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Epilogue 新たなる獅子王
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年が明け、一月中旬頃。
エリック皇帝陛下は、とあるメッセージを全国民へと木製の看板にて発表した。
そこにはこう書かれている。
『本日をもち私、エリック・パトリスは皇位継承を弟エリオットにして、正式に退位する。パトリス帝国の次期皇帝はエリオット・パトリスに決定する。本日午後より正式な式典にて皇位継承する』
「新しい皇帝陛下が誕生するのか!?」
「どんな人だろう!?」
「一般市民も参加していいらしいな! 観に行くぞ」
その日のパトリス帝国は浮き足立つ。
皇位継承の儀式の為に、双子のパトリス兄弟は儀礼用の服を纏い、特に皇帝となるエリオットは凝った造りの儀礼用の服なので支度に追われる。
通称、エンペラーコートと呼ばれる高貴な服を纏うエリオットは、今、宮殿の奥の教会にて洗礼を受けていた。
独特の銀色の瞳を閉じて、神父の前で跪く。灰銀色の髪の毛も教会の聖なる光を受けて美しく輝く。
本日は双子のパトリス兄弟の誕生日。
二人揃って節目の四十歳となる。
一方、宮殿でも儀礼用の甲冑姿になる近衛騎士団のライトニング兄弟や、儀礼用のローブ姿のアネットもいる。そして体調が戻ったエミールも正式なパトリス帝国の宮殿にてエリックのパートナーとして共にこれからの人生を歩む事になる。
エミールの表情は明るい。エリックもそうだ。かけがえないパートナーを見つけ、彼らは晴れ晴れとした気分だ。
儀式の支度に追われる大臣オグスと将軍グリンウッドは、兵士達に儀礼用の隊列を訓練させる。その他。儀式にて演奏する管弦楽団も編成され、ホールにて演奏練習に余念なし。
その空は透き通るような青藍の快晴。
太陽の光も彼らの旅立ちを讃えるように暖かに照らす。
午後十三時。
エリオット宰相、もといエリオット・パトリス皇帝の戴冠式が行われた。
エンペラーコートと皇帝の真紅のマントを風に翻させエリオットが堂々たる歩きで、儀式の間の真紅の絨毯の上をゆっくりとした歩きでエリックの下へ歩く。
エリックは傍らにエミールを従わせて。エミールも儀礼用の服を纏い、エリオットが皇帝へと即位する姿を目に焼き付ける。
儀式の間には元老院議官達もずっと待ち望んでいた本当の皇位継承者が即位する姿を満面の笑顔で見つめる。
その他にも一般市民達も新たなる獅子王の姿を焼き付けようとごった返す。
エリックの下に跪くエリオット。
灰銀色の髪と銀色の瞳の弟が、黒髪と黄金色の瞳の兄を見つめた。
そして二人は頷いて、新たなる獅子王に冠を継承する。
その瞬間。割れるような拍手と喝采と晴れ晴れとした管弦楽団の曲が流れる。
皇帝の冠を継承した新たなる獅子王は満面の笑顔で皆に手を振るった。
皇位継承を果たしたエリック・パトリスも満足感に浸り傍らのエミールに声をかける。
「本当に良かったのですか?」
「皇帝のことか? エリオットに任せれば安心して離れられるよ」
「では無くて、その顔の痣……」
「『浄化の泉』か? それもこれからのあいつには必要だから俺は要らない。俺はエミールが傍にいてくれるのが嬉しいから、後は大丈夫だよ」
「エリック陛下」
「もう、陛下じゃないよ。これからはエリックと呼んでくれ」
「エリック」
「なんだ?」
「俺、ここに来て良かった。あの泉で会った人がやっぱりエリックだったから。あの時から縁があったんだね」
「そうみたいだな」
何やらエリオット陛下はサプライズギフトを用意しているらしい。
すると、宮廷魔導師アネットを呼び出す。
即位早々、何をするつもりなのか? という観衆の前でエリオットはアネットに結婚のプロポーズをした。
「アネット。皇帝からたってのお願いだ。私の妃になってくれないか?」
「おお~っ!」
「いきなり見せてくれるね! 今度の陛下は」
「羨ましいなあ……あんなドラマチックなプロポーズ」
ざわめく観衆を前にアネットが頬を赤くして慌てる様子で珍しく戸惑う。
「こ、こんな時にプロポーズなんて卑怯よ! 陛下」
「そうかな~? こんなに堂々とした場所だから卑怯ではないと思うなあ」
「受けろー! アネット! ずっとエリオットと一緒になりたかったんだろ?!」
「オグス大臣! ノリで決めないでください!」
観衆は爆笑だ。こんな愉快な人達が、俺達の国を守る人達なのか。俺達と大して変わらない人達なんだな。
思わず観衆も拍手喝采でその場で応えた。
ここで陛下が妃を娶れば、跡継ぎ問題すら簡単に解決してしまう。元老院議官としてとこれ以上に嬉しい事はない。
既に祝福モードの皆にアネットは想った。
叶わないと想った恋が叶う時がきてくれた事を。これからの人生もエリオットと共に過ごせる嬉しさを。
彼女は涙を流す。
これは嬉し涙なの──。
感動の涙なの──。
アネットは涙を指で拭きながら答えた。
「はい。わかりました」
また、観衆が湧いた。
今日はパトリス帝国の祝祭日だ。
朝から晩まで飲み倒すぞ。
そんな声が聴こえるなか、エリックとエミールは背中を向けて二人の部屋へ戻る。
こうして、双子の王はそれぞれの人生を歩み出した。
一人は最愛のパートナーと共に。
一人は歴史に名を連ねる偉大な皇帝として。
その夜。
パトリス帝国の新たなる獅子王戴冠式の夜は賑わいを見せて国を揚げての祝祭日になった。夜の酒場でもこの日ばかりは過酷な労働に来ている者達も財布の紐を緩めて祝杯をする。
賑やかこの上ない酒場では楽器をかき鳴らされ祖国の民謡を歌い、時代の文化を彩る。
宮殿でも管弦楽団による優雅な演奏に合わせ舞踊する男女達。その舞踏会の中心には新たなる皇帝が妃となる女性と舞を披露する。
美しいドレスに身を包み華麗に舞うアネット。皇帝に即位したエリオットも華麗なるタキシードを纏い灰銀色の短髪を夜の舞踏会に煌めかせ。
そうして静かな宵になる。
今宵の月夜は優しい光を当てる。
晴れて結婚相手が決まった2人。
双子の兄弟も今宵だけは、その身を愛へ溺れさせる。
一人は美しい少年と。
一人はかねてより交際していた宮廷魔導師と。
「エリック…ッ!」
「ンッ…ンンッ──エミール」
激しいキスに溺れる二人。
二人きりの寝室には何もお香など焚いていない。だが、その興奮は収まる事を知らないで二人して、全裸でベッドにて絡まる。
エリックの大地のような胸に、華奢な手指が絡まり、二人は熱い口づけに溺れ。
そしてエミールの男性の花びらにエリックの熱く滾るそれが入る。
巧みに腰を揺さぶるエリックの黒髪は艶やかに動き、世にも気高き黄金色の瞳はエミールを熱く見つめる。
喘ぐエミールは、やはり女性よりも男性との営みが好きに感じる。
エリックの逞しい腕がエミールの身体に絡まり、エミールのそこを優しく握る。
「アハッ…! アウッ…! エリック」
「勃起しているぞ──エミール。苦しいか?」
「アウッ…あハァ…気持ちいいっ──」
エリックの手がエミールのそこを優しくいじり、彼の愛がねっとりと出された。
エミールは天井に顔を向けて喘ぐ。
瞳は閉じて、細身の身体をよつん這いにして、エリックのを咥える。
その声は喜びに満ちていた。
エリックも、全身に感じる、快楽の嵐に次第にのみ込まれる。
そうして二人きりの夜は更けてゆく。
そして、もう一人の双子も宰相として使った部屋にて、月夜に照らされ、今や本物の妻として娶った彼女と、熱い夜を過ごす。
激しいキスに溺れ、キングサイズのベッドでエリオットに抱かれるアネット。
彼の細身の身体には汗が滲み、彼女の繊細な手のひらがうっとりするように背中を触る。
エリオットもこの夜だけは、理性的な面を捨てて、腰に宿る獣を彼女の花びらへ深く入れて、喘ぐ。
彼女の脚はもうエリオットの腰に回り、逃さないように深く、もっと深く招待する。
彼らも喜びの声を震わせ、そして汗だくになり言葉を交わす。
「ハアっ…ハアっ…エリオット……今夜のあなた……激しい……!」
「我慢できないんだよ……これからずっと君と過ごせるのはわかるけど……ウッ」
「もう──コソコソしないで──いいのよね? 私達……」
「俺達は夫婦だよ──アネット」
「待っていた。待っていたの…! この日を。あなたが情熱的に求めてくれるのを…!」
エリオットが巧みに自由自在に快楽を操る。彼女はそれに対して快美に応える。
アネットの青く澄んだ瞳は涙に溢れている。
エリオットは指で涙を拭うと激しい口づけを交わす。
灰銀色の髪の毛は今は月光に照らされて妖しいまでの美しさを誇る。
彼らはお互いに今まで言えなかった言葉を、絶頂と共に言い合った。
「アネット! 愛している……」
「私も! エリオット、愛している…!」
かつて、この帝国には双子の獅子王がいた。
彼らは、黄金色と銀色の瞳を持つ兄弟だった。
新たなる時代が来て、双子はそれぞれの道を歩んだ。
激動する時代が流れ、いつしかパトリス帝国は大きな流れの中に消えて、双子の獅子王の存在すらも忘れられる。
だが。
私は忘れる事はないだろう。
これはとある双子の王と夜伽が紡いだ情愛の物語である。
記録者 歴史学者 ルイン・パトリス
The END
エリック皇帝陛下は、とあるメッセージを全国民へと木製の看板にて発表した。
そこにはこう書かれている。
『本日をもち私、エリック・パトリスは皇位継承を弟エリオットにして、正式に退位する。パトリス帝国の次期皇帝はエリオット・パトリスに決定する。本日午後より正式な式典にて皇位継承する』
「新しい皇帝陛下が誕生するのか!?」
「どんな人だろう!?」
「一般市民も参加していいらしいな! 観に行くぞ」
その日のパトリス帝国は浮き足立つ。
皇位継承の儀式の為に、双子のパトリス兄弟は儀礼用の服を纏い、特に皇帝となるエリオットは凝った造りの儀礼用の服なので支度に追われる。
通称、エンペラーコートと呼ばれる高貴な服を纏うエリオットは、今、宮殿の奥の教会にて洗礼を受けていた。
独特の銀色の瞳を閉じて、神父の前で跪く。灰銀色の髪の毛も教会の聖なる光を受けて美しく輝く。
本日は双子のパトリス兄弟の誕生日。
二人揃って節目の四十歳となる。
一方、宮殿でも儀礼用の甲冑姿になる近衛騎士団のライトニング兄弟や、儀礼用のローブ姿のアネットもいる。そして体調が戻ったエミールも正式なパトリス帝国の宮殿にてエリックのパートナーとして共にこれからの人生を歩む事になる。
エミールの表情は明るい。エリックもそうだ。かけがえないパートナーを見つけ、彼らは晴れ晴れとした気分だ。
儀式の支度に追われる大臣オグスと将軍グリンウッドは、兵士達に儀礼用の隊列を訓練させる。その他。儀式にて演奏する管弦楽団も編成され、ホールにて演奏練習に余念なし。
その空は透き通るような青藍の快晴。
太陽の光も彼らの旅立ちを讃えるように暖かに照らす。
午後十三時。
エリオット宰相、もといエリオット・パトリス皇帝の戴冠式が行われた。
エンペラーコートと皇帝の真紅のマントを風に翻させエリオットが堂々たる歩きで、儀式の間の真紅の絨毯の上をゆっくりとした歩きでエリックの下へ歩く。
エリックは傍らにエミールを従わせて。エミールも儀礼用の服を纏い、エリオットが皇帝へと即位する姿を目に焼き付ける。
儀式の間には元老院議官達もずっと待ち望んでいた本当の皇位継承者が即位する姿を満面の笑顔で見つめる。
その他にも一般市民達も新たなる獅子王の姿を焼き付けようとごった返す。
エリックの下に跪くエリオット。
灰銀色の髪と銀色の瞳の弟が、黒髪と黄金色の瞳の兄を見つめた。
そして二人は頷いて、新たなる獅子王に冠を継承する。
その瞬間。割れるような拍手と喝采と晴れ晴れとした管弦楽団の曲が流れる。
皇帝の冠を継承した新たなる獅子王は満面の笑顔で皆に手を振るった。
皇位継承を果たしたエリック・パトリスも満足感に浸り傍らのエミールに声をかける。
「本当に良かったのですか?」
「皇帝のことか? エリオットに任せれば安心して離れられるよ」
「では無くて、その顔の痣……」
「『浄化の泉』か? それもこれからのあいつには必要だから俺は要らない。俺はエミールが傍にいてくれるのが嬉しいから、後は大丈夫だよ」
「エリック陛下」
「もう、陛下じゃないよ。これからはエリックと呼んでくれ」
「エリック」
「なんだ?」
「俺、ここに来て良かった。あの泉で会った人がやっぱりエリックだったから。あの時から縁があったんだね」
「そうみたいだな」
何やらエリオット陛下はサプライズギフトを用意しているらしい。
すると、宮廷魔導師アネットを呼び出す。
即位早々、何をするつもりなのか? という観衆の前でエリオットはアネットに結婚のプロポーズをした。
「アネット。皇帝からたってのお願いだ。私の妃になってくれないか?」
「おお~っ!」
「いきなり見せてくれるね! 今度の陛下は」
「羨ましいなあ……あんなドラマチックなプロポーズ」
ざわめく観衆を前にアネットが頬を赤くして慌てる様子で珍しく戸惑う。
「こ、こんな時にプロポーズなんて卑怯よ! 陛下」
「そうかな~? こんなに堂々とした場所だから卑怯ではないと思うなあ」
「受けろー! アネット! ずっとエリオットと一緒になりたかったんだろ?!」
「オグス大臣! ノリで決めないでください!」
観衆は爆笑だ。こんな愉快な人達が、俺達の国を守る人達なのか。俺達と大して変わらない人達なんだな。
思わず観衆も拍手喝采でその場で応えた。
ここで陛下が妃を娶れば、跡継ぎ問題すら簡単に解決してしまう。元老院議官としてとこれ以上に嬉しい事はない。
既に祝福モードの皆にアネットは想った。
叶わないと想った恋が叶う時がきてくれた事を。これからの人生もエリオットと共に過ごせる嬉しさを。
彼女は涙を流す。
これは嬉し涙なの──。
感動の涙なの──。
アネットは涙を指で拭きながら答えた。
「はい。わかりました」
また、観衆が湧いた。
今日はパトリス帝国の祝祭日だ。
朝から晩まで飲み倒すぞ。
そんな声が聴こえるなか、エリックとエミールは背中を向けて二人の部屋へ戻る。
こうして、双子の王はそれぞれの人生を歩み出した。
一人は最愛のパートナーと共に。
一人は歴史に名を連ねる偉大な皇帝として。
その夜。
パトリス帝国の新たなる獅子王戴冠式の夜は賑わいを見せて国を揚げての祝祭日になった。夜の酒場でもこの日ばかりは過酷な労働に来ている者達も財布の紐を緩めて祝杯をする。
賑やかこの上ない酒場では楽器をかき鳴らされ祖国の民謡を歌い、時代の文化を彩る。
宮殿でも管弦楽団による優雅な演奏に合わせ舞踊する男女達。その舞踏会の中心には新たなる皇帝が妃となる女性と舞を披露する。
美しいドレスに身を包み華麗に舞うアネット。皇帝に即位したエリオットも華麗なるタキシードを纏い灰銀色の短髪を夜の舞踏会に煌めかせ。
そうして静かな宵になる。
今宵の月夜は優しい光を当てる。
晴れて結婚相手が決まった2人。
双子の兄弟も今宵だけは、その身を愛へ溺れさせる。
一人は美しい少年と。
一人はかねてより交際していた宮廷魔導師と。
「エリック…ッ!」
「ンッ…ンンッ──エミール」
激しいキスに溺れる二人。
二人きりの寝室には何もお香など焚いていない。だが、その興奮は収まる事を知らないで二人して、全裸でベッドにて絡まる。
エリックの大地のような胸に、華奢な手指が絡まり、二人は熱い口づけに溺れ。
そしてエミールの男性の花びらにエリックの熱く滾るそれが入る。
巧みに腰を揺さぶるエリックの黒髪は艶やかに動き、世にも気高き黄金色の瞳はエミールを熱く見つめる。
喘ぐエミールは、やはり女性よりも男性との営みが好きに感じる。
エリックの逞しい腕がエミールの身体に絡まり、エミールのそこを優しく握る。
「アハッ…! アウッ…! エリック」
「勃起しているぞ──エミール。苦しいか?」
「アウッ…あハァ…気持ちいいっ──」
エリックの手がエミールのそこを優しくいじり、彼の愛がねっとりと出された。
エミールは天井に顔を向けて喘ぐ。
瞳は閉じて、細身の身体をよつん這いにして、エリックのを咥える。
その声は喜びに満ちていた。
エリックも、全身に感じる、快楽の嵐に次第にのみ込まれる。
そうして二人きりの夜は更けてゆく。
そして、もう一人の双子も宰相として使った部屋にて、月夜に照らされ、今や本物の妻として娶った彼女と、熱い夜を過ごす。
激しいキスに溺れ、キングサイズのベッドでエリオットに抱かれるアネット。
彼の細身の身体には汗が滲み、彼女の繊細な手のひらがうっとりするように背中を触る。
エリオットもこの夜だけは、理性的な面を捨てて、腰に宿る獣を彼女の花びらへ深く入れて、喘ぐ。
彼女の脚はもうエリオットの腰に回り、逃さないように深く、もっと深く招待する。
彼らも喜びの声を震わせ、そして汗だくになり言葉を交わす。
「ハアっ…ハアっ…エリオット……今夜のあなた……激しい……!」
「我慢できないんだよ……これからずっと君と過ごせるのはわかるけど……ウッ」
「もう──コソコソしないで──いいのよね? 私達……」
「俺達は夫婦だよ──アネット」
「待っていた。待っていたの…! この日を。あなたが情熱的に求めてくれるのを…!」
エリオットが巧みに自由自在に快楽を操る。彼女はそれに対して快美に応える。
アネットの青く澄んだ瞳は涙に溢れている。
エリオットは指で涙を拭うと激しい口づけを交わす。
灰銀色の髪の毛は今は月光に照らされて妖しいまでの美しさを誇る。
彼らはお互いに今まで言えなかった言葉を、絶頂と共に言い合った。
「アネット! 愛している……」
「私も! エリオット、愛している…!」
かつて、この帝国には双子の獅子王がいた。
彼らは、黄金色と銀色の瞳を持つ兄弟だった。
新たなる時代が来て、双子はそれぞれの道を歩んだ。
激動する時代が流れ、いつしかパトリス帝国は大きな流れの中に消えて、双子の獅子王の存在すらも忘れられる。
だが。
私は忘れる事はないだろう。
これはとある双子の王と夜伽が紡いだ情愛の物語である。
記録者 歴史学者 ルイン・パトリス
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