インフィニート!!

桜木雨

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九話目!

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今日は初授業の日なのだが、僕は今めちゃくちゃ緊張している。
行ってきまーす!と寮を出たのはいいが、本当にやばい。
き、緊張が…最近緊張しかしてない気がするんだけど、こんなんでアイドルできるのかなってちょっと心配になってきた。
ちなみに今日は、月と千景は寮でお留守番だ。
入学式まだだし、寮に居るしかないらしい。
これが結構暇みたいで、こないだの台本も千景と月が昼間に作ったんだって。
今日は可愛いアイシングクッキーを作るんだと意気込んでいた。
二人とも手先は器用だし、料理もできるらしいので少し楽しみだ。
月のアイシングクッキーが本当に可愛く出来るのかは甚だ疑問だが、まあ千景もついてるので大丈夫だと思う。

そんなことを考えているうちに迫り来る学校…はぁ。
「あの。リーダー?流石に緊張しすぎなんじゃない?右手と右足一緒に出てるよ…?」
まじか。海斗、教えてくれてありがとう。君のおかげで醜態を晒さずに済んだよ。
「ダイジョウブ」
はっ。今度は声が!
「カタコトになってるけど、本当に大丈夫かよリーダー」
桜介、僕はもう駄目かもしれません。
「リーダー。緊張してるとこ悪いんだけどさ、もうすぐ学校着くよ…?」
と慶。僕はそんな事実知りたくなかったな…?
「ソ、ソウダネ」
「だめだこりゃ」
あ、諦められた!酷いよ、海斗くん!
これは本当にやばいと思いながら、心の中でここはステージ。ここは舞台。と繰り返す。まだ、学校よりかはステージの方がマシだと思う。多分。

「キャーーーーー!!!!!インフィニートよーーーー!!!!!」
待って。待って。なんで昇降口前が花道みたいになってるの?
で、なんでみんな慣れてるし。みたいな感じで手振っちゃったりしてるわけ??
聞いてないんだけど?!
「ほらリーダーも。手、振って?」
慶に耳元で囁かれる。
慶くん、その辺の人にこんなことしてないよね?
僕じゃなかったら、惚れてたよ?
なぁ、もうちょっと自分の顔と声を自覚しろ?
海斗に助けを求めてみるが、ウインクで返された。
これだから顔のいいやつは。
桜介は…大丈夫!と頷いてきた。
あのね、僕は大丈夫じゃないから助けを求めてるんですけど?!
諦めた僕はこの時、千景と月の作ったアイシングクッキーの味を想像しながら、満面の笑みを浮かべることに成功した。
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