【総集編】未来予測短編集

Grisly

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【第2章】身の回りの未来予測

占い師の未来

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S氏が男を占っている。

「あなたは3人兄弟の末っ子で、
 田舎の生まれですね。
 小さい時飼っていた犬は
 ゴールデンレトリバーで名前はクロエ。」

「それが分かったからなんだと言うんだ。」

「小さい時は裕福に暮らしたが、
 御実家の鉄工所が潰れ、
 苦労なさったようで…」

「それが分かったからなんだと言うんだ。」
 

「最近あなたは、仕事をクビになり、
 妻に先立たれ、
 車に一度轢かれたことがある。」

「それが分かったからなんだと言うんだ。」

「あなたは、後15年生きて、
 腎臓の調子が悪くなり、癌になる。
 しかし、治療費が足りず、
 治せずに死に至るでしょう。」

「だから、
 それが分かったからなんだと言うんだ。
 全部ここに書いてあるじゃないか。」



犯罪防止の観点から、
個人の情報が全て
VRゴーグルで確認できる現在となっては、
S氏の占いはもはや無用。

もしくはそれ以上のことが
瞬時にわかると言うもの…




 
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