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シルバーヘアーのメロディー

12話 淫靡なメロディー

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「あうっ…! ああっ…!!」

 それから毎夜の如く、淫靡なレッスンが始まった。
 実の娘の蕾を鍛え、艶やかな花にするための、父による淫らな性のレッスンが。
 ジェニファーは、その毎夜行われる淫らな世界に溺れ、徐々に蕾を花にしていく。私の目の前で。
 既に花芯は恐ろしく過敏になり、私の舌でなければ満足できない。

 そして、私も、どんどん堕ちていく。まっとうな父から、淫靡な父へ。

 かつてアネットが使用していたディルドは、毎日の淫靡なレッスンで、私の代わりの男性になった。
 初日では五センチが限界だったジェニファーは、今はもうすんなりと五センチは軽く入る。
 私が持つディルドによる手淫もだんだん巧みになっていった。
 様々なバリエーションを持たせ、そしてその感覚を娘に味わせる。実際に、私がアネットにして見せた腰使いを手で再現してみせた。
 少しずつディルドも彼女のラビアの奥を開拓していった。
 今ではもう八センチは軽く挿入出来てしまう。そして、彼女を少しずつ名器を持つ娘へと育てていった。そのレッスン中は、最初の頃こそ下半身のみを責めていたが、今では全身にわたる淫感のトレーニングになった。
 もはや中学生には見えないくらいに娘は妖艶な美しさとあどけなさを持ち合わせている女性になった。
 ふくらみも毎夜のレッスンで、すっかり敏感なふくらみになり、乳首を軽く舌で舐めただけで、彼女は蕾を濡らす。そして愛の蜜を滴らせる。そして娘は、私の舌を求めた。

 昔のきれいごとを言っていた私はもういない。

 当然のように、実の娘のラビアを舌で刺激して、その味に酔いしれる。まるでそれが麻薬のように感じる。理性の鎖が完全に壊れ、雄の本能が、私を支配する…。
 毎日のように娘にオーラルセックスを施す私の手は自然とラビアを開き、その神聖な場所の確認をしてしまう。鮮やかなピンク色のラビアは変わらない。これ程美しい花が目の前にあったなんて。
 そしてそこから溢れだす愛の蜜は、回数を重ねる度に実に甘く、そして扇情的な味になっていった。
 目の前に最高のビンテージワインがあった。どのワインにも負けない、恐ろしく美味しい媚薬のような愛の蜜を味わう…。

 そこはまさに背徳の快楽の世界。
 ここではもうジェニファーと私は、男と女だった。
 それもただの男と女ではなく、淫靡な情欲に溺れる淫らな性の男と女だった。

 ただし、ピアノの音まで卑猥にならないように、それだけは気をつけた。
 私も昼間は、そしてコンサートやオーケストラ公演中は、一応まともなピアニストだった。
 ピアノの音も卑猥な音にはなっていない。
 むしろ、夜の淫靡なレッスンを忘れる為に、公演中はひたすらピアノに向かった。
 昔より、激しい音が出せるようになったような気がする。
 優しい音はもっと優しく、そして激しい音は激しく、メリハリが効いてきたような気がする。
 それは、とても不思議な現象だった。

 私は本当に今は狂っている。狂気の世界の住人だ。

 だが、それを悟られないように、よりプロらしく振る舞うようになった。
 昔より激しい性格になったような気がした。
 自然とピアノの腕も上がる。今まで苦労していた曲でさえ、より美しく奏でられるようになった。

 だが…一人、ホテルの部屋へ戻ると…一気に後悔の念が噴き出す。
 正気を真似た狂気の底に…奈落みたいな場所に私がいた…。
 ピアニストとしての私。
 一人の娘の父親としての私。
 あまりにも落差が激し過ぎる。矛盾している心が、そこにあった。
 こんな時、アネットならどんな言葉をかけてくれるだろうか?
 彼女は天国で、今、どんな顔をして、私達を見つめているのだろうか?
 ホテルの部屋のベッドに倒れ込み、うつ伏せになって枕に顔をうずめる。
 これは仕事の疲れではない。毎夜の淫靡なレッスンによる疲れだ…。

「自分がこんなに淫らな…淫乱な人間なんて思ってなかった。何て私は醜い男だろう…! アネット…! 君に会いたい。でも、死んだらジェニファーは、この世で独りきりになってしまう…! そんな寂しい想いはさせたくない…! どうすればいいんだ? アネット…教えてくれ…!」

 やはり、涙が溢れてきた。

「教えてくれよ…アネット…!」

 仰向けになって、右腕で顔を覆い私は泣くしかなかったんだ…。
 こんなに淫乱な人間なんて思ってなかった。醜い男とは思ってなかった。
 どんどん心が蝕まれていく。深い闇に。
 ピアノを弾いていないと、真っ暗な闇に飲みこまれそうだ。
 私の心に光が入る時はあるのだろうか?
 光が欲しい。君という光が欲しい。
 道しるべとなる光が欲しい。
 この闇しか見えない名もなき道を、ジェニファーと私は歩いている。
 なら、せめてその道を照らす月光でもいい。静かな光でもいい。
 私達を導いてくれる光が欲しい。

 私にはまだ、かろうじて、堕淫には堕ちたくない心があるようだ。
 ひとしきり涙を流し終えた私は、そのままシャワーを浴びにバスルームへと向かう。
 涙の跡を残さないように、そのままシャワーを頭から浴びた。
 顔が濡れていく。そのままシャワーを浴びて、ただ壁に両手をついて、唇を噛み締めて、心を空虚にして瞳を閉じる私がいた…。
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