大投票社会 《未来予測怪談》

Grisly

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おまけの第2話と後書き

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さて、人類は得票数とともに、
ふるいにかけられ、
その数によって住む場所を指定された。

得票数の少ない人々の地域での生活は、
必要とされる数が少ないことになる。
危険極まりないのだろうか。

そんな事は無い。
あと一歩で脱落なのだ。
皆、人気を落とすまいと、
極端に親切になった。

非常に優しい村となる。
そもそも、票が少ないという事は、
可も無く、不可も無い人間という事だ。

平凡で穏やかな人が多いので、
のんびりとした生活になった。



では、得票数の多い人々の地域はどうだろう
必要とされる人が多い地域。
という事になる。
安全なのだろうか。

そんな事は無かった。
こう言う場合は二極化が進むのだ。

すなわち、この制度にぴったりな、
普段から人々に感謝され、
社会に貢献している超体制派が半数。


しかし、もう半数の反体制派もまた
絶大な支持を集めた。
この制度に納得していない者達も
多くいたからだ。

彼等は投票等、気にする事なく、
好き勝手に生きている。
生きようが死のうが、関係無いのだ。



体制派にとっては、刺激になり、
憧れと尊敬を持ち、
ストレスの捌け口となった。

スターに熱狂するような物だ。


反体制派にとっては、抑止力、
または、金づるのような物となった。

お互いがお互いに、
良いバランスを保っていると言える。



今の金が、形を変えただけで
余り本質は変わらないのかも知れない。






【後書き】

誰もが他人の目を気にして、
優等生のような人間しか生き残れない社会。
人間味の感じられない悲しい社会です。

SNSの普及で、全てがデータ化され、
何気ない言動全てがすぐに証拠となり、
問題となってしまう現代。

このような事が危惧されています。


しかし、信用スコアが
全てを決定してしまうような世の中になれば
必ずそれに対する
カウンターカルチャーが発生するでしょう。

黒人差別に対するブルースやロックの発達。
ベトナム戦争に対するヒッピームーヴメント
受験戦争に対するツッパリ文化。
都会一極化に対する地方移住。

環境が過酷になれば、なる程、
それまでに存在しなかった、
研ぎ澄まされた、新しい文化や楽しみ、
そういった物が必ず現れる。

我々にできるのは、
もし、そう言った世の中になっても、
新しいカウンターカルチャーを否定せず
大事に育てていく事でしょうか。






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みんなの感想(1件)

大林和正
2024.02.14 大林和正

深いです色んな問題に言及されてますね
面白かったです
ありがとうございます😊

Grisly
2024.02.14 Grisly

そうですね。
色々詰め込みました。
最近書いた中では、
イチオシの小説です♪

無いとも言い切れなくて、
書いていて少し恐ろしくなりました。
当たり前になってしまえば、
それまでの事はもう思い出せない。



後書きで書いたのは、

一昔前話題になった、
某アンパンのヒーロー問題。

「愛と勇気だけが友人」
と言う事は、カバ男君は、
友達では無いのか。

多分、そうでは無いけれど、
愛と勇気のために生きるには、
時として、家族、友達、社会、周り
その全てが敵になることもある。

これが、私の出した答えです。
こう言うテーマも一部入れてみました。





和正さん、今回も、
素敵なご感想ありがとうございます。

規約のあれこれで、残念な事に
作品が削除されてしまいましたので、
次回から、
新作はこちらでお楽しみ下さい。

【新作】読切超短編集 
1分で読める!!! #アルファポリス https://www.alphapolis.co.jp/novel/215404438/401859057

また是非ご感想を
よろしくお願い致します😄

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