魔法力士（旧タイトル: ギルドに冒険者登録しに行ったら、なれる職業が魔法力士しかなかった）

第八話 前に魔法力士になったっていう人は、今どうしてるんですか？

　タケシはギルドに着くと、受付のお姉さんにカンソウガエル入りの水晶玉を渡した。

「はい。クエスト達成で、こちらが報酬となります」

「ありがとうございます」

　受付のお姉さんから報酬を受け取る。

「初クエストどうでしたか？」

「情けないことに苦戦しました」

「始めはそうですよ。でも、レベルが上がれば段々に苦戦しなくなりますよ」

「早くそうなりたいです」

「ですね。ふふ。何かわからないことがあれば、聞いて下さい。分かる範囲でお答えしますので」

「ありがとうございます。では、さっそく聞いてもいいですか？」

「はい。大丈夫ですよ」

「魔法力士の技一覧のような本ってありませんか？」

「それが残念ながら、こちらにはそのような本はなくて･･････もし、あれば職業が決まった時に渡せたのですが･･････」

「ですよね･･････」

「･･････力になれず、申し訳ありません」

「いえ」

「･･････他に何か、あれば申して下さい」

「そうですね･･････でしたら、前に魔法力士になったっていう人は、今どうしてるんですか？」

「それがですね･･････その人、お亡くなりになって、この世にはいないんです。しかも、その人は自分のお店を経営していて、息子に継がせたから、第二の人生として少しの期間やっていただけで･･････大した結果も残せてなかったみたいなんですよね」

「そうですか、わかりました。ありがとうございます」

「いえ、これからも何かあれば聞いて下さい」

「ありがとうございます」

　タケシはギルドを後にした。