妖戦刀義

和山忍

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七十五話 洞窟

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「それで佐吉よ。この辺なのか?」

「はい。この辺にあるはずです」

「しかし、佐吉の術のおかげで旦那様の封印されてる岩をこのふだに入れて、こうやって肌身離さず持ち歩ける・・・・・・ありがたきことだ」

 玉穂はそう言って手に持っていた札をふところに入れる。

「いえ、私のできる限りのことをしたまでです」

「ふっ。相変わらず固いなぁ佐吉は」

「!──玉穂さま見つけました!」

「見つけたか!」

 佐吉と玉穂が歩き出す。

 佐吉は立ち止まり、指を二本立て念じる。

 すると、突如洞窟が現れる。

「ここか?佐吉?」

「はい」

 佐吉と玉穂は洞窟の中へと入っていく。

 佐吉が術で灯りを照らそうとすると、

「ここはわっちに任せろ」

 そう言って青い炎──狐火を手元に出し、洞窟内を照らした。

 佐吉と玉穂は奥へと進んだ。


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