【新作】読切超短編集 1分で読める!!!

Grisly

文字の大きさ
上 下
16 / 63

山奥の幽霊【怪談】

しおりを挟む
私が、ある山奥の、
友達の家に泊まった時の話です。

余り人のよりつく場所ではありませんが、
星が綺麗で、自然豊かな生活ができるので、
大成功し、都会の乾燥を避け、
友達はそこに移り住んでいました。

昔話に花が咲き、一通り遊んだ後。



夜中、眠りにつこうとすると、
布団の下の方から、
いわゆる落武者のような、
何やら、みすぼらしい着物を着た、
髪の長い男が出て来た。

彼は私の足を掴み、
1時間くらい、
ぎゅーっと締め付け、帰って行ったのです。

決して痛くはありませんでしたが。
私は、言いようの無い恐怖を感じました。



次の日、その事を友達に話すと、
不思議そうな顔をされました。

彼はもう、5年間もその家に住んでいますが、
そんな経験をした事がないそうです。

しかも、ここが古戦場であった等と言う
話もなく、その正体すら謎のまま。

しかし、そのような物が見えた以上、
いつ被害が出るとも限らない。
放っておくわけにもいかない。



そこで、霊媒師を呼び出しました。

彼は、何やら怪しい儀式をした後、
私達の質問に答えてくれました。

「ここは古戦場でもない。
 したがって、貴方が見たものは落武者や、
 そう言う類のものではないのです。」

「やはり違うらしい。
 しかし、
 私は言いようの無い恐怖を感じました。

 彼の正体は一体。」

「良いですか。
 戦国時代にせよ、江戸時代にせよ
 最も過酷だったのは武士では無い。

 確かに彼等は、凄まじい戦いを繰り広げ、
 死んでいったかもしれないが、

 歴史に名を残し、存在を知られ、
 供養もきちんとしてもらえるのです。



 しかし、大部分の農民や、それ以外の人達。
 
 言われの無い差別に苦しみ、
 飢饉や、生活苦、重税に追われ、
 斬り捨てられても文句は言えない。

 彼等は決して歴史に残らないが、
 恨みが強いとしたら
 そちらの方なのですよ。

 まぁ、だからと言って
 それをどうこうすることもできないし、
 それ以外の生活を知らない者達。
 
 基本的には、
 そこまで腹を立てることもない。
 大した害は無いのでしょうがね。」


私は分かってしまいました。
なので、
私の友達には見えず、私だけに見えたのです。

そして、それこそが
言いようの無い恐怖の正体…


 

 
 

 


しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

【総集編】童話パロディ短編集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。童話パロディ短編集

【総集編】日本昔話 パロディ短編集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。  今まで発表した 日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。 朝ドラの総集編のような物です笑 読みやすくなっているので、 ⭐️して、何度もお読み下さい。 読んだ方も、読んでない方も、 新しい発見があるはず! 是非お楽しみ下さい😄 ⭐︎登録、コメント待ってます。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【過去作品総集】読切短編小説集

Grisly
ファンタジー
❤️⭐️お願いします 過去製作した各話読切短編小説集です。

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...