【新作】読切超短編集 1分で読める！！！

帰郷

私達夫婦がY星に移住して10年。

開拓地の生活というのは過酷であり、
休みもなく、仕事漬けの日々。

しかし、努力の甲斐あって事業は成功。
ようやく半年の休みが取れ、
少しの間、地球へ帰郷できることとなった。



10年の間に、向こうで生まれた2人の子ども達。
彼等にとって、初めて訪れる故郷の星。

さぞかし感動することだろう。
ようやく見せてあげられるのだ。緑豊かな星地球。

私達は胸が熱くなった。

「さぁ、ようやく着いたよ。
　ここが皆の故郷だ。」






しかし、子ども達はこう言ったのだ。

「こんなよく分からないところに居たくない。
　早く故郷のお家に帰りたい。」