混沌の女神の騎士 

翔田美琴

文字の大きさ
上 下
16 / 49
第1章 女神の騎士と女神殺し

1-16 快楽という混沌

しおりを挟む
 レムがこれから助けを求める3人のエースパイロットの為の武器を見繕った後、白亜の城に戻った彼らは、その夜にまた激しく体を重ねた。
 今宵の混沌の女神の騎士は特段に淫らに彼女を求めた。
 口づけを交わす時も、彼はルーアの顔を固定して貪るように唾液を交歓して、菫色のような瞳は情欲に燃える──。
 彼らは今はバスタブの中で体を重ねていた。
 月夜が窓から見える部屋で、月明かりのみが照らす部屋の騎士は、乳白色の肌を女神と重ねて、まるで逃さないとばかりにバスタブに押し付けて、唇を貪る。
 余りの激しさに、息を上げるルーアをレムは菫色の瞳で見つめていた──。
 一体、彼はどうしたのか?
 こんなに求められるのは何故なのか?
 彼はその問に激しいキスと共に説明する。

「何故って? 理由なんかないさ──君の体を味わって一度だけで終わらせるなんて──できる訳ない」
「んはっ…はあっ…レム……口が涎まみれ……」
「もっと激しく貪ってくれ──君の瞳で見つめてくれ」

 そうすればジェニファーにも見せる事ができる。俺はこうして君をアネットと共に産んだんだよ──と。
 バスタブに入れた湯が程よく温くなる頃に、今度はルーアを自分自身に跨がせる。
 自分はバスタブに寄りかかり、腰回りに腕を絡めて、ルーアが自分自身の欲望に合わせて、腰を振り、求める姿を熱く見つめた──。
 彼もまた魅惑的な眼差しで、女神を煽り、ふくらみに顔を埋めて、乳首を責める。
 喘ぐルーアが、彼には娘が求めているように見えてしまっていた──。
 こんな事は地球でしたら即刻で刑務所に送られる所業。だけど、彼女は実の娘ではなくて、アルトカークスの女神。
 それがレムの心から罪悪感を吹き飛ばしていた。
 一度、死んだ身の上だ。なら、この人生では前の生ではできなかった事をやりたい。
 それが女性との本当の意味での本気のセックスだった。ただ、ただ、己の情欲に溺れる為に、いつの間にか定着していた紳士を一度、捨ててみたかった。
 仮面をつけたままのセックスなんて違う。
 本性を剥き出しにしてこそ、ルーアが受け入れたい自分自身だろう。
 だからこそ──捨ててみたかった。
 一度、枷を外した自分自身は何処まで淫らに彼女を求められるのか?
 ──答えはすぐに出た。
 ルーアは行為さえ始まれば俺と同じように溺れる女性だった。彼女の淫らな愛欲は俺が望んでいたもの──お互いに枷を外せるパートナーが欲しかったんだ。
 彼女の乱暴に髪の毛を乱してくれるのも、嬉しいんだよ──遠慮なく俺もルーアを汚す事ができる──。
 ルーアの叫声が部屋に響く。

「あん! あハァ! アウッ! 気持ちいい──気持ちいい──! あそこが壊れちゃいそうなのに……気持ちいいのが押し寄せてくる──」
「本当だね──君のその格好は最高だ」

 俺の顔をふくらみに埋めて腕を回して首を固定するなんて、君もなかなか罪な事を知っている──。親父さんがアンドリア女王にそれをしていたかもだね。
 絡みつく吐息と粘着質な音はまだまだ収まる気配もない。
 君の花びらが締まるたびに俺は煽られるばかりだ。お互いに好き物だった訳だね──。
 ルーアが身体の向きを変えて俺の胸板に背中を預けて座る。
 俺はその間も片方の手の指を使って花びらをいじり、激しい快楽をルーアに浴びせる。愛液が指に絡まる度に、俺の唇は彼女の唇を貪る。
 月明かりに照らされた乳輪に沿って親指を撫でる。尖る乳首を指で凹ませては、尖るを繰り返す度に、そこを舌で嬲りたい衝動に駆られる。
 もう俺達は髪から体から濡れに濡れて、愛液に塗れても同じだった。
 彼女がまた向かい合わせに座ると、淫らな彼女は俺の腹筋に花びらを擦り付ける始末だ。
 目の前には乳首があるから舌で嬲る。
 乳輪に沿って舌先で舐めながら、微妙に噛んで、尖る乳首に吸い付く。そこばかりを重点的に攻めているとルーアは両手で頭に触れて、自分の胸に俺を固定した。
 
「もしかして──好きかな? このプレイ」
「もっと、して。もっと激しく──」

 舌でそのまま舐めながら刺激を与えると、彼女は陶酔するように淫靡になっていく。たまに歯を立てるとかわいい叫びを上げて、手で揉みほぐすと妖艶に俺の息子を煽ってくれる──。
 君はそんな事を誰に教わったのかな──? 
 俺が笑顔をなって花びらへ当てると、頷いて

「来て──深く、来て」

 と結合を望んで。
 これ以上、体を重ねて、子供ができるかもよ──と警告しても、

「あなたの子供ならいいの。だから一緒に堕ちて──快楽に堕ちて──レム」
「──わかった。俺達はもう快楽という混沌に堕ちる運命(さだめ)なんだな」

 月明かりを照らす月は満月だった。
 とても柔らかい月光なのに──俺の心は快楽に飢える狼のように、彼女を求め続ける。
 何度も達した──彼女の花びらから俺の愛が溢れる程に。
 ベッドはもう、俺の愛でドロドロに汚れている──。
 
 こんな姿を実の娘に晒して、俺は何を考えているのか?
 ジェニファーを俺は抱きたかったのだろうか?
 実の娘をそれだけ愛したかったのか?
 過ぎる疑問がルーアの口づけで全て、溶かされて消えていく──。
 俺達は快楽という混沌に堕ちていく。
 花びらを唇で愛する夜が最高の悦びになる事に気付いた時には、もう虜になっていた証拠だったんだ──。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

謎の隕石

廣瀬純一
SF
隕石が発した光で男女の体が入れ替わる話

グラディア(旧作)

壱元
SF
ネオン光る近未来大都市。人々にとっての第一の娯楽は安全なる剣闘:グラディアであった。 恩人の仇を討つ為、そして自らの夢を求めて一人の貧しい少年は恩人の弓を携えてグラディアのリーグで成り上がっていく。少年の行き着く先は天国か地獄か、それとも… ※本作は連載終了しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

あやつりのキサキ サイドストーリー

和泉葉也
SF
インディーズゲーム「あやつりのキサキ」のweb掲載していた短編ストーリーになります。 ゲーム本編の前日譚を、主人公である浩介とヒロインのキサキの視点で2本掲載。 □ゲームの告知サイト  http://irupa-na.repadars.org/index.html

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...