魔法力士（旧タイトル: ギルドに冒険者登録しに行ったら、なれる職業が魔法力士しかなかった）

第三十二話 ひいおじいさんの形見

　数日後──草原

　タケシは、草原である日記帳のような本を開いていた。　　

　数日前──

「これ、お父さんがタケシさんにって」

「これは？」

　リルから渡されたのは、何やら日記帳のようなものだった。

「お父さんが言うには、魔法力士の技が書いてあるんだそうです」

「え！」

　タケシが開いて見ると、いろいろな技のやり方などが絵や文字でかかれていた。

「この間のタケシさんの姿を見た時から、何か見に覚えがあったらしくて･･････」

「そうなんだ･･････けど、なんで、リルさんのお父さんがこれを？」

「お父さんのおじいちゃん、私にとってはひいおじいちゃんになるんですが、その人が魔法力士だったんだそうです」

「マジで!?」

　タケシは前に受付のお姉さんに聞いたことを思い出す。

『それがですね･･････その人、お亡くなりになって、この世にはいないんです。しかも、その人は自分のお店を経営していて、息子に継がせたから、第二の人生として少しの期間やっていただけで･･････大した結果も残せてなかったみたいなんですよね』

　まさか、リルさんのひいおじいさんだったとは･･････と思うタケシ。

「けど、前に受付のお姉さんからはあまり活躍されなかったって聞いたんだけど、その割に技がこんなにあるのは･･････」

「お父さんが言うには、ひいおじいさんは慎重な性格をしていたらしく、魔物と戦う前にといろんな技を考えては手作り人形使って試してたとか」

「なるほど」

「けど、病気になってそのまま、亡くなったんだそうです」

「そうなんだ･･････けど、そんな形見のような本を俺がもらっていいの？」

「はい！タケシさんは私達の恩人ですから！」

「そんな恩人って･･････」

　現在──