恋愛ショートショート

かまの悠作

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鍵のついた箱

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「あの日から、何が起こったんだ?」

私は彼の言葉に戸惑いながらも、固く結ばれた手を見つめた。彼の手には、小さな包みが握られていた。何が入っているのか、私には分からなかった。

「開けてみてよ。きっと喜んでくれるはずだから。」

彼の言葉に胸が高鳴り、わくわくと手を伸ばした。包みを開けると、そこには美しい指輪が輝いていた。私は目を見開き、彼を見つめる。

「これ、本当に私に?」

彼は微笑みながら頷いた。私は感動のあまり涙が溢れるのを抑えることができなかった。

「私、私は幸せすぎて…」

彼との出会いは、何かに引き寄せられるような運命のいたずらのようだった。あの日、私は通りすがりの人々の中で彼を見かけた。彼は一人で立ち尽くしているように見えた。私は彼の寂しげな背中に心惹かれ、声をかけた。

「大丈夫?何か困ってるのかな?」

彼は驚いたように振り返り、そして微笑んだ。それが彼と出会った瞬間だった。

それから数年が経ち、私たちは互いに欠かせない存在になっていた。彼の優しさに包まれながら、私は幸せに満たされていた。しかし、ある日から何かが変わり始めた。

彼が急に遅刻するようになり、連絡が取れなくなることが増えた。私は心配でたまらず、彼に問い詰めた。

「どうして最近、そんなに忙しいの?何かあったの?」

彼は困ったように笑いながら言った。

「大したことじゃないよ。ただ、ちょっとした問題があるだけさ。」

その言葉に、私は何かを感じ取った。彼の様子がおかしいのは、ただの忙しさだけではないということを。

ある日、彼が私に渡したのは、鍵のついた小さな箱だった。

「これを開けてみて。そして、私を許してほしい。」

彼の言葉に対する私の返答は、あまりにも素直すぎるものだった。

「何も許すことなんてないよ。私はあなたを信じているから。」

彼は深く suspiroした後、鍵を開けた。中から現れたものは、私の想像を超えるものだった。

「これは…」

私は彼の手から渡された写真を見つめた。写真には、彼が何者かと手を組んでいる姿が写っていた。

「彼らとの取引をしていたんだ。俺は…」

彼の言葉が途切れ、表情が険しくなる。私は彼の言葉に耳を傾けると、信じられないような事実が明かされた。

彼は私に近づいてきて、困難な道を一緒に歩む覚悟を求めた。彼はを犯罪してしまったのだという。

「私たちが一緒にいることで、お前も危険に晒されることになる。でも、お前がいなければ、俺はもう何もしない。」

私は彼の手を握りしめ、迷いながらも彼を支えることを決めた。このまま逃げることもできた。でも、彼を見捨てることはできなかった。

「私はあなたと一緒にいることを選ぶ。だから、どんな困難が待っていても、きっと乗り越えられる。」

彼の目が潤んで、私を見つめる。そして、微笑みながら言った。

「ありがとう。お前がいてくれるから、俺は強くなれる。」

私たちは困難な道を歩み始めた。彼との出会いから始まった私の恋愛は、まるでスリラーのような展開を迎えることになる。しかし、私たちは愛と信頼を胸に、共に戦い続ける覚悟でいた。

「あの日から、何が起こったんだ?」私の心は、まだ答えを見つけられていない。けれど、彼との絆を信じて、私は前を向いて歩き続ける。
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