インフィニート!!

桜木雨

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二話目!

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「あれー?もうみんな揃ってるの?早いねー。まだ時間じゃないよ?」
呑気な声をした人が入ってきた。
声の主はこのグループが所属する事務所であるシンフォニーの社長だ。
まだ時間ではないとはいえ、僕は一分前に全員揃っているのは普通なのではないかと思う。
そう思ったのは僕だけではなかったようで社長は後ろから入ってきた人に怒られている。
「社長、一分前に集まっているのは普通のことです。社長が時間前に来ることなんて滅多にありませんが。まあ、遅れることもないですけど」
「俺は遅れなければ良いと思ってるから」
「いや、私的にはもう少し早く来ていただけると、事前に打ち合わせができてうれしいのですが」
「それはしなくてもなんとかなるから。そんなことのために俺の貴重な睡眠時間を削る気はない」
「そうですか。分かりました。それについては、後日ゆっくりとお話ししましょうか。今はこのグループについて早急に決めねばならないことがありますから。
初めまして。私、久瀬くぜと申します。今後は社長秘書兼あなた方のグループ付きのマネージャーとなります。よろしくお願いいたします」
「社長をやっている。以上だ」
え?待って。色々待って。なんかもうツッコミどころ多すぎてツッコミが追いつかないのだが。結構みんな唖然としている。以上ってなに?どういうことなのそれ。
「あ、忘れてた。haruがリーダーである理由について語る気は毛頭ない。異論も受け付けない」
うそ。社長!?僕聞きたかったんだけど!ねぇ!てかなんでみんな頷いてるの?さも当然みたいな顔しないで!あ、忘れてたってなんだよ。社長可愛いかよ!
「取り敢えず、自己紹介しますか?一応初めてなんですよね?」
久瀬さん、ナイス!正しい。君だけが頼りだ。
「あ、それはさっき済ませたので大丈夫です」
慶ーーーー!おい何言っとんじゃ!何が自己紹介だよ。あれのどこに自己紹介要素があったんだよ!みんなが勝手に僕に名前を告げていっただけだろ。僕にもちょっとは喋らせろよ!あーーー!またみんな頷いてる…
「分かりました。ではまず、グループ名を決めましょうか」
わからない。僕にはわからないよ、久瀬さん!
「はいはい!インフィニートが良いと思います!」
海斗が元気な声で言う。ほんと元気。むしろ元気すぎる。
「あ、あの…それってどう言う意味なんですか?」
良いぞ。よく聞いた月。偉い。
「イタリア語で無限大という意味だ」
そう海斗が答えると、
「良いですね!」
次々とみんなが賛同していく中、僕は話の展開の速さについてゆけず、固まっていた。

「おーい。リーダー。リーダーはどう思う?なあ、haruさん?」
はい!なんでしょうか。あっリーダーって僕のことか。認識できてなかった。
「なんて?」
「聞いてなかったの?グループ名インフィニートで良い?って」
慶さんが教えてくれる。さすが最年長。しっかりしてる。
「うん良いと思うよ。意味もすごくいいと思う」
と答えると、
「それでは決定で」
久瀬さんがまとめてくれる。
「あとは、学校の話ですね」
え、学校ってどういうこと?
「単刀直入に言います。haruさんにはKei、Saku、mareの通う、私立葉澄はずみ高等学校に転校していただきます」
は?
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