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番外編
(スピンオフ)教えてあげるね
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※Ωくん視点です
◆
お兄ちゃんに大好きだって伝えたら、真っ赤な顔で明らかに動揺しながらも、しっかりうちまで送ってくれた。
そして出迎えてくれた母さんがぜひって夕飯に誘ってくれたおかげで、ここぞとばかりにぼくの部屋に連れ込んだ。
「ねえお兄ちゃん、ぼくがあのαのお兄さんと、何してたか気になる?」
「………………ああ、大丈夫か? 何か変なこと、されてないか?」
「ふふふ、変なこと、ね……まあ、ぼくは大丈夫だけどね」
「は…………なんだそれ……?」
うん、変なこと、されたわけではないよね。
ただ楽しくお話ししてただけだからね。
「エッチのやり方、教えてもらったんだよ」
「はぁっ……!?おま、いや、あのαの野郎…………」
驚いた顔と怒った顔を行ったり来たりしながら、お兄ちゃんはぼくの項に触れてため息を零す。
「はぁ……お前、そんなのん気な顔してるけど……Ω、なんだよな…………?」
「うん、そうだね。でもそんなの関係ないよ」
「関係ないわけな……いや、俺もしかして、さっき邪魔したか? あいつもよく見たら結構育ちの良さそうなやつだったし、せっかくαと……」
「関係ない!ぼくはお兄ちゃんが来てくれて嬉しかった。ぼくはお兄ちゃんが好きだって言ったでしょ!」
「いや、でもお前、Ωなら……」
だから関係ないって言ってるのに。
試しにお兄ちゃんを押し倒してみれば、なんの抵抗もなくそのまま二人して倒れ込む。
ぼくのことを信頼しきってるのは嬉しいけれど、全く意識されていなくて嫌になっちゃう。
「ねえ、ぼくにはお兄ちゃんがいればそれでいいの。ぼくとお兄ちゃんの話をしてるのに、αとか、Ωとか、その話関係ある?」
「なッ、はぁ……………?」
お兄ちゃんが言いたいことはわかる、わかるよ。
ぼくだって少し前まではそう思ってたんだから。
でもそうじゃないんだ。
それはぼくが、わからせてあげればいいんだから。
「大丈夫だよ、ぼくはあの人たちに教えてもらったからね。だから今度はぼくが、お兄ちゃんに教えてあげるね」
お兄ちゃんには何から教えてあげようか。
運命だとか、そんな話は面倒だから黙っておくけれど。
今日は何も準備はできてないけれど、ちゃんとわかるように、忘れないように、しるしだけでも付けておかないと。
それなら――――
「お兄ちゃんのここ、ぼくにちょうだい」
無防備な首元に齧り付くように唇を寄せてみた。
そこはとっても熱くなっていて、お兄ちゃんもドキドキしてるんだなって伝わってくるのが嬉しくて。
ああ、ぼくのしるしだ。
はぁ……こんなの、一度知ったらやめられない。
お兄ちゃんも、そう思わない?
これが消えちゃう前に、またいっぱいつけてあげるからね。
◆
読んで下さってありがとうございました。
次回、主人公CPのお話です。
引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。
◆
お兄ちゃんに大好きだって伝えたら、真っ赤な顔で明らかに動揺しながらも、しっかりうちまで送ってくれた。
そして出迎えてくれた母さんがぜひって夕飯に誘ってくれたおかげで、ここぞとばかりにぼくの部屋に連れ込んだ。
「ねえお兄ちゃん、ぼくがあのαのお兄さんと、何してたか気になる?」
「………………ああ、大丈夫か? 何か変なこと、されてないか?」
「ふふふ、変なこと、ね……まあ、ぼくは大丈夫だけどね」
「は…………なんだそれ……?」
うん、変なこと、されたわけではないよね。
ただ楽しくお話ししてただけだからね。
「エッチのやり方、教えてもらったんだよ」
「はぁっ……!?おま、いや、あのαの野郎…………」
驚いた顔と怒った顔を行ったり来たりしながら、お兄ちゃんはぼくの項に触れてため息を零す。
「はぁ……お前、そんなのん気な顔してるけど……Ω、なんだよな…………?」
「うん、そうだね。でもそんなの関係ないよ」
「関係ないわけな……いや、俺もしかして、さっき邪魔したか? あいつもよく見たら結構育ちの良さそうなやつだったし、せっかくαと……」
「関係ない!ぼくはお兄ちゃんが来てくれて嬉しかった。ぼくはお兄ちゃんが好きだって言ったでしょ!」
「いや、でもお前、Ωなら……」
だから関係ないって言ってるのに。
試しにお兄ちゃんを押し倒してみれば、なんの抵抗もなくそのまま二人して倒れ込む。
ぼくのことを信頼しきってるのは嬉しいけれど、全く意識されていなくて嫌になっちゃう。
「ねえ、ぼくにはお兄ちゃんがいればそれでいいの。ぼくとお兄ちゃんの話をしてるのに、αとか、Ωとか、その話関係ある?」
「なッ、はぁ……………?」
お兄ちゃんが言いたいことはわかる、わかるよ。
ぼくだって少し前まではそう思ってたんだから。
でもそうじゃないんだ。
それはぼくが、わからせてあげればいいんだから。
「大丈夫だよ、ぼくはあの人たちに教えてもらったからね。だから今度はぼくが、お兄ちゃんに教えてあげるね」
お兄ちゃんには何から教えてあげようか。
運命だとか、そんな話は面倒だから黙っておくけれど。
今日は何も準備はできてないけれど、ちゃんとわかるように、忘れないように、しるしだけでも付けておかないと。
それなら――――
「お兄ちゃんのここ、ぼくにちょうだい」
無防備な首元に齧り付くように唇を寄せてみた。
そこはとっても熱くなっていて、お兄ちゃんもドキドキしてるんだなって伝わってくるのが嬉しくて。
ああ、ぼくのしるしだ。
はぁ……こんなの、一度知ったらやめられない。
お兄ちゃんも、そう思わない?
これが消えちゃう前に、またいっぱいつけてあげるからね。
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読んで下さってありがとうございました。
次回、主人公CPのお話です。
引き続きお付き合いいただけましたら幸いです。
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