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幕間2
用語解説&人物関係一覧
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幕間のラストとして、本作のオメガバース設定および、藤野谷家、佐井家の人物関係一覧を掲載します。ストーリーには関係ないので、不要な方は読み飛ばしても問題ありません。
◎オメガ発情期(ヒート)とアルファの発情(ラット)
ヒートはオメガ性の性成熟とともに男女問わずあらわれる妊娠可能期間である。15歳~18歳頃にはじまる。性成熟とともに容姿に変化があらわれる。多くは100日~120日のサイクルで到来し、3日程度続く。性成熟に伴い容姿にオメガ性独特の変化があらわれる。ヒート中のオメガはアルファを誘引するホルモンを分泌し、これによりアルファの発情(ラット)が誘発される。
◎つがい関係
オメガ性の首のつけねには「受容器」と呼ばれる器官がある。アルファがオメガと性交(挿入)しながら強く噛むことで唾液を受容器に浸透させると「つがい」と呼ばれる反応が起きる。特定のアルファとつがいになったオメガは発情期でも他のアルファを誘引しなくなり、つがいのいるアルファも発情を誘発されることがなくなる。ただしつがいは永久的なものではなく、接触がなくなると次第に薄れて消滅する。
◎名族(アルファクラン)
歴史的に能力に秀でたアルファを多く輩出し、支配的な地位を確立してきた血統集団。この国では漢字三文字の姓であらわされる。
◎オメガ系
オメガ性の誕生確率が非常に高い血統。かつては何系統もあったというが、現代ではほとんど残らない。
通常、オメガは三性のどの組みあわせからも確率的に誕生するため、このような血統の実在は一般社会では疑問視されているが、実際は名族により長年存在を隠蔽されてきた。アルファ性の子供はアルファとオメガのあいだに誕生する確率が最も高いため、名族はアルファ性の子を得るために、これらの血統をオメガの「供給源」として利用していた。
◎三性の誕生比率
全人口に対しアルファが25%、オメガが15%、ベータが65%。ただし一般的なイメージとしては、10人のうちベータが7人、アルファが2人、オメガが1人、といったところか。統計的にはオメガは7人に1人の割合で生まれるとされるが、地域や世代によるばらつきがある。
◎三性の禁忌
オメガとオメガの関係は伝統的に禁忌とされてきた。これはアルファとの「つがい」の問題や、アルファが主導する社会的な制約のためである。アルファ同士の性交によって生まれる子供はアルファ性にならないため、アルファ性の子供が欲しい名族は、オメガ同士が関係を持つことでオメガが「無駄」になることを禁じてきた。
◎オメガ解放運動と優遇政策
七十年前に全世界で一斉に起きた「オメガ解放運動」の後、数十年をかけてオメガに社会的自立の機会をより多く与えるべきとの機運が高まった。オメガの人権を保護する法律が整備され、オメガ性優遇政策(アファーマティブアクション)や、発情期をオメガ自身の意思でコントロールできるような社会への転換が各国で行われた。具体的には〈ハウス〉の設置や発情期をコントロールする薬剤をオメガ自身の意思で使用できるようにする、といったもので、これにより「新世代オメガ」と呼ばれる、従来と異なる意識を持った若年層があらわれている。
◎ハウス
オメガとアルファの交流施設。発情期のオメガが安全に相手を選ぶことができる場所。性成熟したオメガの健康管理センターおよび性教育センターをかねている場合が多く、私設と公設がある。アルファの利用には身元の登録が必要だが、オメガは匿名でも利用可能。従業員はベータだが、最近はAIを使うことも増えている。
【藤野谷家とその関係者】
藤野谷天青(てんせい):故人。藍閃、藍晶の父、天藍の祖父。アルファ
藤野谷藍閃(らんせん):佐井葉月の戸籍上の夫。失踪宣告ののち死亡の届け出が出された。アルファ
藤野谷藍晶(らんしょう):藍閃の弟。天藍の父。アルファ
藤野谷紫(ゆかり):藍晶の妻、天藍の母のオメガ。旧姓は水津。
藤野谷天藍(てんらん):藍晶と紫の息子。佐枝零の〈運命のつがい〉アルファ
渡来:藍閃の友人で、藤野谷家に長年仕えているベータの男。
【佐井家とその関係者】
佐井星葉(せいよう):故人。佐井家先代当主オメガ。
佐井銀星(ぎんせい):現佐井家当主オメガ。
佐井葉月(はづき):故人。佐枝零の父オメガで、藤野谷藍閃の配偶者。柳空良の〈運命のつがい〉
柳空良(やなぎそら):故人。佐枝零の父アルファ。佐井葉月の〈運命のつがい〉
佐枝ナミ:佐井家の家来筋のベータ女性で、葉月の親友。
佐枝峡:ナミの息子。ベータ。
佐枝零:佐井葉月と柳空良の息子。藤野谷家から隠すために生後間もないころ戸籍を数回移動し、最終的に佐枝家の養子になる。藤野谷天藍の〈運命のつがい〉オメガ
◎オメガ発情期(ヒート)とアルファの発情(ラット)
ヒートはオメガ性の性成熟とともに男女問わずあらわれる妊娠可能期間である。15歳~18歳頃にはじまる。性成熟とともに容姿に変化があらわれる。多くは100日~120日のサイクルで到来し、3日程度続く。性成熟に伴い容姿にオメガ性独特の変化があらわれる。ヒート中のオメガはアルファを誘引するホルモンを分泌し、これによりアルファの発情(ラット)が誘発される。
◎つがい関係
オメガ性の首のつけねには「受容器」と呼ばれる器官がある。アルファがオメガと性交(挿入)しながら強く噛むことで唾液を受容器に浸透させると「つがい」と呼ばれる反応が起きる。特定のアルファとつがいになったオメガは発情期でも他のアルファを誘引しなくなり、つがいのいるアルファも発情を誘発されることがなくなる。ただしつがいは永久的なものではなく、接触がなくなると次第に薄れて消滅する。
◎名族(アルファクラン)
歴史的に能力に秀でたアルファを多く輩出し、支配的な地位を確立してきた血統集団。この国では漢字三文字の姓であらわされる。
◎オメガ系
オメガ性の誕生確率が非常に高い血統。かつては何系統もあったというが、現代ではほとんど残らない。
通常、オメガは三性のどの組みあわせからも確率的に誕生するため、このような血統の実在は一般社会では疑問視されているが、実際は名族により長年存在を隠蔽されてきた。アルファ性の子供はアルファとオメガのあいだに誕生する確率が最も高いため、名族はアルファ性の子を得るために、これらの血統をオメガの「供給源」として利用していた。
◎三性の誕生比率
全人口に対しアルファが25%、オメガが15%、ベータが65%。ただし一般的なイメージとしては、10人のうちベータが7人、アルファが2人、オメガが1人、といったところか。統計的にはオメガは7人に1人の割合で生まれるとされるが、地域や世代によるばらつきがある。
◎三性の禁忌
オメガとオメガの関係は伝統的に禁忌とされてきた。これはアルファとの「つがい」の問題や、アルファが主導する社会的な制約のためである。アルファ同士の性交によって生まれる子供はアルファ性にならないため、アルファ性の子供が欲しい名族は、オメガ同士が関係を持つことでオメガが「無駄」になることを禁じてきた。
◎オメガ解放運動と優遇政策
七十年前に全世界で一斉に起きた「オメガ解放運動」の後、数十年をかけてオメガに社会的自立の機会をより多く与えるべきとの機運が高まった。オメガの人権を保護する法律が整備され、オメガ性優遇政策(アファーマティブアクション)や、発情期をオメガ自身の意思でコントロールできるような社会への転換が各国で行われた。具体的には〈ハウス〉の設置や発情期をコントロールする薬剤をオメガ自身の意思で使用できるようにする、といったもので、これにより「新世代オメガ」と呼ばれる、従来と異なる意識を持った若年層があらわれている。
◎ハウス
オメガとアルファの交流施設。発情期のオメガが安全に相手を選ぶことができる場所。性成熟したオメガの健康管理センターおよび性教育センターをかねている場合が多く、私設と公設がある。アルファの利用には身元の登録が必要だが、オメガは匿名でも利用可能。従業員はベータだが、最近はAIを使うことも増えている。
【藤野谷家とその関係者】
藤野谷天青(てんせい):故人。藍閃、藍晶の父、天藍の祖父。アルファ
藤野谷藍閃(らんせん):佐井葉月の戸籍上の夫。失踪宣告ののち死亡の届け出が出された。アルファ
藤野谷藍晶(らんしょう):藍閃の弟。天藍の父。アルファ
藤野谷紫(ゆかり):藍晶の妻、天藍の母のオメガ。旧姓は水津。
藤野谷天藍(てんらん):藍晶と紫の息子。佐枝零の〈運命のつがい〉アルファ
渡来:藍閃の友人で、藤野谷家に長年仕えているベータの男。
【佐井家とその関係者】
佐井星葉(せいよう):故人。佐井家先代当主オメガ。
佐井銀星(ぎんせい):現佐井家当主オメガ。
佐井葉月(はづき):故人。佐枝零の父オメガで、藤野谷藍閃の配偶者。柳空良の〈運命のつがい〉
柳空良(やなぎそら):故人。佐枝零の父アルファ。佐井葉月の〈運命のつがい〉
佐枝ナミ:佐井家の家来筋のベータ女性で、葉月の親友。
佐枝峡:ナミの息子。ベータ。
佐枝零:佐井葉月と柳空良の息子。藤野谷家から隠すために生後間もないころ戸籍を数回移動し、最終的に佐枝家の養子になる。藤野谷天藍の〈運命のつがい〉オメガ
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