妖戦刀義

和山忍

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五十一話 五体目

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 夕方──風太達の住む村。

「くっ」

 風太が黒い人のような者の攻撃を避ける。

 黒い者の拳が地面に当たり割れる。
 
 風太は息を切らす。

 それを観ていた川次郎が、

「・・・・・・旧鼠よりかなり強くない?」

 と言う。

「そりゃあ、今の奴で五体目で、強さも引き上げてるからな・・・・・・」

「大丈夫なの?風ちゃんやられちゃったりしない⁉」

 夏海が心配する。

「大丈夫だろう。上手く避けられてるしな」

「・・・・・・でも、さすがに妖力使わないで戦うのはきついんじゃない?」

「・・・・・・そうだな。風太!妖力使っていいぞ!」

 それを聞いた風太は、

「わかりました!」

 黒い人のような者が風太に迫る。  

 風太は刀を高く上げ、

「風独楽!」

 風独楽を刀から放つ。

 黒い者の頭に約十二寸(約三十六センチ)の風独楽が直撃する。

 黒い者の頭をなくなり、その場から段々に消えていった。

「ふぅー」

「妖力解禁ですぐ倒すとはなかなか強くなったな」

「そうだね・・・・・・」

 川次郎は浮かない顔をする。

「・・・・・・」

 夏海が川次郎を見る。

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