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9話 動き出す者たち
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今宵もエリックの夜伽をするエミール。
今夜のエリックはかなり激しく責めているつもりだが、エミールはなかなか辛抱強く、その責めを受けていた。
「はあっ…はあっ…あうっ…エリック陛下」
「ほう…エミール? どうやらエリオットのスペシャルハードコースの効果はあったようだな…。今夜はかなり攻めているが、絶頂に昇らないところを見ると…」
「お、俺…エリオットさんの夜のスペシャルハードコースを受けたんです…! 陛下の双子の弟の人って何でも知っているのですね…はあっ…ああっ…」
「大帝国パトリスで一番の物識りだからな。それに、あいつは男もイケるが女もイケる両刀使いだよ」
「陛下のここから蜜が漏れています……舐めてあげますね…」
「あっ…エミール」
エリック皇帝が悩ましい喘ぎ声を上げた。
エミールとの夜を過ごす時、彼はバスローブ姿でこの夜を過ごす。
エミールはエリック皇帝を深く咥え込み、舌を絡めて愛する。エリック皇帝はバスローブを乱して、既に片方から開けてしまった。
黒髪の長髪が月夜に輝き、乱れている。顔も心地よい快楽を味わい、蕩けた顔をしていた。
「エミール…! そろそろ…イキそうだ…!」
「いっぱい…出して…っ、陛下」
「ううっ…あうっ…ああっ…!」
エリック皇帝は少し喘ぐとエミールの口に己の愛を注いだ。
脱力感が直後に襲ってくる。
まだ感覚ではエミールは口に咥えている様子だ。そして離れる感覚がした。
エリック皇帝は慌てて近くの布巾でエミールの口に当てる。
「無理矢理飲み込む必要はないからな」
「いかがでしたか…? 陛下…?」
「気持ち良かったよ。夜伽として役目を果たした。凄いな」
エリック皇帝は自分の大きな胸に抱かせ、ねぎらう。エミールはそこで聞いてみたい事があったので聞いた。
「何故、陛下はご世継ぎを作ろうとはしないのですか?」
「確かに今は平和と言える時代になった。世継ぎを授けるのも今のうちかも知れん。だが…感じるのだ…。ここ数日間に誰かがこの大帝国パトリスを襲いに来る、と」
「戦争になると…言うのですか…?」
「ただの胸騒ぎで済めば越した事ではない。だが──感じる。この夜の裏で誰かが動いているのを」
エミールにはただ温かい皇帝の温もりを感じる事しか出来なかった。
月夜が浮かぶ深夜。
大帝国パトリスの都市の外で、何処かの国の諜報員が闇夜の中で話し合いをする光景がある。
彼らは大帝国パトリスを攻め落とさんと、偵察をしに来たもの達だ。
暗闇に溶ける黒装束の者達が報告する。
「調査は進んでいるか?」
「ここ数日間に動いた兵は僅か百五十余り。残りの戦力は首都の守りをしている様子です」
「エリック・パトリスめ、気配を感じたか?」
「だが、今回の作戦は首都攻略ではない。あの名高い『浄化の泉』の近くに住んでいたという絶世の美少年を確保する事だ。そして、伝説が本当なのかどうか確かめる。彼にはついでに我が女帝の夜伽もして貰おう」
「首都攻略ではないにしろ、奴らの首都を狙うのだ。気取られたらお終いだ。少しでも気配を殺せ」
「ハッ」
彼らは大帝国パトリスと双璧を成す国家、帝国アトランティカだ。遠い噂では、海に沈む前のアトランティスの元となった帝国という話も聞かれる。
彼らの帝国は金属加工技術が目をみはるものがあり、最強の硬さを持つ金属、オリハルコンの製造に成功したのではという噂も聞かれる。
故に全身鎧を纏う騎士団は大帝国パトリスでも恐れられている。
そして、アトランティカを治める皇帝は女皇帝なのである。
女皇帝は美しいものがこの上なく好きで、美に固執する女帝でもある。
己の身辺に置くのも美しい美少年ばかり。夜も美少年ばかりと交わる。
そして、このアトランティカ帝国による首都襲撃で、大帝国パトリスも戦乱の時代へと突入する事になる。
今夜のエリックはかなり激しく責めているつもりだが、エミールはなかなか辛抱強く、その責めを受けていた。
「はあっ…はあっ…あうっ…エリック陛下」
「ほう…エミール? どうやらエリオットのスペシャルハードコースの効果はあったようだな…。今夜はかなり攻めているが、絶頂に昇らないところを見ると…」
「お、俺…エリオットさんの夜のスペシャルハードコースを受けたんです…! 陛下の双子の弟の人って何でも知っているのですね…はあっ…ああっ…」
「大帝国パトリスで一番の物識りだからな。それに、あいつは男もイケるが女もイケる両刀使いだよ」
「陛下のここから蜜が漏れています……舐めてあげますね…」
「あっ…エミール」
エリック皇帝が悩ましい喘ぎ声を上げた。
エミールとの夜を過ごす時、彼はバスローブ姿でこの夜を過ごす。
エミールはエリック皇帝を深く咥え込み、舌を絡めて愛する。エリック皇帝はバスローブを乱して、既に片方から開けてしまった。
黒髪の長髪が月夜に輝き、乱れている。顔も心地よい快楽を味わい、蕩けた顔をしていた。
「エミール…! そろそろ…イキそうだ…!」
「いっぱい…出して…っ、陛下」
「ううっ…あうっ…ああっ…!」
エリック皇帝は少し喘ぐとエミールの口に己の愛を注いだ。
脱力感が直後に襲ってくる。
まだ感覚ではエミールは口に咥えている様子だ。そして離れる感覚がした。
エリック皇帝は慌てて近くの布巾でエミールの口に当てる。
「無理矢理飲み込む必要はないからな」
「いかがでしたか…? 陛下…?」
「気持ち良かったよ。夜伽として役目を果たした。凄いな」
エリック皇帝は自分の大きな胸に抱かせ、ねぎらう。エミールはそこで聞いてみたい事があったので聞いた。
「何故、陛下はご世継ぎを作ろうとはしないのですか?」
「確かに今は平和と言える時代になった。世継ぎを授けるのも今のうちかも知れん。だが…感じるのだ…。ここ数日間に誰かがこの大帝国パトリスを襲いに来る、と」
「戦争になると…言うのですか…?」
「ただの胸騒ぎで済めば越した事ではない。だが──感じる。この夜の裏で誰かが動いているのを」
エミールにはただ温かい皇帝の温もりを感じる事しか出来なかった。
月夜が浮かぶ深夜。
大帝国パトリスの都市の外で、何処かの国の諜報員が闇夜の中で話し合いをする光景がある。
彼らは大帝国パトリスを攻め落とさんと、偵察をしに来たもの達だ。
暗闇に溶ける黒装束の者達が報告する。
「調査は進んでいるか?」
「ここ数日間に動いた兵は僅か百五十余り。残りの戦力は首都の守りをしている様子です」
「エリック・パトリスめ、気配を感じたか?」
「だが、今回の作戦は首都攻略ではない。あの名高い『浄化の泉』の近くに住んでいたという絶世の美少年を確保する事だ。そして、伝説が本当なのかどうか確かめる。彼にはついでに我が女帝の夜伽もして貰おう」
「首都攻略ではないにしろ、奴らの首都を狙うのだ。気取られたらお終いだ。少しでも気配を殺せ」
「ハッ」
彼らは大帝国パトリスと双璧を成す国家、帝国アトランティカだ。遠い噂では、海に沈む前のアトランティスの元となった帝国という話も聞かれる。
彼らの帝国は金属加工技術が目をみはるものがあり、最強の硬さを持つ金属、オリハルコンの製造に成功したのではという噂も聞かれる。
故に全身鎧を纏う騎士団は大帝国パトリスでも恐れられている。
そして、アトランティカを治める皇帝は女皇帝なのである。
女皇帝は美しいものがこの上なく好きで、美に固執する女帝でもある。
己の身辺に置くのも美しい美少年ばかり。夜も美少年ばかりと交わる。
そして、このアトランティカ帝国による首都襲撃で、大帝国パトリスも戦乱の時代へと突入する事になる。
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