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始まりの一歩

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「海斗様!着きましたよ!」

1度も来たことがないはずなのに、懐かしいような景色が再び俺を包んだ。

「お、おう!着いたか!」

「では、入りましょう!」


あら~!ヘレンさん!…と、その隣の方はどなた?

「ああ、この方は最近、冒険者になられた方です!今、町の案内をしていまして、レベル上げのために、今、ここに来た次第でして…。何か良いクエストはありますか?」

そうなのですね~!初心者の方でしたら、ただいま丁度良いクエストがありますよ!!このようなクエストなんてどうでしょうか?


「おお!海斗様!良い感じのクエストがありますよ!」

「ん、どんなのだ?」

「『レベル1のスライム10体討伐せよ!』です!スライムはほぼ攻撃のダメージを受けないので、このクエストなら、海斗様でもクリア出来ると思いますし、レベル上げも出来ますよ!」

「じゃあ、そのクエストでお願いする!」

「了解です!では、このクエストでお願いします~!」

かしこまりました。では、この先の部屋で装備をして、クエストの方へ挑戦して下さい!ご健闘をお祈りします!

「では、行きましょう!初めてのクエストですから、気を引き締めて頑張りましょうね!」

「おう!」


「では、まず武器を選びましょう!スライムが相手ですので、このメタルソードが良いかと思います!」

「どんな武器なんだ?」

「こちらの剣は、少し重たいのですが、それと同時に一撃も重いので、下級モンスターにはオススメです!」

「じゃあ、それにするよ!あとは何かあるか?」

「スライムが相手なので、その剣だけで十分だと思います!あとは私が魔法でサポートするので、準備はOKですよ!」

「そうか!じゃあ行こ…って、どうやって行くんだ?」

「言い忘れてました…!ここにクエストのおおよその名前を入力して、ボタンを押せば、自動ワープされます!」

「なるほどな!…じゃあ、スライム10体討伐!…っと。これで良いのか?」

「はい!ボタンを押して下さい!」

「よし、じゃあ押すぞ。」

-ポチッ

------------------------------

 「…はっ!」

「着きましたね!海斗様!」

「着いたな!なんか凄い草で生い茂ってるな。で…肝心のスライムはどこだ?」

「えっと…スライムの皆さん小さいので、草に隠れているかと思います…!探すのも億劫なので、私が軽い炎の魔法で草を燃やしますので、見つかったところを討伐して下さい!」

「分かった!よろしくな!」

「では、いきます…!」

-メルムッ!

メラメラメラメラ… 

「あ…!沢山いるぞ!この中から10体倒せば良いんだな。よし…。」

うおおおおおお!そりゃ!

ボスッ!…ボン!

「1体倒したぞ!」

「その調子であと9体!海斗様、頑張って下さい!」

「うおおおお………。」

------------------------------

あら~!お帰りなさい!クエストクリア、おめでとうございます!

「やったな、グレイス!」

「やりましたね!海斗様♪」

こちらは、クエスト報酬です!受け取って下さい!

「はい!ありがとうございます!」

「海斗様!レベルも無事に上がっていますよ!」

「えっと…このカードを見るんだったな。どれどれ…。…おお!レベル4上がってるな!少しだけど、なんか嬉しいな…!!」

「少しずつ、が大切ですので!これからもコツコツ頑張りましょう♪」

「そうだな!これからも頑張るよ。」

「はい!…ところで、そろそろ休まなくても大丈夫ですか?この国に来てから、ずっと動きっぱなしですし…。」

「ああ~、そうだな。そろそろ休みたい気分だ。どこか休む場所…はあるのか?」

「はい!少し前に紹介した通りにある、宿屋がありますので、そこを利用しましょう!」

「そうか!分かった!」

「では、ワープしますよ~!掴まっていて下さいね!」

------------------------------


「はい!着きました!早速、中に入りましょう!」

-カランカランッ

「こんにちは~。ひと休みしたいのですが~…。」

いらっしゃい!ベッドは空いてますよ!

「じゃあ、そちらの方で休ませて下さい!」

はいよ!100ザントね!

「100ザント…海斗様、先程のクエストで、いくら貰いました?」

「えっと…。10ザントって書いているのが5枚だな。」

「あら~…。足りませんね。…では、ここは私が残りの分を払いますので!」

「え…いいのか?…ごめんな、グレイス!」

「いえいえ!お気になさらないで下さい!…すいません~、お願いします~。」

はい!丁度ね!では、こちらへどうぞ!


この大きいベッドを使って下さい!

「はい!分かりました!ありがとうございます!」

では、ごゆっくりー。


「…なあ、グレイス。」

「どうしました?海斗様。」

「これってもしかして2人で100ザントじゃなくて、1人で100ザントなんじゃないのか?ここにあるのも、このベッド1つだし…。」


「あ…!はわわわわ…。そうでした…!ごめんなさいー!どうしましょうか…。」

「まあ、良いよ、気にすんな。どうするって…2人で入るしか無くないか?そこまで狭いわけでも無さそうだし。」

「へ…ふえ?2人で入るんですかぁ!…私は構いませんが、海斗様は、彼女様も居ますし…、嫌じゃありませんか?大丈夫ですか?」

「まあ~、良くはねーけど、こうなったら仕方ないだろ?ほら、一緒に入るぞ。グレイス!」

「わ…わかりました~!では、靴と上着を脱いで…。」


「きつくないか…?俺は気にならねーけど。」

「は…はい!大丈夫です…!」


「そうか。じゃあ、ゆっくり休もうな。おやすみ、グレイス。」

「はい…!おやすみなさい、海斗様!」

------------------------------

「…。あの…。海斗様?まだ起きていらっしゃいますか…?」

「お…グレイスもか。なんでだろうな。なかなか眠れないんだ。」

「わ、私もなんです…!少し、お話しませんか?」

「いいぜ。その方が、眠れるかもしれねーしな。」

「はい…!…海斗様、本当は怒っていらっしゃいますよね…?海斗様から見て、こんな異世界に突然呼び出してしまったのですから…。」

「あ~。その事なんだけどな~、あれ、言いにくいんだけど…って、もう心が見えるんだっけか…笑 なんだろ、案外楽しーっつーか、お前…グレイスと一緒に居るとよ、なんか、楽しいんだよな。実は今になってみると、案外来てよかったって思えるんだ。」

「本当ですか!?海斗様!その…海斗様は、お優しいのですね…!私も海斗様と一緒に居るの、その…楽しいし、嬉しいです…!!出来れば…これからも、一緒に居ましょう…?」

「もちろんだ。お前が居なくて、俺はどうしろってんだ?異世界に来たからには、チート級の能力だとか、何かは絶対必須になってくる。その、今俺に必要なのがお前、グレイスなだけ。…ってことなんだからさ。」

「そんな風に言って貰えるなんて、とても光栄です…!私で良ければ、これからも海斗様のサポート、精一杯頑張りますので!何卒、よろしくお願いしますね。」

「ああ。これからもよろしくな。…そうだ。もうそろそろ眠くなってきちまった…。そろそろ寝てもいいか…?」

「はい!そのための宿屋ですから!…では、おやすみなさい…海斗様。」

「おやすみな…。」

------------------------------

これからもずっと一緒ですよ…。海斗様…。-ボソッ
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