妖戦刀義

六十一話 取引

「小僧、動くな！動けば、この女の首をズタズタにして斬り落とすぞ！」

「なんのつもりだ！おまえの目的は夏海さんじゃなかったのか？」

「元々はそうだった･･････しかし今はお前から逃げて、生き延びることが優先だ。女なんてどこにでもいるが、命は一つしかないからな」

「なんて、身勝手な奴･･････」

「それはてめえもだろ？」

「ふざけるな！お前と一緒にするな！」

「いや、一緒だろ？お前は俺が自分より弱いとわかったから、俺をできるだけ苦しませてから殺そうと考えた･･････違うか？」

「！･･････」

「確かにてめえは強い。だがな、それだけでは世の中生き残ることはできねえ･･････お前は馬鹿だ。さっさと俺を殺すか身動きとれねえようにしとけばよかったものを･･････お前は油断し、その結果こうなった！」

　･･････確かにそうだ。オイラは馬鹿だった。オイラの身勝手な考えのせいで夏海さんが･･････。

「･･････夏海さんを離せ！」

「だったら取引だ」

「取引？」