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平和な星
平和な星 DAY 23 part2
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1時間ほど走っただろうか。
ようやくされていた目隠しをとられ、
私の目に入って来た物は驚きの光景だった。
3000人はいるだろうか。広大なスタジアム。
家の主人と、私は観客席にいたのだ。
その下。舞台では、先ほどの彼のような、
首輪をつけられた人間達が生き残りをかけ、
血だらけになって戦っている。
観客席からはゴミや、凶器が放り込まれ、
怒号が飛び交っている。
石を投げ込み遊んでいる者もいる。
私は尋ねた。
「何ということだ。こんな野蛮な。
この星はそういうものを否定し、
皆が平等に笑って暮らせるのでは
無かったのですか。」
家の主人が笑って答えた。
「うん。確かにこの星は平和、平等…
誰かを傷つけない事をモットーに栄えて来た。
しかし、いくらそうしようとしても、
収まらない気持ちという物がある。
誰かの上に立ちたい、
誰かを傷つけたい。
この気持ちは抑えようがない。生物だからだ。
しかし、それが禁止された。
結果、この戦いは激しさを増し、
過激で収拾のつかないものとなった。
皆表には出さないが、
ここでの順位が
私達の立場を決めるようになった。
立場と言っても、遊びだからさらにタチが悪い。
ただの遊びに人生がかかっている。
悲惨なものだ。
「性」という物は、
抑えようとして抑えられる物ではない。
故に「性」なのだ。
3週間過ごした君は
もうそんな気持ちが分かるのではないかね。
さぁ、石を投げつけてやりなさい。」
大昔、素晴らしい文明を築き上げたという
ローマ帝国。それにも
同じような物があったという。
彼等は文明に傲慢さを抱き
退廃したのかと思ったが、
全く違う。
必要だったからだ。
私は石を投げつけた。
確かにそういうものかも知れない。
抑えようとしても抑え切れない物。
私が投げたのは石の形をしたまさに「性」なのだ。
ようやくされていた目隠しをとられ、
私の目に入って来た物は驚きの光景だった。
3000人はいるだろうか。広大なスタジアム。
家の主人と、私は観客席にいたのだ。
その下。舞台では、先ほどの彼のような、
首輪をつけられた人間達が生き残りをかけ、
血だらけになって戦っている。
観客席からはゴミや、凶器が放り込まれ、
怒号が飛び交っている。
石を投げ込み遊んでいる者もいる。
私は尋ねた。
「何ということだ。こんな野蛮な。
この星はそういうものを否定し、
皆が平等に笑って暮らせるのでは
無かったのですか。」
家の主人が笑って答えた。
「うん。確かにこの星は平和、平等…
誰かを傷つけない事をモットーに栄えて来た。
しかし、いくらそうしようとしても、
収まらない気持ちという物がある。
誰かの上に立ちたい、
誰かを傷つけたい。
この気持ちは抑えようがない。生物だからだ。
しかし、それが禁止された。
結果、この戦いは激しさを増し、
過激で収拾のつかないものとなった。
皆表には出さないが、
ここでの順位が
私達の立場を決めるようになった。
立場と言っても、遊びだからさらにタチが悪い。
ただの遊びに人生がかかっている。
悲惨なものだ。
「性」という物は、
抑えようとして抑えられる物ではない。
故に「性」なのだ。
3週間過ごした君は
もうそんな気持ちが分かるのではないかね。
さぁ、石を投げつけてやりなさい。」
大昔、素晴らしい文明を築き上げたという
ローマ帝国。それにも
同じような物があったという。
彼等は文明に傲慢さを抱き
退廃したのかと思ったが、
全く違う。
必要だったからだ。
私は石を投げつけた。
確かにそういうものかも知れない。
抑えようとしても抑え切れない物。
私が投げたのは石の形をしたまさに「性」なのだ。
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