12 / 21
力比べ
しおりを挟む
昔話のヒーロー。
桃太郎、浦島太郎、金太郎が集まり、
誰が1番強いのかという話になった。
実にくだらないことだが、
男とはそういう物である。
ストリートレースで全てを決める
スタイリッシュな某国とは違い、
未だに我が国では、高校。いや、大学まで、
足の速い者が、それだけの理由で、
クラスの人気者となってしまう。
それを育む土壌は充分にあると言える。
他人事と、馬鹿にすることは出来ないのだ。
我々は反省しなければならない。
「金太郎は、熊に勝つのは凄いことだが、
私は鬼を打ち倒した。
本州の話なので、
せいぜいツキノワグマだろう。
北海道で、ヒグマなら話は別だが、
鬼の方が体格がでかいと言える。
したがって私の方が強い。」
桃太郎は自己主張が強い。
加えて、金太郎。
人間と話すのは不得意と見える。
だから友達は動物しかおらず…
あえなく負けてしまった。
桃太郎は更に続ける。
彼は自己主張が強い。
吉備団子とかいう
怪しい物を摂取しているからだ。
おそらくアッパー系。
凄い勢いで、浦島太郎を追い詰めていく。
「お前は、強さ等という次元の話ではないぞ。
海亀を助けたまでは良いとして、
乙姫をたぶらかしただけじゃないか。
どこに強さがあるんだ。
情けない。」
彼は自己主張が激しい。
お調子者でもある。
言い出したら止まらない。
自分は全て正しいと疑わない。
「どうせ竜宮城へ行って
接待してもらうんだから、
乙姫でも強引に押し倒して、
竜宮城を乗っ取ってやったら良い。
二つの意味で。」
ああ。言い過ぎてしまった。
彼は止まらないのである。
したがって、人間は付いて来ず、
犬猿雉を薬漬けにするしか無くなったのだ。
その頃、浦島太郎はこの録音データを
テレビ局へ持ち込んだ。
当然、主婦層、フェミニスト、
女子高生に至るまで、袋叩きにされる。
いつの時代も、女性に勝るものは無いのだ。
それを心得ている彼こそ
1番強いと言える…
桃太郎、浦島太郎、金太郎が集まり、
誰が1番強いのかという話になった。
実にくだらないことだが、
男とはそういう物である。
ストリートレースで全てを決める
スタイリッシュな某国とは違い、
未だに我が国では、高校。いや、大学まで、
足の速い者が、それだけの理由で、
クラスの人気者となってしまう。
それを育む土壌は充分にあると言える。
他人事と、馬鹿にすることは出来ないのだ。
我々は反省しなければならない。
「金太郎は、熊に勝つのは凄いことだが、
私は鬼を打ち倒した。
本州の話なので、
せいぜいツキノワグマだろう。
北海道で、ヒグマなら話は別だが、
鬼の方が体格がでかいと言える。
したがって私の方が強い。」
桃太郎は自己主張が強い。
加えて、金太郎。
人間と話すのは不得意と見える。
だから友達は動物しかおらず…
あえなく負けてしまった。
桃太郎は更に続ける。
彼は自己主張が強い。
吉備団子とかいう
怪しい物を摂取しているからだ。
おそらくアッパー系。
凄い勢いで、浦島太郎を追い詰めていく。
「お前は、強さ等という次元の話ではないぞ。
海亀を助けたまでは良いとして、
乙姫をたぶらかしただけじゃないか。
どこに強さがあるんだ。
情けない。」
彼は自己主張が激しい。
お調子者でもある。
言い出したら止まらない。
自分は全て正しいと疑わない。
「どうせ竜宮城へ行って
接待してもらうんだから、
乙姫でも強引に押し倒して、
竜宮城を乗っ取ってやったら良い。
二つの意味で。」
ああ。言い過ぎてしまった。
彼は止まらないのである。
したがって、人間は付いて来ず、
犬猿雉を薬漬けにするしか無くなったのだ。
その頃、浦島太郎はこの録音データを
テレビ局へ持ち込んだ。
当然、主婦層、フェミニスト、
女子高生に至るまで、袋叩きにされる。
いつの時代も、女性に勝るものは無いのだ。
それを心得ている彼こそ
1番強いと言える…
10
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
母から娘へ
はなこ
児童書・童話
最愛なる娘に
贈るつもり。
出産を夫にわかってもらうより。
この素晴らしさ
我が子に伝えたい。
出産が痛い訳ない
そう言わなければ
いたわってもらえない。
それは、母子の危機だから。
痛いだけだったら?
出産は、何かの罪?
おんなと子
その子というのは、
後に、男にもなる訳で。
それは、みんなの秘密。
こんなに衝撃的に
逝くことは
出産以外ないもの。
医学がこれだけ発達した現代でも
おんなは、普通に
命がけで挑む。
絶対に引き返せない。
子と自分。
どちらかたとえ無くなったとしても
産む。


児童小説をどうぞ
小木田十(おぎたみつる)
児童書・童話
児童小説のコーナーです。大人も楽しめるよ。 / 小木田十(おぎたみつる)フリーライター。映画ノベライズ『ALWAIS 続・三丁目の夕日 完全ノベライズ版』『小説 土竜の唄』『小説 土竜の唄 チャイニーズマフィア編』『闇金ウシジマくん』などを担当。2023年、掌編『限界集落の引きこもり』で第4回引きこもり文学大賞 三席入選。2024年、掌編『鳥もつ煮』で山梨日日新聞新春文芸 一席入選(元旦紙面に掲載)。

お姫様の願い事
月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる