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サタン@異世界編PART1

超巨大カニモンスターを切り裂く吸血鬼の必殺技

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「おい。ここで待ってろ」

カトリーナを丘の上にゆっくり下ろす。

「サタン!ほ、ほんとに大丈夫なのか!?」

「ふん。巨大カニなんかにやられてたまるか。俺はもうカニを食う口になっちまってる。今夜は必ずカニしゃぶだ」

「お、おい!サタン!!」

俺はカトリーナの制止を振り切って翼で飛び上がった。

「サタン!ち、違うんだ!」

「OK!とりあえずまた後で聞く!」

まだ何か言っていたがとりあえず俺はカニに向き合う。

するとカニは何やら口から泡を出し、体を覆い始めた。

「なんだあれ……」

泡の範囲は半径1kmくらいになり、カニの体も見えなくなってしまった。

地上に降りて泡を触ってみると、ヌルヌルしているが、意外と硬く、巨大なビニールボールのような触感だった。

ただでさえ硬い甲羅なのに、こんな硬質性の泡を大量に出されちゃ、とてもじゃないが本体まで刃は届かない。



ーーー普通は。


「吸血鬼の始祖を舐めるなよ。カニ野郎」

俺は再び空中に飛び上がると吸血鬼の血を沸き立たせ、左腕にエネルギーを溜める。

何かを察したのか、カニが大木を跳ね上げて俺に投げつけてくる。

それを避けながら集中する。

「すぅぅぅぅ……」

深く呼吸しながらエネルギーを溜めると、腕から2メートルほど伸びていき、赤黒い剣のようなビジュアルになった。

「よし、最強!!」

俺は剣を大きく振りかぶると、大声で言った。

「終わりだ、カニ野郎!!食って余ったらカニ専門店に卸してやる!!」

「ブオオオオォォォォ!!!」

カニは泡をまとめて放射してくる。

「位置バレ乙!!!喰らえ……!!」

泡を吐き出す本体めがけて、俺は剣を振り下ろした。

「……カニ道●行き……確定ブレーーーーーーーーーーード!!!」

空間を切り裂き、巨大な刃状のエネルギーがカニの体に迫る。

パンパンパン!!という泡が弾ける音が響き、そして刃はカニの体に到達した。

「ぎゅおぉぉぉぉおおおお!!!」

ズズズッ!!と音がして、ギガントクラブは真ん中で真っ二つになる。

ーーーそして地面に沈んでいった。

「う、うぉおおおおーーー!!あいつマジでやりやがった!!」

カトリーナが歓喜の絶叫をする。

大地ごとごっそり切り裂いたため、カニの姿が見えなくなるほどの土煙が上がる。

「ヤベ、カニ味噌のこと考えてなかった」

俺は真ん中から真っ二つにしてしまったことを後悔したが、ギガントクラブの姿を思い出し、すぐに安堵した。

「ま、デカすぎてカニ味噌はうまくなさそうなタイプだな」

俺は着地するとカニの脚を取ろうと近づいていった。
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