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サタン@異世界編PART1
ヤバい噂のある教会へ船で向かう
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その後、店主は俺のサインを嬉しそうに受け取ると、「店に飾っておくよ!」と言って取り付けていた。
俺はあまりにダサすぎるサインに恥ずかしくなったが、もう見ないことにして歩き出した。
「兄ちゃん、嬢ちゃん!またな!」
店主は笑顔で手を振ってくる。
「おじさんー!またねー!」
カトリーナも手を振り返し、俺も片手を上げてお別れした。
「さて、どうするかな」
街のはずれまで歩きながら俺は思案していた。
ガリレオからピッピンプンスカ教会の依頼を受けてしまった以上、無視することはできない。
しかし、帝国へ向かってマルタの村長の息子から話を聞く必要もある。
そのどちらを先に行うか決める必要があった。
「なぁ、カトリーナ。帝国とピッピンプンスカ教会本部って、ここからだとどっちが近いんだ?」
「教えて欲しければ土下座しろよ」
「なんで!?」
「……ったく。教えてもらえるのが普通だと思うなよな。サタンって結婚したら家のどこに物があるとか一切わからないタイプでしょ」
「うるせーよ!酒とゲーム機とサイフの位置くらいわかります!」
「じゃあ、おくすり手帳とか、たこ焼き機の場所は?」
「…………」
「答えなよ」
「あーい、とぅいまてーーーん!!」
「ほらーやっぱり!!」
「うるせっつってんだよ!!たこ焼きなんかやらなきゃ良いんだよ!」
「典型的に奥さんに任せきりの"モラ夫"だな」
「いや、たこ焼き機の場所知らんだけでモラ夫は言い過ぎだろ!」
「とにかく、誰かに聞く前に調べろよな」
「調べるってどうやって?」
「ポーポー公爵に聞くんだよ」
「は?」
そう言うとポーポー公爵を持って、カトリーナが言った。
「ヘイ、ポーポー公爵。"明日の天気"は?」
するとポーポー公爵が喋り出した。
「明日は曇りでしょう。最低気温は25度、最高気温は38度でしょう」
「喋るんかい」
俺はポーポー公爵を見ながら呟いた。
「そう!ポーポー公爵は魔法技術を搭載したすごいフクロウなんだ!」
「ってか前から気になってたんだけど、なんなのこいつ。動画も撮れるし」
「スマートフクロウのポーポー公爵だよ。通称"スマポ"。動画や写真の撮影はもちろん、魔法ネットへのアクセスもできるし、天気とか株価まで教えてくれるんだ」
「生き物?」
「もちろん!フクロウだからね!だから、機種ごとに性格も違うんだ。あたしはこのポーポー公爵が気に入ってるから、古いフクロウなんだけど、ずっとアプデして一緒にいるんだ」
そう言ってカトリーナはポーポー公爵を抱きしめた。
そんなやり取りを横目で見ながら歩いていると、街の端にある大きな船着場に来た。
「さっきの答えだけど、近いのはピッピンプンスカ教会本部かな。いずれにしても教会も帝国も、とりあえずこの船でパニパニポンパン町に行って、そこから移動する感じになる」
「わかった。じゃあこの船に乗ろう」
そう言って俺は目の前に停泊する一般的なサイズの旅客船を指差した。
「よーし!じゃあ私が買ってくるね!」
そう言うとカトリーナはチケット売り場まで走って行った。
俺はあまりにダサすぎるサインに恥ずかしくなったが、もう見ないことにして歩き出した。
「兄ちゃん、嬢ちゃん!またな!」
店主は笑顔で手を振ってくる。
「おじさんー!またねー!」
カトリーナも手を振り返し、俺も片手を上げてお別れした。
「さて、どうするかな」
街のはずれまで歩きながら俺は思案していた。
ガリレオからピッピンプンスカ教会の依頼を受けてしまった以上、無視することはできない。
しかし、帝国へ向かってマルタの村長の息子から話を聞く必要もある。
そのどちらを先に行うか決める必要があった。
「なぁ、カトリーナ。帝国とピッピンプンスカ教会本部って、ここからだとどっちが近いんだ?」
「教えて欲しければ土下座しろよ」
「なんで!?」
「……ったく。教えてもらえるのが普通だと思うなよな。サタンって結婚したら家のどこに物があるとか一切わからないタイプでしょ」
「うるせーよ!酒とゲーム機とサイフの位置くらいわかります!」
「じゃあ、おくすり手帳とか、たこ焼き機の場所は?」
「…………」
「答えなよ」
「あーい、とぅいまてーーーん!!」
「ほらーやっぱり!!」
「うるせっつってんだよ!!たこ焼きなんかやらなきゃ良いんだよ!」
「典型的に奥さんに任せきりの"モラ夫"だな」
「いや、たこ焼き機の場所知らんだけでモラ夫は言い過ぎだろ!」
「とにかく、誰かに聞く前に調べろよな」
「調べるってどうやって?」
「ポーポー公爵に聞くんだよ」
「は?」
そう言うとポーポー公爵を持って、カトリーナが言った。
「ヘイ、ポーポー公爵。"明日の天気"は?」
するとポーポー公爵が喋り出した。
「明日は曇りでしょう。最低気温は25度、最高気温は38度でしょう」
「喋るんかい」
俺はポーポー公爵を見ながら呟いた。
「そう!ポーポー公爵は魔法技術を搭載したすごいフクロウなんだ!」
「ってか前から気になってたんだけど、なんなのこいつ。動画も撮れるし」
「スマートフクロウのポーポー公爵だよ。通称"スマポ"。動画や写真の撮影はもちろん、魔法ネットへのアクセスもできるし、天気とか株価まで教えてくれるんだ」
「生き物?」
「もちろん!フクロウだからね!だから、機種ごとに性格も違うんだ。あたしはこのポーポー公爵が気に入ってるから、古いフクロウなんだけど、ずっとアプデして一緒にいるんだ」
そう言ってカトリーナはポーポー公爵を抱きしめた。
そんなやり取りを横目で見ながら歩いていると、街の端にある大きな船着場に来た。
「さっきの答えだけど、近いのはピッピンプンスカ教会本部かな。いずれにしても教会も帝国も、とりあえずこの船でパニパニポンパン町に行って、そこから移動する感じになる」
「わかった。じゃあこの船に乗ろう」
そう言って俺は目の前に停泊する一般的なサイズの旅客船を指差した。
「よーし!じゃあ私が買ってくるね!」
そう言うとカトリーナはチケット売り場まで走って行った。
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