初恋は先生。

泉 芳子

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第1章

夏休み②

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先生の車の助手席に乗った

ミラーの所には私が修学旅行のお土産であげたお守りがつけてあった

私は苦しくなりお守りを見ないようにずっと外を眺めていた

先生はいきなり車を止め
「そんなに花火見たいなら少しだけ見ていく?」と言った

確かにちょうど車から花火が良く見えた

私が花火を見たいのかと先生は勘違いをした

私は元気だったら今頃渡辺君と花火を見てるはずなのに今先生と一緒に花火を見てる状況に少し胸が痛くなった

私は先生にさっき八つ当たりしてしまった事を謝ろうと思った

「先生、さっきはごめんね」

「僕こそごめんね、宮本さん」と

お互い謝りあった



チロリロリーン♪


私にメールが来た

見たら渡辺君だった

心配してメールをくれたみたい


先生は「渡辺君?」と聞いてきた

私は頷いた

渡辺君に返信しようとした時

ギュッ

先生が私を抱きしめてきた

私はびっくりして「え?」と言ってしまった

先生は静かに「あの時以来だね」と耳元で言ってきた

私は直ぐに先生を突き放した

先生はうつむき
「ごめん」
「渡辺君が居るもんね」と言ってきた

私は自然に涙がこぼれてきた

私は先生の事を忘れて渡辺君を好きになろうとしていた…


でも、こうやって先生と一緒に居ると分からなくなる

この前は突き放してきたのに今日は抱きしめたり先生が分からない

私は聞いた
「先生は私が嫌いですか?」

先生はびっくりした顔でこっちを見て首を横に振った

先生は重い口を開き言った
「宮本さんと話さなくなってからずっと寂しかった」

「宮本さんが渡辺君と仲良くしてる所を見ると胸が掴まれるように痛くて辛かった」

「僕は宮本さんの事好きだと離れてから気づいた」

「今更もう遅いのはわかってるから僕の気持ちに応えなくていいから知っていてくれるだけでいい」

と震えた声で先生は今にも涙がこぼれてきそうな涙目で話してくれた

私は先生の顔をちゃんと見れなかった


「先生、家に帰りたいです」と私はうつむきながら言った

先生は黙って家まで送ってくれた

家の前で車を止め

私が降りようとした瞬間止められ

先生の胸に抱き寄せられた

大きな手が私の頬に触れ唇にも触れた

先生が触れてきた所が暑い

私は思わず体に力が入り反射でギュッと目をつぶった

先生は「力抜いて、大丈夫だから」と言い



先生の唇と私の唇が軽く重なり


その後何度も唇が重なり合い息が荒くなる程にお互いがお互いを求め合っていた


それと同時に私の浴衣がはだけていった

先生の手が直接肩に触れ、撫でるようにゆっくり下へ降りていった


思わず恥ずかしさで声が漏れてしまった

先生は慌てて離れ「ごめんね」と言い
また直ぐに抱きしめてきた


私は初めての事で少しぼーっとしてしまった

先生は助手席のドアを開けてくれて
「今日はもう遅いからまた登校日のに会おうね」と言った

私は車から降り先生は行ってしまった

その夜はなかなか寝付けなかった…



色々あったが花火大会も終わり、今週は海水浴

夏休み残り少しかないけど楽しみたい!


海水浴の日、美奈家族と私と渡辺君で海水浴に来た

私は友達と海に来るのは初めてで美奈と買いに行った新しい水着も可愛くてテンションが上がっていた

午前中は沢山遊んで午後は砂遊びしながら沢山おしゃべりをした

美奈も渡辺君も楽しそうだしみんなで来れてよかった



明日は登校日だ

宿題チェックをされるのだ

宿題は7月中に終わらせていたので心配事は無かった

でも、学校で先生に会うのが恥ずかしかった

先生の事を考えると花火大会の日の事を思い出しまう

初めての相手が先生…



 今日は登校日

その頃には私と渡辺君は登下校を一緒にする程仲良くなっていた

学校に行くと私と渡辺君の話題で持ちきりだった

花火大会で2人で腕を組みし一緒に居た事

今日は朝から一緒に登校した事

渡辺君を好きな子からは嫌味を沢山言われた

クラスの大半は付き合ったと思っていたのか祝福されてしまった

みんな花火大会で何があったかは知らない

先生が教室に入ってからも続いていた

クラスのある女の子が
「先生は花火大会行きましたか?」と聞いた

先生は「見回りの後、好きな子と花火だけ見たよ」と笑顔で答えた

クラスの先生の事好きな子達はガッカリしていた

そんな中、渡辺君が先生に向かって
「先生の好きな人ってどんな人っすか?」

美奈は私に
「渡辺めっちゃキレてんな」と笑いながら小声で言ってきた

確かに顔が本気だと語っていた

先生の事好きな女の子達も「聞きたい!」と渡辺君に賛成した

先生は困りながらも
「素直で可愛くてとても純粋な子だよ」と言った

先生の顔は少し赤らんでいた

先生と目があった

私は直ぐに目をそらした

渡辺君はいきなり立ち
「先生は好きな人とは付き合えない!」と怒鳴った

クラスのみんなはびっくりして渡辺君と先生を往復して見入っていた

私は嬉しさ半分、もう半分は渡辺君へ対しての申し訳なさがあった

私があの時…倒れなければ渡辺君にも先生にも迷惑かからなかったのにと少し落ち込んだ


その後、宿題チェックも終わり


文化祭の話を始めた

夏休み明けて1週間後には文化祭

残りの夏休みも使って準備する事が決まった

私達のクラスはクレープ屋さんをやる事になった!

美奈は「彩音甘い物好きだから良かったじゃん」と笑いながら言ってきた

私は万遍の笑みで頷いた

渡辺君も「俺も甘い物好きなんだ!一緒じゃん!」と言ってきた

美奈は「渡辺ってなんでも彩音と一緒にしたがるよね」と鼻で笑いながら言った

私は苦笑いしながらも2人を落ち着かせた


先生の周りに沢山の女の子が居た

女の子達は「先生は甘い物好き?」
「私が先生にクレープ作ってあげるね♡」
と言い先生にベタベタしていた


私は少しイラッときた

でも、私には関係ない事と自分に言い聞かせた

そんな時いきなり視界が暗くなった

誰かが私の目をおおっていた

振り向くと渡辺君が居た

渡辺君は「見なくていい、俺だけを見て」と寂しそうに言った

私はふざけて「今見てるよ?」と笑って言ったら

頭にチョップをくらった


渡辺君は拗ねて行ってしまった



外ではセミが鳴いていた

まだ外は暑い


楽しかった夏休みはもう終わり




二学期が始まるー。



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