旺盛王子のお気に召すまま

優那

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癒し人

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「ミルド、カリム、よろしくね」
 第三王子のアルバート・ドノバンが旅の従者となる二人の騎士に声をかける。
 二人の事はよく知っている。優秀な騎士だ。
 「はい、お守り致します」
ミルド・レンツラ― 24歳 188cmの大男で、ライオンのような赤毛に茶色の瞳、武術・剣術ともに秀でている。心優しき男である。
 「はい」
カリム・ハンドラ― 21歳 183cmの強靭な体で、黒髪黒瞳の無口な男、勿論
ミルド同様、武術・剣術ともに凄腕である。

 「癒し人は、ケイト・ロマンディだ」
 王子は楽しそうに、その名を言う。
 「大丈夫なのでしょうか?18歳の少女だそうですね」
ミルドが心配そうな顔で尋ねる。
 「大丈夫だ、父の癒し人、サリム・ロマンディの娘だからな」
 「サリム様の・・・それなら大丈夫でしょう」
サリムは癒し人として優秀で、城勤めをしている。
 「カリムはどう思う?」
 王子が訪ねると無愛想な顔で、
 「力が使えるならそれでいい」
 王子とミルドは顔を見合わせて笑った。
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