1 / 49
第1章 女神の騎士と女神殺し
1-1 異世界からの騎士
しおりを挟む
とある真夜中の寝室。そこで私は彼に抱かれている。
彼は私を守る騎士。
──だけど。
抗えない"快楽"の嵐が私の体に襲いかかる。
後ろからは彼の甘く熱を帯びる声が聞こえる。
「レム。もうやめて。ハウっ、ああッ、気持ちいい──、気持ちいい──けど」
「やめて? 何がやめてかな? 君の体からこんなに愛が漏れているのにやめるなんて」
「だめっ…! だめっ! 気持ち良すぎて忘れなくなってしまうよぉ」
彼の繊細な指が私の乳首を弄る。
優しい指使いだが弱点を掴むように容赦なく私を快楽という拷問をかける人差し指と親指だった。
狂暴な下半身で私を快楽という混沌の海へ溺れさせる。全てが溶けてなくなるような無意識がたゆたう海、全てが産まれた場所というべき"混沌"。
私はその混沌の女神である女だった。
そして私に快楽という拷問にかけているこの男性は私を護る為に異世界から転生してきた騎士だった。
その異世界から転生してきた騎士はこの世界よりも遥かに文明が栄えた世界から転生してきた男性でその世界での彼は"運命のはじまり"の男性だった。
恐らくその男性が居なかったらその世界の運命は回らなかっただろう。
だが、その世界で彼は一度死んだ。
そしてこの世界に転生してきた。
私を守る"騎士"として、それが父なる神であるあの方の意思でもあった。
だけど彼は優しいが同時に淫らな騎士でもあった。
私がこの男性に肌を許してから私を快楽という混沌の海に溶かすように私を愛してくれている。
私自身が混沌の海を守る女神である故に彼と身体を重ねるこの行為は神聖なものだった。
だが──。
「やめて──」
「君の下の口はこんなに素直なのに、上の口は素直じゃない。やめて欲しくないのだろう? 私という快楽を知った君には私が必要なんだよ」
「ほら……君の下の口からはこんなにも君の愛が溢れている。私を捕らえて離さない。口では止めてと言うけど体は正直だね。私を欲しがって自分から求めているよ、私を」
私を容赦なく抱きながら言葉でも淫らな性格が滲み出ている。
私は自分の輪郭が溶けてなくなりそうな激しき快楽という混沌に支配される。
この人の甘い欲望には敵わない。
私を"快楽"という甘い欲望を彼は満たしてくれるから。
私を抱く彼の姿はこの世界でも、元の異世界でも珍しい外見の人だ。
生まれながら持っているという銀色の髪。菫色とも銀色にも見える瞳。
長身痩躯の銀髪の男性は男性としては細い腰を今、私の腰に重ねている。
声はまるで冬の吹雪のような低いバリトン。自信に溢れた独特の声。
後ろから責め立てられ抗えない快楽が私に押し寄せてくる。
ベッドのシーツはしっとりと私と彼の愛が滴り落ちている。
彼の理性的だけど熱を帯びる声が聞こえる。
「君は悪い女神様だね? 私を夢中にさせる女神だね? だけど私は構わないよ、君を護る為に、君を抱く為にこの世界に導かれたからね……」
「私達は離れられない男女なんだ。そうだろう? ルーア?」
ルーア。
これが私の名前。
混沌の女神ルーア姫と世間は呼んでいる。
この世界、アルトカークスの万物の源であり、根源となるチカラである混沌を制御する女神。
そして、私を抱いているこの人は異世界から転生してきた私を護る騎士。
混沌の女神の騎士、レム・レンブラント。
元いた世界では技術士官として戦争に参加していた男性。
この世界、アルトカークスは今、混沌のチカラが暴走して世界に暗い影を落としている。
私と彼はその混沌を制御する為に神が遣わせた混沌の女神とその騎士という二人。
彼は私を護る為にこの世界にきた元技術士官の騎士。
抑えられない快楽が、頭が真っ白になってしまうような快感が、全身を包んでいく……!
私は快楽の叫び声を上げて、彼と共に混沌に落ちていく……。
行為が落ち着くと最後、彼は私の唇を貪るようにキスをして、優しく抱き締めてくれた。
乱れた銀色の髪の毛が月夜に輝いて綺麗だった。
「私は君を護る為にこの世界に導かれたんだ。元いた世界で死んだ私に生きるチャンスをくれた君を──私は守る」
彼は微笑む。
そして私にこの世界に転生してきた時の事を教えてくれた。
今の彼の姿は乳白色の肌の上には漆黒の鎧が包んでいる。
あまりにも細い腰には左側にだけ黒い絹が水着のパラオみたいに揺れている。
長靴もインナーシャツも漆黒だ。
ただ紫がかった銀髪が目にも鮮やかに乱れて輝いていた。
腰には細かな装飾の剣が下げられている。
私と彼の冒険がこうして始まる。
新たな神話のはじまりの物語として。
混沌の女神である私と、混沌の女神の騎士である彼。
物質と混沌の均衡をもう一度整える為に、私達は旅を続ける。
その終着点はどこなのか?
私達はまだ知らない。
彼は私を守る騎士。
──だけど。
抗えない"快楽"の嵐が私の体に襲いかかる。
後ろからは彼の甘く熱を帯びる声が聞こえる。
「レム。もうやめて。ハウっ、ああッ、気持ちいい──、気持ちいい──けど」
「やめて? 何がやめてかな? 君の体からこんなに愛が漏れているのにやめるなんて」
「だめっ…! だめっ! 気持ち良すぎて忘れなくなってしまうよぉ」
彼の繊細な指が私の乳首を弄る。
優しい指使いだが弱点を掴むように容赦なく私を快楽という拷問をかける人差し指と親指だった。
狂暴な下半身で私を快楽という混沌の海へ溺れさせる。全てが溶けてなくなるような無意識がたゆたう海、全てが産まれた場所というべき"混沌"。
私はその混沌の女神である女だった。
そして私に快楽という拷問にかけているこの男性は私を護る為に異世界から転生してきた騎士だった。
その異世界から転生してきた騎士はこの世界よりも遥かに文明が栄えた世界から転生してきた男性でその世界での彼は"運命のはじまり"の男性だった。
恐らくその男性が居なかったらその世界の運命は回らなかっただろう。
だが、その世界で彼は一度死んだ。
そしてこの世界に転生してきた。
私を守る"騎士"として、それが父なる神であるあの方の意思でもあった。
だけど彼は優しいが同時に淫らな騎士でもあった。
私がこの男性に肌を許してから私を快楽という混沌の海に溶かすように私を愛してくれている。
私自身が混沌の海を守る女神である故に彼と身体を重ねるこの行為は神聖なものだった。
だが──。
「やめて──」
「君の下の口はこんなに素直なのに、上の口は素直じゃない。やめて欲しくないのだろう? 私という快楽を知った君には私が必要なんだよ」
「ほら……君の下の口からはこんなにも君の愛が溢れている。私を捕らえて離さない。口では止めてと言うけど体は正直だね。私を欲しがって自分から求めているよ、私を」
私を容赦なく抱きながら言葉でも淫らな性格が滲み出ている。
私は自分の輪郭が溶けてなくなりそうな激しき快楽という混沌に支配される。
この人の甘い欲望には敵わない。
私を"快楽"という甘い欲望を彼は満たしてくれるから。
私を抱く彼の姿はこの世界でも、元の異世界でも珍しい外見の人だ。
生まれながら持っているという銀色の髪。菫色とも銀色にも見える瞳。
長身痩躯の銀髪の男性は男性としては細い腰を今、私の腰に重ねている。
声はまるで冬の吹雪のような低いバリトン。自信に溢れた独特の声。
後ろから責め立てられ抗えない快楽が私に押し寄せてくる。
ベッドのシーツはしっとりと私と彼の愛が滴り落ちている。
彼の理性的だけど熱を帯びる声が聞こえる。
「君は悪い女神様だね? 私を夢中にさせる女神だね? だけど私は構わないよ、君を護る為に、君を抱く為にこの世界に導かれたからね……」
「私達は離れられない男女なんだ。そうだろう? ルーア?」
ルーア。
これが私の名前。
混沌の女神ルーア姫と世間は呼んでいる。
この世界、アルトカークスの万物の源であり、根源となるチカラである混沌を制御する女神。
そして、私を抱いているこの人は異世界から転生してきた私を護る騎士。
混沌の女神の騎士、レム・レンブラント。
元いた世界では技術士官として戦争に参加していた男性。
この世界、アルトカークスは今、混沌のチカラが暴走して世界に暗い影を落としている。
私と彼はその混沌を制御する為に神が遣わせた混沌の女神とその騎士という二人。
彼は私を護る為にこの世界にきた元技術士官の騎士。
抑えられない快楽が、頭が真っ白になってしまうような快感が、全身を包んでいく……!
私は快楽の叫び声を上げて、彼と共に混沌に落ちていく……。
行為が落ち着くと最後、彼は私の唇を貪るようにキスをして、優しく抱き締めてくれた。
乱れた銀色の髪の毛が月夜に輝いて綺麗だった。
「私は君を護る為にこの世界に導かれたんだ。元いた世界で死んだ私に生きるチャンスをくれた君を──私は守る」
彼は微笑む。
そして私にこの世界に転生してきた時の事を教えてくれた。
今の彼の姿は乳白色の肌の上には漆黒の鎧が包んでいる。
あまりにも細い腰には左側にだけ黒い絹が水着のパラオみたいに揺れている。
長靴もインナーシャツも漆黒だ。
ただ紫がかった銀髪が目にも鮮やかに乱れて輝いていた。
腰には細かな装飾の剣が下げられている。
私と彼の冒険がこうして始まる。
新たな神話のはじまりの物語として。
混沌の女神である私と、混沌の女神の騎士である彼。
物質と混沌の均衡をもう一度整える為に、私達は旅を続ける。
その終着点はどこなのか?
私達はまだ知らない。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説


隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

転生一九三六〜戦いたくない八人の若者たち〜
紫 和春
SF
二〇二〇年の現代から、一九三六年の世界に転生した八人の若者たち。彼らはスマートフォンでつながっている。
第二次世界大戦直前の緊張感が高まった世界で、彼ら彼女らはどのように歴史を改変していくのか。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる