妖戦刀義

和山忍

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六十三話 正座

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 風太は着物をはだけさせ、胸筋と腹筋をむき出しにした。正座で刀の刃部分を両手が切れないように持つ。

「・・・・・・」

 風太の両手が震える。風太は野次郎を見る。

「もう少し近づいてくれないか?」

「だめだ!お前が腹を切ってからだ」

「・・・・・・」

「それと切腹したふりはやめろよ?鼻でわかるからな。もしそんなことやったらわかってんだろ?」

 夏海の首に爪を当てながら、風太に見せつける。

「・・・・・・そんなことはしない」

 風太は深呼吸する。

「・・・・・・くっ!」

 風太は刀を腹に刺す。

「!──うぐっ」

 風太は歯を食いしばる。

 腹から血が流れる。

 風太はうつ向いて、そのまま身体を丸くする。

 風太の身体は震えていた。

 野次郎はそれを見て、

「ぎゃはははははは!本当にやりやがった!」

 風太を笑う。

 野次郎は風太に近づこうとすると、

「・・・・・・」

 野次郎は夏海を見る。

「お前はお役御免だ。あとでたっぷり遊んでやる」

 野次郎は夏海を掴んでた手を離した。

「!」

 夏海は地面に倒れる。

 



 
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