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谷真守 編
桃花先輩と後輩の南ちゃんからの告白エピソード
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「おっし!次は私ね?私はやっぱテープとかで目を閉じられないようにして、目の下にムヒ塗るかな!」
次に罰を提案したのは、高校に入って2番目に告白してくれた桃花先輩だった。
桃花先輩とは1年の時に文化祭実行委員の活動を通じて知り合った。
右も左もわからなかったボクたちに、丁寧に教えてくれる先輩はとてもカッコ良かった。
だからボクは思ったことをそのまま言った。
「桃花先輩ってスタイルも良いし、可愛いし、何よりボク達にも一生懸命に教えてくれる姿が……とてもカッコよくて……その……好きです」
「な、な、な、なに言ってんのよ…」
その後先輩後輩として5回ほど遊びに行った後、校舎裏へ呼び出され、告白された。
「あ、あのさ、真守。わ、私、その、あんたのことが……。す、す、す、好き……になっちゃったかも?」
振り絞るような疑問系の告白だった。
でも、もちろん恋愛感情は無かったので断った。
「えっと、気持ちは嬉しいです。でも、先輩として好きなので。ごめんなさい」
その時の先輩は笑顔なのか悲しみなのかわからない表情で少し俯いたが、すぐに「だよねぇ~!冗談だって~!」と明るく返してくれた。
だからボクに恨みがあるなんてちっとも思わなかったが、そうして提案した罰も、明るくて笑いのセンスもある桃花先輩らしいものだった。
すると先輩の提案を聞いた半グレの一人が、扉から出ていった。
(ムヒを買いに行く気か……!)
「ムヒとか桃花先輩っぽいなぁ~(笑)オッケーでーす!そしたら南ちゃんはどうー?」
次に美穂が聞いた相手は1年生の南ちゃんだった。
「はい。私は思いっきり"しっぺ"したいです……。ペチンって……」
そう言って可愛い罰を提案する南ちゃんは、高校に入ってからボクに3番目に告白してくれた後輩の子だ。
サラサラの黒髪でお嬢様感が漂う清楚な雰囲気の子で、サッカー部のマネージャーをしている。
入学してすぐにサッカー部のマネージャーになり、部員へよ連絡のために、同じクラスのシゲに色々届けに来たりしていた。
「失礼します。茂森先輩いらっしゃいますか…?」
と澄んだ声で尋ねてくる彼女は、ボクたちのクラスでも「あの可愛い子は誰だ?」と話題になった。
そこで、シゲと話していたボクとも親しく話すようになり、色々な悩みなどを聞いたり、一緒にショッピングなどに行ったりする関係になった。
「好きな人がいるんです」
そう言う彼女からいつも恋愛相談を聞いていたが、その時のボクは南ちゃんはてっきりシゲのことが好きなんだと思っていた。
よくシゲの話をしていたし、ボクもシゲは好きだったから、お似合いのカップルになるだろうな、などと考えていた。
シゲも南ちゃんのことは気に入っていたので、自信の無い南ちゃんをいつも励ましていた。
「南ちゃんはすっごく可愛いよ。優しいし、何よりその人に合わせて気遣いができる」
「い、いえ。そんな……」
「こんなに魅力的な女の子ってそうそういないと思う。ボクだって南ちゃんのこと出会った時からずっと好きだよ」
「えっ…」
「南ちゃんに好きになってもらえてる人にちょっと嫉妬しちゃうよ。だから自信を持って。ボクが保証する。…ってボクなんかに保証されても意味ないか…(笑)」
そう笑うと南ちゃんは「そ、そんなことありません!」とボクの目を強い意志のこもった目で見つめてきた。
だからその数日後に告白された時はとても驚いた。
「ずっと好きでした。私と、お付き合いして、ください…」
真っ赤になった顔で俯きながら、ギュッと握った拳が印象的だった。
こちらにまで緊張が伝わってくる。
でも、恋愛感情は無かった。
「えっ?あっ、うん。ありがとう。でも、南ちゃんのことは妹みたいな感じだと思ってるんだよね。だから、恋人にはなれない」
すると南ちゃんは、一瞬固まった後、泣き出してしまった。
「うっ……。ぐすっ。でも、谷さん、前に…好きって言ってくれたと思って……」
「うん。だから、妹みたいな後輩として好きってことなんだよね」
「………。そうですよね……。困らせてしまってすみません……。忘れて下さい」
「うん。またいつでも相談乗るからね。可愛い妹なんだからね」
「……………………」
南ちゃんは終始腑に落ちていない様子だった。
次に罰を提案したのは、高校に入って2番目に告白してくれた桃花先輩だった。
桃花先輩とは1年の時に文化祭実行委員の活動を通じて知り合った。
右も左もわからなかったボクたちに、丁寧に教えてくれる先輩はとてもカッコ良かった。
だからボクは思ったことをそのまま言った。
「桃花先輩ってスタイルも良いし、可愛いし、何よりボク達にも一生懸命に教えてくれる姿が……とてもカッコよくて……その……好きです」
「な、な、な、なに言ってんのよ…」
その後先輩後輩として5回ほど遊びに行った後、校舎裏へ呼び出され、告白された。
「あ、あのさ、真守。わ、私、その、あんたのことが……。す、す、す、好き……になっちゃったかも?」
振り絞るような疑問系の告白だった。
でも、もちろん恋愛感情は無かったので断った。
「えっと、気持ちは嬉しいです。でも、先輩として好きなので。ごめんなさい」
その時の先輩は笑顔なのか悲しみなのかわからない表情で少し俯いたが、すぐに「だよねぇ~!冗談だって~!」と明るく返してくれた。
だからボクに恨みがあるなんてちっとも思わなかったが、そうして提案した罰も、明るくて笑いのセンスもある桃花先輩らしいものだった。
すると先輩の提案を聞いた半グレの一人が、扉から出ていった。
(ムヒを買いに行く気か……!)
「ムヒとか桃花先輩っぽいなぁ~(笑)オッケーでーす!そしたら南ちゃんはどうー?」
次に美穂が聞いた相手は1年生の南ちゃんだった。
「はい。私は思いっきり"しっぺ"したいです……。ペチンって……」
そう言って可愛い罰を提案する南ちゃんは、高校に入ってからボクに3番目に告白してくれた後輩の子だ。
サラサラの黒髪でお嬢様感が漂う清楚な雰囲気の子で、サッカー部のマネージャーをしている。
入学してすぐにサッカー部のマネージャーになり、部員へよ連絡のために、同じクラスのシゲに色々届けに来たりしていた。
「失礼します。茂森先輩いらっしゃいますか…?」
と澄んだ声で尋ねてくる彼女は、ボクたちのクラスでも「あの可愛い子は誰だ?」と話題になった。
そこで、シゲと話していたボクとも親しく話すようになり、色々な悩みなどを聞いたり、一緒にショッピングなどに行ったりする関係になった。
「好きな人がいるんです」
そう言う彼女からいつも恋愛相談を聞いていたが、その時のボクは南ちゃんはてっきりシゲのことが好きなんだと思っていた。
よくシゲの話をしていたし、ボクもシゲは好きだったから、お似合いのカップルになるだろうな、などと考えていた。
シゲも南ちゃんのことは気に入っていたので、自信の無い南ちゃんをいつも励ましていた。
「南ちゃんはすっごく可愛いよ。優しいし、何よりその人に合わせて気遣いができる」
「い、いえ。そんな……」
「こんなに魅力的な女の子ってそうそういないと思う。ボクだって南ちゃんのこと出会った時からずっと好きだよ」
「えっ…」
「南ちゃんに好きになってもらえてる人にちょっと嫉妬しちゃうよ。だから自信を持って。ボクが保証する。…ってボクなんかに保証されても意味ないか…(笑)」
そう笑うと南ちゃんは「そ、そんなことありません!」とボクの目を強い意志のこもった目で見つめてきた。
だからその数日後に告白された時はとても驚いた。
「ずっと好きでした。私と、お付き合いして、ください…」
真っ赤になった顔で俯きながら、ギュッと握った拳が印象的だった。
こちらにまで緊張が伝わってくる。
でも、恋愛感情は無かった。
「えっ?あっ、うん。ありがとう。でも、南ちゃんのことは妹みたいな感じだと思ってるんだよね。だから、恋人にはなれない」
すると南ちゃんは、一瞬固まった後、泣き出してしまった。
「うっ……。ぐすっ。でも、谷さん、前に…好きって言ってくれたと思って……」
「うん。だから、妹みたいな後輩として好きってことなんだよね」
「………。そうですよね……。困らせてしまってすみません……。忘れて下さい」
「うん。またいつでも相談乗るからね。可愛い妹なんだからね」
「……………………」
南ちゃんは終始腑に落ちていない様子だった。
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