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番外編「いざカフェへ!その2」
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オムライス美味しい。ナポリタンも美味しい。止まらないー。でも太るー。やばいー。そんな呑気なことを考えながらオムライスとナポリタンを頬張っていると、スマホを見ていた千景が突然大声を上げた。
「えぇぇぇ?!」
「どうかしたの?」
一応聞いてみる。千景が外でこんなに大きな声を出すってことはなんかあったんだろうけど。
「うん。どうかした。かぐらがシンフォニーに入るって」
「あのかぐらが?社長があんなに調べても見つからないって騒いでたのに?」
慶が一番聞きたかったことを聞いてくれる。
「見つけたらしいよ。やっと。それでさ、こっからが面白いんだって。かぐらって天川神楽だったんだって」
「はぁ?」
桜介、口が悪いよ。
でも、僕もびっくりした。
「あ、天川神楽って、脚本家の天川誠司の息子ですよね…確かヴァイオリニストのSENAと結婚した…」
と月。
「そう。確か葉澄に幼等部から通ってたはず。一時期神童とか呼ばれてたけど、途中から大会にも出なくなって…確かその頃からだったよねかぐらが活動始めたの」
と千景が情報を追加する。あい変わらず情報取集能力が高い。しかも、と千景が言葉を続ける。
「早乙女と優がグループ作るらしいって話あったじゃん。リーダー早乙女のままでかぐらが入るんだって」
マジか。なんかそんな話を社長から聞いた気がしなくもない。
「てか、もうネットでMV出たんだよね。今日やる生放送の音楽番組で…あ、俺たちも出るやつね。テレビ初登場だって。番組終了後すぐに初CDリリースで初ライブの抽選シリアルコードつきらしい」
「「「「「はぁぁぁああ?!」」」」」
今度は千景を除く全員の声が揃った。
ま、まじか…そりゃ話題性はあるだろうけど…
「と言うことは、社長僕たちに黙ってたってことだよね」
僕がそう言うと、みんながうんうんと頷く。
慶が遠い目をしながら、
「あの人そういうの大好きだからなぁ…」
と言った。確かに。
「と、取り敢えず、動画見ませんか…?」
と言う月の言葉に、
「そうだな」
と海斗が賛同する。
「じゃあ流すよー」
そう言って、千景が動画を流し出した。てか、どっからそのタブレット出て来たんだ。
でも、そんなことを考えていられたのは一瞬のことで、どんどん動画に引き込まれていく。
まず、一音目。そのたった一音に引き込まれていく。
かぐらが歌っている動画は今までネットには上がっていなかった。だからこんなに綺麗な声をしていたとは思ってもみなかったし、早乙女も優も歌上手くなってる。
MVでは、最後までどのメンバーの顔も出なかった。はっきり言って、ビジュアルで売っているアイドルが顔を隠すなんて前代未聞だ。
でも、顔が出ないからこそのミステリアスさ。
編集、撮影の技法。
音楽の雰囲気、歌い方に後輩の動画だからではなく、一視聴者として引き込まれてゆく。
たった、4分。されど、4分。
こんなにも有意義な4分間が今までにあっただろうか。
「すごい…」
そう呟いたのは誰だっただろうか。その言葉を皮切りに、次々に感想を述べていく。
ここがどうとか、あそこがよかったとか、歌詞の考察とかも始めてるし。ほんとに初見か?
そういえばさ、と桜介が言う。
「この曲書いたの誰?なんかこのリズムとか詩の感じどっかで見たんだよな」
「それ、思いました!」
月も賛同する。
「きっとうちの音楽担当達が言うんだから、そうなんじゃね?」
と海斗。
じゃあ、一緒にみようかと千景が言って、みんなでまた画面を覗く。
そこにはこう書かれていた。
作詞:氷室優、天川神楽(かぐら)
作曲:早乙女志恩、天川神楽(かぐら)
振り付け:天川神楽(かぐら)
動画編集・監督:早乙女志恩
「「「「「「はぁぁぁああ?!」」」」」」
今度は全員の声が揃った。
「いや、ある。確かに早乙女の曲も優の曲も聞いたことあるけどさ、全部メンバーじゃないかよ!てか、かぐらオールマイティーかよ。早乙女って動画とかできたんだ」
と僕が言うと、みんなすごい勢いで頷いている。その気持ちすごく分かるよ。
「桜介くん、曲作りましょう!」
と月。
「は?!俺は忙しいんだが?!」
「ロックかな。バラードもいいですね」
桜介の言葉を無視して月が言葉を続けていく。
「待て。俺の話を聞け」
そう言う、桜介も満更でもなさそうだ。久しぶりに一緒に作曲できることが嬉しいのだろう。
「俺たちイラストでやりますか?!俺書きますよ」
「僕、動画やる。なんならアニメーション動画の講座とるよ。だって僕、大学で映像系の勉強やってるし!」
千景と僕で盛り上がっていると、海斗からの制止が入る。
「やめとけ。これ以上予定詰めてどうすんだよ。体第一だ」
「全部アニメーションじゃなくて、一部ならアリかな?!」
「ナシだ」
「「ええぇ…」」
そんな僕たちのやりとりを見ながら、笑っていた慶の口が小さく動いた気がした。
「お帰りなさい。要さん」
今回はやっと、「僕が僕であるために僕は僕になった」のキャラクター達を出すことができました。春樹達のグループ結成が5年前であった理由もいつか明かすことができると思いますので、もうしばらくお付き合いください。
「えぇぇぇ?!」
「どうかしたの?」
一応聞いてみる。千景が外でこんなに大きな声を出すってことはなんかあったんだろうけど。
「うん。どうかした。かぐらがシンフォニーに入るって」
「あのかぐらが?社長があんなに調べても見つからないって騒いでたのに?」
慶が一番聞きたかったことを聞いてくれる。
「見つけたらしいよ。やっと。それでさ、こっからが面白いんだって。かぐらって天川神楽だったんだって」
「はぁ?」
桜介、口が悪いよ。
でも、僕もびっくりした。
「あ、天川神楽って、脚本家の天川誠司の息子ですよね…確かヴァイオリニストのSENAと結婚した…」
と月。
「そう。確か葉澄に幼等部から通ってたはず。一時期神童とか呼ばれてたけど、途中から大会にも出なくなって…確かその頃からだったよねかぐらが活動始めたの」
と千景が情報を追加する。あい変わらず情報取集能力が高い。しかも、と千景が言葉を続ける。
「早乙女と優がグループ作るらしいって話あったじゃん。リーダー早乙女のままでかぐらが入るんだって」
マジか。なんかそんな話を社長から聞いた気がしなくもない。
「てか、もうネットでMV出たんだよね。今日やる生放送の音楽番組で…あ、俺たちも出るやつね。テレビ初登場だって。番組終了後すぐに初CDリリースで初ライブの抽選シリアルコードつきらしい」
「「「「「はぁぁぁああ?!」」」」」
今度は千景を除く全員の声が揃った。
ま、まじか…そりゃ話題性はあるだろうけど…
「と言うことは、社長僕たちに黙ってたってことだよね」
僕がそう言うと、みんながうんうんと頷く。
慶が遠い目をしながら、
「あの人そういうの大好きだからなぁ…」
と言った。確かに。
「と、取り敢えず、動画見ませんか…?」
と言う月の言葉に、
「そうだな」
と海斗が賛同する。
「じゃあ流すよー」
そう言って、千景が動画を流し出した。てか、どっからそのタブレット出て来たんだ。
でも、そんなことを考えていられたのは一瞬のことで、どんどん動画に引き込まれていく。
まず、一音目。そのたった一音に引き込まれていく。
かぐらが歌っている動画は今までネットには上がっていなかった。だからこんなに綺麗な声をしていたとは思ってもみなかったし、早乙女も優も歌上手くなってる。
MVでは、最後までどのメンバーの顔も出なかった。はっきり言って、ビジュアルで売っているアイドルが顔を隠すなんて前代未聞だ。
でも、顔が出ないからこそのミステリアスさ。
編集、撮影の技法。
音楽の雰囲気、歌い方に後輩の動画だからではなく、一視聴者として引き込まれてゆく。
たった、4分。されど、4分。
こんなにも有意義な4分間が今までにあっただろうか。
「すごい…」
そう呟いたのは誰だっただろうか。その言葉を皮切りに、次々に感想を述べていく。
ここがどうとか、あそこがよかったとか、歌詞の考察とかも始めてるし。ほんとに初見か?
そういえばさ、と桜介が言う。
「この曲書いたの誰?なんかこのリズムとか詩の感じどっかで見たんだよな」
「それ、思いました!」
月も賛同する。
「きっとうちの音楽担当達が言うんだから、そうなんじゃね?」
と海斗。
じゃあ、一緒にみようかと千景が言って、みんなでまた画面を覗く。
そこにはこう書かれていた。
作詞:氷室優、天川神楽(かぐら)
作曲:早乙女志恩、天川神楽(かぐら)
振り付け:天川神楽(かぐら)
動画編集・監督:早乙女志恩
「「「「「「はぁぁぁああ?!」」」」」」
今度は全員の声が揃った。
「いや、ある。確かに早乙女の曲も優の曲も聞いたことあるけどさ、全部メンバーじゃないかよ!てか、かぐらオールマイティーかよ。早乙女って動画とかできたんだ」
と僕が言うと、みんなすごい勢いで頷いている。その気持ちすごく分かるよ。
「桜介くん、曲作りましょう!」
と月。
「は?!俺は忙しいんだが?!」
「ロックかな。バラードもいいですね」
桜介の言葉を無視して月が言葉を続けていく。
「待て。俺の話を聞け」
そう言う、桜介も満更でもなさそうだ。久しぶりに一緒に作曲できることが嬉しいのだろう。
「俺たちイラストでやりますか?!俺書きますよ」
「僕、動画やる。なんならアニメーション動画の講座とるよ。だって僕、大学で映像系の勉強やってるし!」
千景と僕で盛り上がっていると、海斗からの制止が入る。
「やめとけ。これ以上予定詰めてどうすんだよ。体第一だ」
「全部アニメーションじゃなくて、一部ならアリかな?!」
「ナシだ」
「「ええぇ…」」
そんな僕たちのやりとりを見ながら、笑っていた慶の口が小さく動いた気がした。
「お帰りなさい。要さん」
今回はやっと、「僕が僕であるために僕は僕になった」のキャラクター達を出すことができました。春樹達のグループ結成が5年前であった理由もいつか明かすことができると思いますので、もうしばらくお付き合いください。
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