【総集編】読切短編小説集

Grisly

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SF作家

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K氏はSF作家。
と言っても、かなり行き詰まっている。

「昔は色んなことを想像できたが、
 今や科学の進歩が
 人間の進歩を追い抜いてしまった。
 小さい頃、夢とされていたことの、
 ほとんどは既に実現している。
 
 産業革命以降、
 環境破壊は進む一方。
 ひどいスモッグだ。
 
 世界には飢餓と伝染病が溢れ、
 機械に仕事は奪われていくし、
 夢のない世の中になったもんだ。
 こんな時代に何を書けばいいんだ。」

と、K氏は、1900年代初頭の、
機械と車でススだらけになった、
ロンドンの街の窓を開けた。
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