまたった1人の魔族の手によって壊滅の危機に陥っていた。

「イヤッハー！！死ね死ね！！愚かな下等生物ども！！」
「クソ！！たとえ我らが死のうとも、勇者様方が貴様らを滅ぼしてくださる！！」
「ふーん。あ、そ。ま、死んどきな」

ダンッ！！

「スパイン将軍！！」
「ん？コイツまさか将軍だったのか？クカカ！！奇遇だな。俺も将軍だよ！！魔弾姫まだんき ギリアス。覚えておきな！！それがあんたらの国を滅ぼす魔族の名だよ！！」

そして魔族の女はまた引き金を引く。
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その翌日。ヒルドスに続いてまた１つ国が滅んだことが大陸中に広がった。

なお、魔国に侵攻したその国の勇者たちの死体が魔国近くの川岸で見つかった。

原型を保った死体は１つも存在しなかったという。
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「愚かにも我々を滅ぼそうとした者どもを駆除してきました」
「ギリアス。よくやった。八騎将の者たちもよくやった」

この者は魔王 イジュン。インキュバスである。

魔国はヒュプノスのところだけではない。広く知られているのがヒュプノスの魔国であるというだけで、その他にも魔国は存在するのだ。

「魔王様。先程から気になっていたのですが、その紙はなんでしょうか？」
「この紙か？フフフ。これは僕の花嫁になる名誉ある女の写真だよ。見るかい？」
「拝見いたします。・・・ん？この女。どこかで見たことがある気が」
「当たり前だよ。だってその娘







僕に無断で村を出て行った娘だもの」

その顔は探していたオモチャを見つけた子供の笑顔のようだった。