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異様な輝きの瞳

「あの子、変わった子だな」と、周りの人はいつもそう言っていた。

彼女の名前は葉月。
小柄で華奢な体つきで、透き通るような白い肌と長い黒髪が印象的だった。
しかし、彼女の特徴的なところは目だった。
葉月の瞳は、どこか異様な輝きを持っていたのだ。

ある日、葉月は学校の図書館で本を読んでいる最中、一人の男性が彼女の前に現れた。彼は名前を明かさず、自分がパラノーマル研究者であることを告げた。

「葉月さん、私はあなたの目に興味を持っています。それは普通の人には見えない世界が見えるからです」

驚く葉月に、男性は続けた。

「私はあなたの目の力を使って、亡くなった人々とコミュニケーションを取ることができるのです。もし興味があれば、私と一緒にパラノーマルな世界に触れてみませんか？」

葉月は迷ったが、彼の言葉に興味を抱き、彼と一緒にパラノーマルな世界を探求することを決めた。

二人は様々な場所を訪れ、さまざまな霊的な体験をすることになった。時には廃墟で幽霊と出会い、時には霊園で亡くなった人々と会話を交わし、時には葬儀の場で亡くなった人々の声を聞くこともあった。

葉月は、自分の目の力を使って人々を癒すことができることを知った。
彼女の目は、生者と死者の間の繋がりを感じ取ることができるのだ。

しかし、その力が彼女の心をも疲弊させていく。
彼女は日々、亡くなった人々の声を聞くことで、その悲しみや苦しみを自分自身も感じてしまうのだ。

ある晩、彼女は自宅のベッドで泣きじゃくっていた。
彼女の隣には、パラノーマル研究者の男性が座っていた。

「葉月さん、あなたの力はとても素晴らしいものです。しかし、それには限界があります」
と男性は言った。

「もし、あなたが自分を犠牲にしてまで他人を救うのであれば、それは本当に正しいことなのでしょうか？」

葉月は男性の言葉に深く考え込んだ。彼女は自分が他人を救うことに使命感を抱いていたが、それが自分自身を苦しめることになっていることに気づいたのだ。

「私は、自分を大事にすることも大切なんですよね」
と葉月はつぶやいた。

男性は微笑んで葉月の手を握り、言った。

「そうだよ、葉月さん。あなたの心が傷ついてしまっては、誰も救うことはできないんだ。だから、まずは自分自身を大切にしてほしい」

葉月は男性の言葉に救われたような気持ちになり、自分を守ることの大切さを再認識した。

それからというもの、葉月は自分自身の幸せを追い求めるようになった。
彼女はパラノーマルな世界から距離を置き、普通の生活を送ることを選んだ。

そしてある日、彼女は駅のホームで出会った。彼女の前に立つ男性は、優しく微笑んでいた。

「こんにちは、葉月さん。久しぶりですね」

彼は葉月が以前一緒にパラノーマルな世界を探求した男性だった。

「私も、自分自身を大切にすることを学んだんです。だから、今は普通の生活を送っています」

二人は笑い合い、久しぶりの再会を喜んだ。

それからというもの、葉月は自分自身を大切にし、幸せな日々を過ごしていった。
彼女の目の力は、今はもう必要なくなったのだ。

彼女の目には、ただ普通の輝きが戻っていた。